今春の新作ドラマとして日本テレビ系で放送されて人気を博した『パンドラの果実~科学犯罪捜査ファイル~』が、さらにパワーアップして、Season2として現在、オンライン動画配信サービスHuluにて独占配信中だ。全6話がラインナップされており、地上波を大きく上回るスケールと迫力で、視聴者をくぎ付けにする展開が用意されている。

 ここでは、科学犯罪対策室の新メンバーとして、Season2より加わった奥田玲音を演じた吉本実憂にインタビュー。役作りから初披露となったアクションの感想などを聞いた。

――よろしくお願いします。まずは出演が決まった時のことを教えてください。
 地上波で放送されている時から、『パンドラの果実』っていうタイトルにすごく惹かれていましたから、嬉しかったですね。とにかく、パンドラからは、あの開けてはいけない“パンドラの箱”が思い浮かんできましたし、そこにアダムとイヴのリンゴ(知恵の実)を連想させるような“果実”という言葉が合わさっていたので、インパクトも充分でした。

――Seasonシーズン2では最新の科学がいろいろと盛り込まれています。吉本さんが興味を持ったものはありますか。
 一番は、冷凍保存ですね。元々、興味があったし、主人公(小比類巻)の奥さんが凍結保存されているという設定にも驚かされましたから。個人的には、その技術がもっといい方向に発達していけばいいなって、すごく感じました。

――今回演じられた奥田玲音の印象と、役作りについて教えてください。
 クールでまっすぐで、マルかバツかで物事を決める性格なのかなって感じました。加えて、人見知りと言うか、元々、心をすぐ開く性格ではないし、しかも、ずっとなりたかった警察官になれて、希望の部署に配属されたということで、ビシッとしないといけない、生半可な気持ちでなったわけじゃないということを見せないといけない! そういう意気込みでいたので、当初はツッケンドンな印象になっていたのかなと思います。

 ただ、科学犯罪対策室メンバー3人のことを知っていくうちに、どんどん心を開いていって、一緒に捜査するようになる、という流れを自分の中では計画していました。

――配属された当初は、ユースケ・サンタリアさん演じる長谷部と、まったくかみ合っていませんでした。
 そうなんです。そこは、ユースケさんに引っ張っていただいたところです。ユースケさんが、こういうアドリブで、こういうのを付け足すねと事前に言ってくださったので、それに対して、どうやって返そうかなということを、一所懸命考えていました。おかげで、後半ではもう、私からアドリブができるようになりました。

――ユースケ・サンタマリアさんは、(アドリブを)拾ってくれるんですか。
 もちろん(笑)。だからもう身を委ねる感覚で、自由にアドリブを発することができました。

――その奥田は、Season2からの加入ですが、吉本さんご自身は、共演者とはすぐに打ち解けられましたか?
 撮影初日から、皆さんのお陰で馴染むことができました。ドラマによっては、クランクインの時には、台本も同時進行で進んでいる場合もあるかと思いますが、本作の場合は、クランクインの時点でもう、全話(6話分)の台本をもらっていたんです。

 しかも、撮影初日から科学犯罪対策室でのシーンの収録があって、メンバーと初対面するところ(1話)から、最終話(6話)の、対策室メンバーに解け込んでいるところまでを2日間で演じたので、もう、馴染まざるを得ないですよね(笑)。初めての経験でしたけど、初日からキャストの皆さんと仲良くなれたので、逆に有り難かったです。

――すると、その後の撮影で、加入序盤のシーンに戻る時などは、まだ馴染んでいない雰囲気を表現するのはたいへんだったのでは。
 そうですね。なんかちょっと冷たくしなくちゃいけないし(笑)、サバサバした感じの度合いについては、撮影しながら、あれ? 今、何話目だっけって、すでにメンバーと仲良くさせて頂いているのに、最初に戻ってちょっとスンとするのは、結構ありました。

――今回吉本さんが演じられた奥田は、SFが好きで、ネットが好きでという今風な人物ですが、どのように受け取りましたか?
 私の小さい頃の夢が、奥田と同じで、警察官になることだったんです。なので、その夢が叶ったことがまず、とても嬉しかったんじゃないかと感じています。SFが好きという部分についても、奥田ほどの知識はありませんけど、私もSFが好きなので、そうした共通点があったことは、演じやすさにつながりましたね。まあ、クールなところはちょっと別かなっていうぐらいで(笑)。加えて、今回はアクションもさせていただけるということで、気合充分で現場に臨みました。

――警察官になりたかったのですか?
 小学生の時ころは、大好きな姉が警察官になりたいと言っていたので、じゃあ私も一緒に(警察官に)なるっていう感じでした。そこですぐに、合気道を習い始めたんです。

