ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団では、映像配信サービスの「デジタル・コンサートホール」にイマーシブオーディオ(ドルビーアトモス)を導入、新たな次元となる音の体験をお届けすると発表した。しかも、これまでのデジタル・コンサートホールの利用者に追加料金なしで提供される。
本拠地のフィルハーモニーは、唯一無二の響きと、音楽体験にとって重要な要素である空間が出会う場所。デジタル・コンサートホールのチームは、3D立体音響ドルビーアトモスのフォーマットをベースに、フィルハーモニー特有の優れた音響に適合したアルゴリズムの開発に成功。それにより、デジタル・コンサートホールのアーカイブ映像の響きを3Dサラウンドで再現可能になったという。
オーケストラの様々な編成による音楽的な要求に応えるため、ミキシングは作品ごとに個別に行われる。音楽の空間的な広がりをより強く感じながら音に完全に没入することができ、よりエモーショナルで臨場感豊かなコンサート体験を手軽に味わうことができるとのことだ。
デジタル・コンサートホールでは、今回から過去4シーズンのコンサートがイマーシブオーディオで視聴可能。さらに過去にさかのぼったコンサートも、順次配信していく予定だという。
ベルリン・フィルソロ・チェロ奏者、メディア代表、ベルリン・フィル・メディア取締役のオラフ・マニンガー氏は、「デジタル・コンサートホールでベルリン・フィルを3Dサラウンドで体験いただけるようになったことは、我々の誇りです。イマーシブオーディオにより、文字通り空間いっぱいに広がるような聴き心地が実現します。これにより、本物のコンサート体験という我々の想にまた一歩近づいたことになります」と喜びを語った。
またデジタル・コンサートホールクリエイティヴ・プロデューサーのクリストフ・フランケ氏も、「デジタル・コンサートホールのお客様に、我々のアーカイブにある約200ものコンサートをイマーシブオーディオでご提供できることを嬉しく思います。今後、ほぼすべての過去のコンサートをドルビーアトモスでミキシングし、3Dサラウンドで体験できるようにすることは、我々にとって刺激的かつ充実した作業です」と今後の展開についても説明してくれた。
StereoSound ONLINEでは、この新しい配信について取材の準備を進めており、麻倉怜士さんのホームシアターで、ドルビーアトモスによるベルリン・フィルのコンサートを体験いただく予定だ。そのインプレッションも近々お届けするので、お楽しみに!