タクトシュトックから、ドイツ、ジャーマン・フィジックスの360度無指向性スピーカー「HRS(Helmholtz Resonator Speake)-130」が7月20日に発売される。ラインナップと税込価格は以下の通り。

HRS-130 ST ¥4,180,000(ペア、税込、サテン仕上げ)
HRS-130 HP ¥4,620,000(ペア、税込、ハイポリッシュ仕上げ)
HRS-130 CF ¥4,950,000(ペア、税込、カーボンファイバー仕上げ)

 HRS-130は、同社の特徴でもあるDDD(Dicks Dipole Driver=ディック・ダイポール・ドライバー)ユニットがホールのような包み込む音場を作り出す。ステレオイメージをより自然に再現できる圧倒的な没入感が高い評価を得ており、ジャーマン・フィジックスの中でも特に人気が高く、ハイエンドながらラインナップの中では比較的扱いやすいサイズも相まって、過去最高のヒットモデルだという。

 このDDDユニットに完璧に応答するウーファードライバーの開発も、ジャーマン・フィジックスのもうひとつの挑戦の歴史だ。HRS-130はベース付近に取り付けられた250mm密閉ドライバーによって、クラシックやヴォーカルはもちろん、ジャズ、ポップス、ロックにいたるまで自然かつ、生生しいサウンドで再現してくれる。

 キャビネットにも配慮されている。本体が共振すると、それがサウンドを滲ませ、細部を覆い隠すことによって音質を低下させる。HRS-130は八角形のキャビネット構造を採用。そのパネルは同等の空間容量を持つ一般的なキャビネットよりもパネル面積が小さいため、剛性が向上するという。内部には重要な位置にブレースが配置され、空間容量を損なう事なく剛性を最大限に高めている。

 さらに反共振対策として、Hawaphonと呼ばれる特殊な制振材を各パネルの内側に適用。これにより、パネルの共振周波数が低下し、その特殊な内部構造によって振動エネルギーが効果的に熱に変換されている。

 なおHRS-130は、ヘルムホルツ共鳴器を用いて250mmウーファーを強度の高い八角形キャビネットに密閉型で収めており、低域の制御は一般的なバスレフタイプよりもはるかに容易という。そのため、部屋のどの場所に置くのかはそれほど重要ではなく、左右の間隔が決まれば素晴らしいステレオイメージが再現されるそうだ。

 注意点として、設置する部屋に過度な吸音パネルや吸音材は必要ない。というのも、無指向型スピーカーは壁の反射音を利用して自然なステレオイメージを作り出している。過剰な吸音は、その本来の音を殺しかねないそうだ。

「HRS-130」の主なスペック

●型式:360度無指向2ウェイ密閉型
●使用ユニット:Carbon Fibre DDD、10インチウーファー
●インピーダンス:4Ω
●再生周波数特性:29Hz〜24kHz
●クロスオーバー周波数:220Hz
●能率:87dB/W/m
●寸法/質量:W325×H1,160×D325mm/37.4kg
※付属品:スパイク、インシュレーター