――その合気道が、現在のアクションへの興味につながっているのですか。
 合気道をしていたのは、小学校の6年間ぐらいでしたから、本格的にアクションをやりたいと思うようになったのは、ここ数年ですね。映画『HiGH&LOW THE RED RAIN』に出演させていただいた時に、私にはアクションシーンはなかったのですが、坂口拓さんがアクション監督で入られていて、その姿を見てカッコいいと思ったのが大きいです。元々、格闘技を見るのが好きだというのもあったし、負けず嫌いな面もあって、体格が小さくても、大きい相手を組み伏せられるアクションがカッコいいなー、やりたいなーと感じて、そういう思いが段々強くなっていったんです。

――ガールズグループにいた時のダンスも、アクションに活きていますか?
 どうなんでしょう(笑)。でも逆に、ダンスを習っていたからこそ、自分の体に注意が向くようになって、自分の体をどう使えば、パンチや蹴りがカッコよく見えるようになるのか、というところに活かされているのかもしれません。

――2話目では、いきなり全開アクションもありました。
 実は、あれが人生初のアクションシーンなんです! それまで練習はたくさんしてきましたけど、作品で披露するのは、そこが初めてでしたから、本当に嬉しかったです。

――撮影にはもう、準備万端で臨んだ?
 いやもう、1週間ぐらい前からどうしようどうしようって、ず~っと悩んでいて、習ったことのないローリングソバットっていう蹴りもしないといけなくて、それは苦戦しました。現場では、アクション監督の諸鍛冶(裕太)さんが、私がパンチや蹴りを思いっきりできるような工夫をしてくださったので、とても有り難かったです。とにかく、人生初のアクションシーンには、悔いの残る部分はありましたけど、皆さんの支えや教えのおかげで、楽しくできたと感じています。カットがかかった瞬間、ディーンさんから“重心が低いね”って言ってもらえたのも嬉しかったです。

――ちなみに、アクションをカッコよく見せる秘訣はどんなことでしょう。
 重心を落とすことかなぁと思いますね。そしてパンチはまっすぐ打つ、嘘をつかない(当てる)こと、になります。蹴りの場合は当てることができるので、思いっきりできるんですけど、パンチは当てられないじゃないですか。だけど、当てないパンチではなくて、きちんと当てるつもりで当てないパンチを打たないといけないので、当てる、打ち抜くということは一応意識しています。

――話は飛びますけど、2話目には“スパイになれそう”っていうコミカルなシーンもありました。
 金髪カツラのところですよね(笑)。あの時は、奥田は新人で緊張感もありましたけど、(捜査に)貢献することができたっていう部分で、ワクワクした興奮が冷めやらない中、生意気にもそんなことを言ってしまうんです。奥田の子供っぽさが出てしまった部分ですね。だから、ユースケさん演じる長谷部に「お前子供だな」って言われてしまうんですけどね。それもまた奥田の魅力の一つというか、憎めないところなのかなと思って、すごく好きです。

――そんなSeason2も、全話の配信が始まって、一気視聴できるようになりました。見どころをお願いします。
 注目ポイントはやはり、4話から出てくるナオキ君ですね。彼が何故追われているのか、大人たちは彼を使って、いったい何をしようとしているのか!? という部分がすごくリアルに描かれているので、そこが見どころかなと思います。

――奥田に関してのおススメは?
 やっぱり、アクションですね。先ほども少しお話した、2話目で初めて奥田の特技(=武術)を出すところには、注目してほしいです!

――ちなみにSeason2は完結しましたけど、もし続編があるとしたら、どんな展開を望みますか?
 もっともっといろいろな科学の最新技術を見てみたいですね。私の知らないことが山ほどあると思うので、期待したいです。あとは、Season2では最上役の岸井(ゆきの)さんとの共演シーンが少なかったので、可能であれば科学犯罪対策室メンバー4人での捜査(行動)を、もっと増やしたいです。

――奥田のアクション面での要望は?
 いろいろな武器を使う犯人を制圧するとか、1対多数の戦いにも挑戦したいです。あとは、ユースケさんとのアドリブをもっとパワーアップさせたいですね。それが一番の楽しみかもしれません(笑)。

ドラマ「Huluオリジナル『パンドラの果実~科学犯罪捜査ファイル~』Season2」

Huluで全話独占配信中

<出演>
ディーン・フジオカ、岸井ゆきの、佐藤隆太、吉本実憂、西村和彦、本仮屋ユイカ、安藤政信、平山浩行、池内万作、弓削智久、板尾創路、石野真子、ユースケ・サンタマリア

<スタッフ>
原作:中村啓「SCIS 科学犯罪捜査班 天才科学者・最上友紀子の挑戦」(光文社文庫)
脚本:福田哲平、関久代、土井笑生
音楽:菅野祐悟
主題歌:DEAN FUJIOKA「Apple」(A-Sketch)
制作:田中宏史、長澤一史
チーフプロデューサー:三上絵里子、茶ノ前香
プロデューサー:能勢荘志、尾上貴洋、古屋厚、小田切ありさ
監督:羽住英一郎、長野晋也
制作協力:ロボット
制作プロダクション:日本テレビ
製作著作:H Jホールディングス
(C)中村啓・光文社/HJホールディングス

吉本実憂 ヘアメイク:小嶋 絵美(ouca)
     スタイリスト:小谷雄太