B&W(Bowers & Wilkins)から、オーバーイヤータイプのノイズキャンセリングヘッドホン「Px7 S2」が7月下旬に発売される。市場想定価格は5万円台後半(税込)。

 型番からもわかるように、同ブランドの人気モデル「PX7」の後継機で、角度を付けて配置された40mmカスタムドライブユニット、再生音に影響を与えないノイズキャンセリング機能、メモリーフォームの採用でかつてないフィット感を実現したイヤーパッド、ラグジュアリーなデザインなど、多くの面で進化を果たしている(今回から型番の”X”が小文字に変更された)。

 40mmカスタムドライバーは前モデルを継承しつつ、B&Wのプレミアムスピーカーから着想を得て、ヘッドホンの要件に合わせて改良されている。ボイスコイルが20mmに大型化され、マグネットも強化することでインパルス応答を改善、楽音のニュアンスを細部まで忠実に再現する高速レスポンスと低歪みを両立している。

 ドライブユニット自体は、リスナーの耳との距離を一定に保つため、イヤーカップ内に最適な角度(15.4度)を付けて配置されており、よりナチュラルで臨場感の豊かなサウンドステージを実現している。ちなみにPx7 S2のエンクロージャーは、この傾きをつけてユニットを配置できることを前提にデザインしたそうだ。

 ワイヤレス再生用のBluetoothコーデックは、aptX Adaptiveに対応。高音質、低遅延、音途切れに対する接続性能を備えており、無線受信環境の変化に合わせて自動的にビットレートを調整して音切れを回避してくれる。対応再生機との組み合わせでは、ハイレゾ対応のストリーミングサービスから48kHz/24ビットクォリティのサウンドを楽しむことも可能だ。マルチポイントにも対応済みで、後から接続したデバイスのサウンドが再生されるようになっている。

 Px7 S2はUSB DAC機能(48kHz/24ビット対応)を搭載しており、USB Type-CケーブルでPCと接続すれば、バッテリーを充電しながら音楽再生も楽しめる。アナログ接続用には3.5mmステレオミニジャックを備え、付属のキャリングケースにUSB Type-Cと3.5mmステレオミニプラグ、それぞれのケーブルが同梱されている。

 ノイズキャンセリング機能もB&Wが独自に開発したもので、搭載された6つの高性能マイクが連携して動作することにより、高いノイズキャンセル効果をもたらしてくれる。ノイズキャンセリングモードは今回から1種類に統合され、原音に影響のないレベルの効果に設定されているとのことだ。

 イヤーカップ内の2つのマイクは各ドライブユニットの再生音を、外側の2つは環境ノイズを集音。さらに2つの通話用マイクが話し声以外のノイズを効果的に抑制し、ユーザーの発する声だけを明瞭に伝えてくれる。マイクの位置や角度の最適化により、ノイズの多い環境下でも高いパフォーマンスを発揮できる仕組みだ。

 操作面でも改良が施され、Px7 S2は、「Bowers & Wilkins Music」アプリで設定、操作が行える最初のヘッドホンになっている。アプリでは、ヘッドホンとモバイル機器のペアリング、イコライザーによるサウンドの微調整、ノイズキャンセリングとアンビエント・パススルーの切り替え、バッテリー残量の確認などが行える。アップデートにより、Bowers & Wilkins Musicアプリからヘッドホンへ直接音楽をストリーミングする機能も追加される予定だ。

 フル充電で30時間の再生ができ、バッテリー残量を気にすることなく音楽を楽しめる。また、15分の充電で最大7時間の再生ができる急速充電にも対応済みだ。

 カラリングはブラック、ブルー、グレーの3色を準備。それぞれにフォルムの美しさを際立たせる装飾が与えられている。見た目の美しさだけでなく、快適性も向上させるために、コンストラクションを全面的に見直し、より軽量でスリムな形状とした。 イヤーパッドには改良されたメモリーフォームが使用され、耳を包み込むように優しくフィットする。

 なお同ブランドでは、Px7 S2に続いて本年後半に新しいフラッグシップモデル「Px8」の発売も予定している。こちらはリファレンスレベルの製品として、一切の制約を設けることなく開発が行われた製品という。プレミアムなデザイン、上質なマテリアル、優れたオーディオ性能をかつてないレベルへと引き上げる存在とのことだ。