Disney+(ディズニープラス)のオリジナルドラマ、『オビ=ワン・ケノービ』が、ちょうど1週間前の6月22日に最終回を迎えました。先般、本作の前半を見た印象を酒井俊之さんと語り合ってみたところ、予想以上の読者諸氏からアクセスをいただきました。やはり『スター・ウォーズ』のスピンオフシリーズで、主人公がオビ=ワンということで、注目していた方も多かったようです。

 そのシリーズが無事ハッピーエンドを迎えましたので、今回は第4〜6話の後半について語り合ってみたいと思います。前回ふたりで勝手に展開した予想は当たっていたのか、後半の胸熱ポイントはどこだったのか、44年前からの『スター・ウォーズ』ファンの思いの丈を紹介します。

 ちなみに酒井さんは、全6話を見終わっての第一印象はいかがでしたか?

『オビ=ワン・ケノービ』
●スタッフ:出演:ユアン・マクレガー(オビ=ワン・ケノービ役)、ヘイデン・クリステンセン(ダース・ベイダー役)他●監督:デボラ・チョウ●配信スケジュール:毎週水曜日にディズニープラスにて独占配信 (C)2022Lucasfilm Ltd.

●Disney+(ディズニープラス):ディズニーがグローバルで展開する定額制公式動画配信サービス。ディズニー、ピクサー、マーベル、スター・ウォーズ、ナショナルジオグラフィックの名作・話題作に加え、スターブランドとして大人が楽しめるドラマや映画も充実、ここでしか見られないオリジナル作品も続々登場する。

酒井 僕は大満足しています。気になる点はもちろん色々あるんだけど、1〜3話を見てこうなって欲しいな、これを描いて欲しいなと思っていたものは盛り込まれていました。『エピソード 3.5』となる『オビ=ワン・ケノービ』として期待通り、いや、期待以上の出来映えでした。

 確かに前半3話を観て期待したもの、個人的に絶対欲しいって思っていたオビ=ワンの復活なんて、予想以上のパワフルさで描かれていました。

酒井 最終話を見終わって、久しぶりにデジラマを撮影したくなったんです。“おもちゃで遊びたくなる『スター・ウォーズ』は、いい『スター・ウォーズ』”。そういう意味でも成功作じゃないでしょうか。

 さて、前回は第3話まで終わったところでお話を聞いたわけですが、後半の酒井的胸熱ポイントについて具体的にお聞かせください。

第4話 『エピソード 4/新たなる希望』を彷彿させる、折り返し点

酒井 第3話の終わり。レイアがサード・シスターに捕らえられ、オビ=ワンが水の惑星ナーに救出に向かいます。これは『スター・ウォーズ』シリーズのひとつのパターンとなっている潜入・救出のエピソードですよね。

 そこは『エピソード 4/新たなる希望』にも通じる、捕らわれのお姫様=レイアを助けに行くジェダイ達っていう構図ですよね。

酒井 シリーズの折り返し点となる展開にしては地味な印象もなくはないんですが、『エピソード 4』を彷彿させてくれて楽しめました。

 第4話については、ちょっとテンポが遅くなったような気はしたんですよね。レイアを救い出すとか、状況説明に時間がかかったのかもしれませんが、もう少しスピード感、緊張感のある展開でもよかったかな。

酒井 この回ではオビ=ワンがフォースを取り戻しつつあることも描かれている。さすがに一足跳びというわけにはいきませんよね。徐々に勘を取り戻していく様子を描くために、この程度のテンポ感は必要だったんじゃないかと感じました。

 オビ=ワンとストームトルーパーの戦闘シーンでも、トルーパーの銃撃をオビ=ワンがライトセーバーで打ち返していくのを見て、ジェダイとして復活しつつある過程がうまく描かれていたと思います。それほど大がかりな物語ではないけれども、わくわくさせられました。

 水中のガラスが割れるのを抑えるシーンは、これまで封印してきたフォースをレイアのために使う、フォースと向き合わなくてはならない状況が生まれてきている、そんな苦悩も感じました。

酒井 オビ=ワンがライトセーバーをくるくるっと回すアクションはこれまでにもありましたが、こういった描写もかつてのジェダイに戻ってきているんだということをさり気なく表現していてよかったですね。

