宮野ケイジ監督の映画『さよなら、バンドアパート』(7月15日 公開)の舞台挨拶付き先行上映会が6月16日に都内にて行なわれ、清家ゆきち、森田望智、松尾潤、小野武正(KEYTALK)、原作者でロックバンド“juJoe”のボーカルとギターを担当する平井拓郎、宮野監督らが登壇した。

 主人公の川嶋(清家)は学生の頃から音楽の道に進む夢を持っていた。大阪で出会ったユリ(森田)との出逢いによって川嶋の潜在能力がどんどん花開き、ついにプロデビュー。しかしそこには、夢や目標とは別種の厳しい現実が待ち受けていた――――。

平井拓郎 「(自分の原作が)映画化されて、嬉しいということしかなかったですね。不安もないですし、嬉しさしかないです。ありがとうございます、とずっと言ってましたね。原作者としては勝手にやってください、好きなようにいじくってくださいという感じです。大切な作品が映画としてアウトプットされました。初めての経験なのでドキドキもありますが、喜びの方が混ざっています」

清家ゆきち 「公開一カ月前ということで、どうなることやらという感じなんですけれども、なんかドキドキワクワクですね。僕も10年間ロックバンドやっていたんですけれども、川嶋役を演じさせてもらって、山あり谷ありじゃないですけど、また違う人生をこの映画で経験ができました。いい映画になってるんじゃないかなと思っております。ゆっくり楽しんでいってください」

森田望智 「関西弁は本当に激ムズでした。本当に難しくて、それプラス、ユリって捉えどころがないというか、捕まえられそうで捕まえられないような、ちょっと夢の中にいるような人物だなと思いました。そのイメージを体現するのがすごく難しかったです。この作品は痛々しい経験とか苦い思い出とか、そういうのを全部抱え込みながら、不器用に成長していくそれぞれのお話だと思っています。そこに自分はどうかなと共感してもらえたら嬉しいですし、何より音楽を聴いていただけたら一番いいなと思います」

小野武正 「15年ぐらいバンドをやっているんですけれども、バンドには表舞台に出てる明るい部分だけじゃなくて、暗い部分とか若干心の闇の部分とかもあるんです。それをすごくいい形で表現している映画だなと思いましたし、じっくりしっかり僕の関西弁を楽しんでください(笑)。KEYTALKではギターなんですが、今回はベーシストの役で、自分の周りにいるすごいベーシストの方たちをイメージしながら練習しました」

松尾潤 「ドラムを叩いたのは初経験です。楽器自体に小学生の頃から苦手意識が強くて、ドラムを本当に叩けるかなとすごく不安だったんですが、毎日家でメトロノームを使ってリズムキープの練習をずっとしていました。監督をはじめ皆さんが支えてくださって、本番ではもう自信を持って(演奏しました)。それぞれのキャストにも共感できる部分があるんじゃないかなと思います。夢を追いかけることの楽しさ、苦しさ、時にはぶつけようのない怒りが湧いてきたりして、いろんな感情に出会った作品です」

宮野ケイジ 「(原作を読んで)言葉がキラキラしていて、ぜひ映画化したいと思いました。この映画は主人公が97分かけて、青春の終わりに向かってへ向かっていく映画だと思っています。ストーリーを追っかけていくというよりも、ご覧になっている皆さんがどこかの場面で、ある時代だったり、これまで出会った人だったり、誰かやどこかに思いを馳せるような見方をしていただければ嬉しいと思います。最後まで楽しんでください」

 劇中にはほか、梅田彩佳(元AKB48)、髙石あかり、千原せいじ、竹中直人らも登場。ライブシーンでは、出演も果たした小野率いるKEYTALKの他、cinema staffも本人役で登場している。7月1日には新宿ロフトプラスワンで関連イベントも開催予定。

映画『さよなら、バンドアパート』

7月15日(金)シネマート新宿 ほか全国公開

<キャスト>
清家ゆきち 森田望智
梅田彩佳 松尾潤 小野武正 上村侑 髙石あかり 石橋穂乃香 千原せいじ 阿南健治 / 竹中直人
KEYTALK cinema staff

<スタッフ>
原作:平井拓郎「さよなら、バンドアパート」(文芸社刊) 監督・脚本:宮野ケイジ プロデューサー:関顕嗣 音楽マネージメント:深水光洋 NFTプロデューサー:ERIC YN KIM 制作プロダクション:FREBARI 配給・宣伝:MAP 配給協力:ミカタ・エンタテインメント 製作:映画「さよなら、バンドアパート」製作委員会 2021年/日本/カラー/シネマスコープ/DCP5.1ch/97分
(C)2021「さよなら、バンドアパート」製作委員会