 第4話で幼いレイアが尋問に対して反抗する姿は、後の『エピソード 4』のレイア姫を彷彿させましたね。ヴィヴィアン・ライラ・ブレアという子役ですが、表情がちゃんとキャリー・フィッシャーに似ている。本当に演技がうまいと思います。

第5話 “This is STAR WARS” のサービス満載

酒井 そして第5話は、無事にレイアをオルデラーンに連れて帰るところから始まるのかと思いきや、『エピソード 2/クローンの攻撃』の頃のオビ=ワンとアナキンのライトセーバーによるトレーニングシーンから始まってびっくりでした。しかも旧作から映像を流用するのではなく、ちゃんと撮り直している。

 このシーンでの2人の関係性、ライトセーバーのトレーニングをしている時の関係が、10年後のベイダー=アナキンと、オビ=ワンでも変わっていなかったという伏線にもなっていた。

酒井 しかもそれがオビ=ワンではなくベイダーの回想だったという展開が面白い。ベイダーのなかにはアナキンが間違いなく存在しているんだと確信できたシーンですからね。

 前回の対談でも、酒井さんはその点に注目していました。

酒井 スター・デストロイヤーの登場も嬉しいですね。まさに “This isSTAR WARS”。とりわけ『エピソード 4〜6』ファンにはたまらない見せ方をしてくれたのは最高のサービスでした。

 また、大尋問官に昇格したサード・シスターがジャビームで反乱軍達と戦うシークエンスでは意外といってもいい展開になりました。

 サード・シスターの素性は、前回酒井さんと予想した通りだったわけですが、ベイダーに対する恐怖、復讐心を意外と素直に表明したので、実は拍子抜けした感もありました。

酒井 おぉなるほど。第5話のクライマックスは、なんと言ってもサード・シスターの後に乗り込んでくるベイダーですね。飛び立とうとする輸送船をフォースで叩きつけるところなんて、思わずディズニーランドのスター・ツアーズを思い出しました(笑)。

 他にもターラがドロイドのNED-Bと共に爆死して、オビ=ワン達を逃がすというシーンがありますが、ここは『ローグ・ワン』や『マンダロリアン』をも彷彿させます。ぐっときました。

 本作や『エピソード 4』でも、ドロイドを見下した発言がちょいちょい出てきますが、オビ=ワンたちにはそんな差別的発想はないし、だからこそドロイド側もそれに応えて自己犠牲もいとわなくなるのでしょう。レイアが大切にしているローラがいい例です。

 もともとルーカスは、『スター・ウォーズ』で多種多様なエイリアンを平等な存在として描いているわけで、そこにドロイドが含まれていても不思議ではありません。

酒井 ベイダーとサード・シスターとのバトルでは、同じアクションシーンでも1〜3話とはカッティングやテンポ感がかなり違っていましたね。

 前回の対談で、デボラ・チョウの演出が70〜80年代ぽいという話がありましたが、5〜6話になっていくとスピード感が変化しています。

酒井 それが狙いだったのかもしれませんね。70 年代のスピード感から現在のスピード感に、オビ=ワンのジェダイとしての覚醒に従って変化させていくのを意図していたとしたら、これはいい演出です。

第6話 終演に向けてどんどん畳みかけてくる演出が秀逸!

 そして遂に最終話、第6話につながっていきます。

酒井 第5話のラストで、サード・シスターがルークの存在を知ってしまい、タトゥイーンのルークに危機が迫る、というところから第6話がスタートします。

 その伏線としてハジャが大事なコミュニケーターを落としてしまったり、ベイダーにライトセーバーで貫かれたサード・シスターがなんだか普通に生きている(笑)といった、脚本の粗さは正直なところ気になりました。アイデアが足りてない印象は否めません。

 結論が決まっているから、そこにつなぐためなのは分かるんだけど、確かにもう少し脚本を練って欲しいと思いました。

酒井 第6話で大活躍したのがラーズ夫妻でした。これまでこのふたりは『エピソード 4』で、ルークを農場に縛り付けているオーエンおじさん、ルークとオーエンの間を取り持つだけのベルーおばさんというくらいの印象しかありませんでしたが、今回の描写には胸が熱くなりました。

 ルークの身の上に対する理解、思いの強さがこんなにあったんだな、と驚きました。

酒井 ラーズ夫妻がルークを本当の子供のように守っている、可愛がっていることがよくわかる。こういうシーンをちゃんと描いているところがこのシリーズはいいと思うんですよね。

 オーエンとベルーは、これまでストーリーの周辺にいる印象でしたが、第6話でメインキャラクターになった。こういう変化がスピンオフならではの楽しみでもありますね。

酒井 そしてまたまた第6話でもスター・デストロイヤーがばんばん出てくる。ここは『エピソード 5/帝国の逆襲』へのオマージュでしたね。劇伴もジョン・ウィリアムスのスコアをアレンジしたような雰囲気。ファンに対する目配せのように思いました。

 冒頭でオビ=ワンたちを追いかけるスター・デストロイヤーの構図も『エピソード 4』だし、今話に出た音楽の使い方もあるし、クライマックスに向けてファンが見たい要素がどんどん取り込まれていくのは嬉しかったですね。

酒井 そして予想通り、オビ=ワンとベイダーとのバトル第二弾が展開されました。オビ=ワンがライトセーバーを抜いて、指先を突き出すセレスの構えで戦いが始まる。もう待ってました! という展開で鳥肌が立ちました。

 これまで以上に壮絶なジェダイとシスの戦いが始まる。今回の『オビ=ワン・ケノービ』のドラマはこのためにあったと言っても過言ではない、圧倒的なスピード感とフォースのぶつかり合いでした。

酒井 ここはライトセーバー戦を描くことが目的というよりも、2人が感情をぶつけ合うところが胸に迫るポイント。そこが一番見たかったところなんです。

 僕はこのバトルがどういう意味を持つのか、オビ=ワンがどれくらいジェダイとしての力を出してくるのかに注目していました。

酒井 どんなビジュアルで見せてくれるか。今回はあのオビ=ワンが岩を飛ばしたり、地面を割ったり、フォースの描写も新鮮でした。

 オビ=ワンが、ルークたちの未来を思い描くことでフォースを取り戻し、見事に再生する。遂にベイダーのヘルメットをたたき切ってしまうわけで、そこまでの我慢と爆発もいいですよね。

 またその際のヘルメットの割れ方が、『エピソード 5』でルークが見たビジョンと同じだなと思ったんです。あのシーンと重なって、輪廻の輪を感じました。

酒井 ここで面白かったのが、ベイダーのセリフに応じて、ヘルメットやマスクに映るセーバーの光の色を赤や青に変化させている演出です。

 ベイダーとして話す時は赤い光でマスクが照らし出され、アナキンとして話す時は青のセーバーの色を反射させている。ライトセーバーの色を使った心理描写とはなかなか考えたな、巧いな、と感心しました。

 確かに印象的なビジュアルで、記憶に残りました。

酒井 オビ=ワンのアナキンへの呼びかけに対し “アナキンは死んだ。私はその残骸だ” とベイダーが答える。ここはまさに『オビ=ワン・ケノービ』というドラマのクライマックスでした。

 “アナキン・スカイウォーカーを殺したのはお前ではない。私だ” というセリフはベイダーではなく、アナキンとしての偽らざる心情でしょう。それと同時に、オビ=ワンは自分を(ムスタファーで)殺したと思っているだろうから、そうじゃないんだよ、というマスターに対するアナキンの優しさを感じたりもしました。

 アナキンは、出来ることならここで自分の運命をオビワンに終わらせて欲しかったんじゃないでしょうか。もはや自分ではどうにもならなくなったこの運命を終わらせることができるのは、オビ=ワンだけだと。俺はもうアナキンじゃない。葬ってくれとオビ=ワンに懇願している。そんな思いが込められているんじゃないかと考えるとなんとも切ない気分になりませんか?

 なるほど、自分では狂った歯車を正す事ができないから、オビ=ワンに決着を付けてくれと。

酒井 でも、オビ=ワンもそれができないんですよね。 “さらばだ、ダース” と言うだけで、とどめを刺してくれない。運命を終わらせてくれないことに対して絶望したアナキンの悲しさと怒りが、 “オビ=ワン!” という絶叫につながっているんじゃないでしょうか。

 その後にパルパティーンが登場するわけですが、ここでベイダーの中にいるアナキンとしての感情、弱さを皇帝に見抜かれているのが面白いですね。

 というと?

酒井 皇帝曰く “かつてのマスターに抱いている感情がーー弱さの元だろう”。同じ事をベイダーもオビ=ワンにも言っている。俺に対する気持ちがお前の弱さだって言っている、それと同じことを皇帝から言われるわけで、その構図が面白かったんです。

 オビ=ワンに絶望したアナキンはあらためてパルパティーンに忠誠を誓う。高らかに鳴り響くダース・ベイダーのテーマ。ここで遂にアナキンが身も心もダース・ベイダーになるという、一連の流れが劇的でした。

 その後のベイダーは運命論者として振る舞っていくわけですが、最後にルークによってアナキンの心が甦り、皇帝を滅ぼすことになる。実はこの “弱さ” と呼ばれるものが一番大切な存在で、『スター・ウォーズ』という作品のテーマのようにも思っています。

酒井 そして、オルデラーンに無事帰ってきているレイア。ここでなるほどと思ったのが、レイアがひとりで身支度をしているシーンを描いていることでした。

 第1話ではレイアの身代わりの女の子が侍女たちに身繕いを任せていましたよね。おそらくレイアも同じように世話をしてもらっていたのでしょう。しかし第6話では、すべてレイアは自分ひとりで済ませている。今回の冒険が彼女を成長させたということを、日常生活のなかでのビジュアルでしっかり見せていますよね。

 続くシーンでペイル・オーガナと政治についての議論を始めますよね。既に統治者としての自覚も芽生えているわけで、『エピソード 4』のレイアに向けての第一歩を感じました。

酒井 そこにオビ=ワンがやって来て、ふたりの間にはもうすっかり信頼関係が築かれている様子が描かれます。オビ=ワンがレイアの両親についての話をしますが、ここで「レイア姫のテーマ」が流れるんですよね。ぐっとくるシーンでした。

 一方で、王女とジェダイが親密なことが帝国に知られるとヤバいから、お互いに知らんふりしておこうね、という少々都合のいい約束をするあたりは(笑)、『エピソード 4』への伏線ですね。

 そうじゃないと『エピソード 4』でのレイアのオビ=ワンへの態度は素っ気なさ過ぎます(笑)。

酒井 そして別れ際のオビ=ワンの “May the Force be with you.”。ここで流れるのが「ベン・ケノービのテーマ」。そして去って行くシーンで「オビ=ワン・ケノービのテーマ」へとつながっていく。この音楽の構成もとてもいいですね。

 ドラマとしてはここで終わってもよかったんでしょうが、『エピソード 3.5』としては、ルークに渡せなかったスカイホッパーはどうなったのか? 他にも伏線が残っていました。オビ=ワンとオーエンもどこかで和解しなくてはいけない。

 オーエンとしてはルークをジェダイに近づけたくなかったんだろうけど、今回の事件を通してその気持ちも変わってきたのでしょう。

酒井 オビ=ワンは、ルークは自分が守らなければならないし、いつかフォースを教えなくてはならないと考えていたはずですが、ラーズ夫妻を見て、このままでもいいんだと、未来に何かあったらその時に伝えればいいと考えが変わっていった。

 オーエンとの間に今までにない信頼関係ができたからルークとも話をさせてもらえるようになりましたしね。

酒井 ルークに声をかけるオビ=ワン。ここで “Hello there!” ですよ! あぁやっと出てきたか! もう感極まりました。ビジュアルしかり、物語しかり、音楽やセリフしかりで、終演に向けてどんどん畳みかけてくる。まさに胸熱な演出でした。

 オビ=ワンとしても、その信頼ができたから、次のステップに旅立つことができたわけですね。

酒井 過去と決別して、ジェダイとしての本来の自分を取り戻し、さらに未来を向いた時に初めてクワイ=ガン・ジンが登場する。オビ=ワン自身の成長を明快に描いているシークエンスです。

 アナキンに対する自責の念で目を閉じていたオビ=ワンには見えなかっただけで、本当はいつもそこに居たということですね。

酒井 クワイ=ガンの登場は、ジェダイにとって死は終わりではないということの表現だとも思いました。霊体の存在になればいつでもまた会える、そうオビ=ワンが悟ったとすれば、『エピソード 4』で敢えてベイダーに斬られるのも納得がいく。オビ=ワンがベイダーに言っていた、“さらに強い存在になる”ということにつながるんじゃないでしょうか。

 ユアン・マクレガーのオビ=ワンと、アレック・ギネスのオビ=ワンがひとりの人物としてつながった瞬間でしたね。

 さて、そろそろ『オビ=ワン・ケノービ』について総括したいと思いますが、基本的なドラマとしては落とし所もきちんと押さえているし、見事にまとめてくれたんじゃないでしょうか。

酒井 『エピソード 4』につながる物語として、なくてはならないストーリーになっていたと思います。

 それにしても、入り口と出口が決まっているストーリーから逆算してドラマシリーズを作るっていうのは本当に難しいんだなぁと痛感しました。サーガの中核に近い人物であるからこそ、実は本来ならアンタッチャブルなキャラクターなのかもしれないな、とも思いました。

 『ローグ・ワン』のように、完全な新キャラクターなら終わりが決まっていても展開のしようはあるんですけどね。

酒井 『エピソード 3/シスの復讐』と『エピソード 4』との整合性、要所要所でクリアしなければならない “チェックポイント” をどう描くか。ここは見方にもよるので、人によってはすごく雑に感じるかもしれないし、あるいはエモーショナルな時間を切り取った展開とも受け取れるでしょう。評価は分かれるかもしれないけれど、個人的にはもう少々脚本・演出を練って欲しかったシーンもあった、という印象はありますね。

 大局的な見方はちゃんとできているから、シリーズとしては成功だったと思いますよ。

酒井 それは間違いのないところでしょう。第6話を見た後に『エピソード 3』と『エピソード 4』を見直してみたんですが、どちらを観ても今まで以上にしみじみとします(笑)。思わぬシーンで従来とは違う見え方をすることもある。そういう意味では充分に提案性のあるドラマになっていたと思います。

 スピンオフシリーズはまだまだ続きそうですが、次に期待している作品はありますか?

酒井 8月末から『キャシアン・アンドー』がスタートしますよね。『ローグ・ワン』の前日譚を通して、これまでにない反乱軍の “裏側” も描かれるんじゃないか? 意外とビターな感じになるんじゃないか? 今からめちゃめちゃ期待しています。

 今回のように、古参のファンもわくわくさせてくれる展開を期待したいですね。今日はありがとうございました。

対談メンバー:酒井俊之、泉 哲也

劇場上映された『オビ=ワン・ケノービ』は、
家庭劇場での4K/HDRとはまた違う側面を見せた …… 酒井俊之

 劇場で公開されることのない『オビ=ワン・ケノービ』。6月21日に開催された、J-WAVE SPECIAL SCREENINGのイベントで、その第1話と第2話をスクリーン上映で観る貴重な機会に恵まれた。劇場はTOHOシネマズ六本木ヒルズのスクリーン2。自宅の4K/HDR対応のプロジェクターやウルトラワイドディスプレイで観る、ドルビーアトモス音声で聴くスタイルとはまた違った印象を受けた。

 ともすればややテンポ感がゆっくりな印象もある第1話と第2話。しかし劇場サイズで観てみるとこれはこれで “映画のテンポ” として成立しているのではないか、と感じられた。もしかしたらディズニープラスでの配信だけでなく、追って劇場での公開をも前提として制作されていたのではないかと思ったほどだ。

 絵はややコントラスト感には欠けるトーンになっている。ただし、今回は本来なら劇場での公開を目的としていないグレーディングが施されたマスターを使ったSDR上映。ここは差し引いて考えなければならないだろう。いっぽう5.1chのサラウンド感や音の情報量はディズニープラス版と印象が大きく変わることはない。

 自宅のシステムで再び第1話と第2話を確認してみると、思いのほか健闘、というよりもあらためて4K/HDR&ドルビーアトモス版の優位性を味わうことが出来た。意外とディズニープラス版のフォーマット、いいのである。家庭用と侮るなかれ、と感じた次第だ。

オビ=ワン・ケノービ | 本予告 | Disney+(ディズニープラス)

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