エミライは、Bricasti Design(ブリキャスティ・デザイン)の新製品アナログプリアンプ「M20」の取り扱いを開始する。価格は¥2,178,000(税込)で、6月10日の発売を予定している。

 同ブランドのDAC内蔵ソースコントローラー「M12」からデジタル回路を取り除き、純アナログプリアンプとして開発されたモデルとなる。左右完全独立設計の電源部・回路部のほか、抵抗ラダー型のアッテネーター、セラミック素材の回路基板など、細部にわたり音質追求を行なった、同社のリファレンス・プリアンプだ。

 左右で完全に独立した基板を採用し、信号処理回路、アナログLch出力回路/Rch出力回路のそれぞれに専用電源部を有する、徹底したデュアル・モノーラル設計を採用した。

 各入力経路には独立した入力バッファ回路があり、バランスとアンバランスのソースを完全に分離、入力タイプごとに異なるゲインを設定できる。入力段のバッファには、アナログ・デバイセズ社の低ノイズ・高速セトリング・オペアンプが使われている。

 3つの独立したバッファリング出力により、M20はふたつのバランス出力で2台のパワーアンプを駆動するバイアンプ用途や、2つ、または3つのゾーンを駆動する用途にも活躍するだろう。入出力はすべてアナログで、入力端子はバランス2系統+アンバランス1系統、出力はバランス2系統+アンバランス1系統で、それぞれ3系統を装備する。

 またM20は、1dBステップの操作幅を持つ完全アナログ方式の高精度かつ低ノイズのボリュウム機構も搭載している。ボリュウムはリモコンで操作可能で、また各入力に合わせてプログラムもできるようになっている。

 ボリュウム機構はコントロールのみデジタル方式を使い、16個の高速アナログ・スイッチをアナログデバイセズのプロセッサーで制御している。これによりリレー切り替え時の物理的なノイズやオーディオ信号の電気的なノイズが発生しないよう配慮されているのだ。

 電源部は、3つのリニア電源で駆動され、左右のアナログチャンネルに1基ずつのリニア電源と、制御回路用に1基のリニア電源を用意した。各チャンネルは二重安定化電源により、きわめて安定した電源が供給されている。

 アナログ回路の基板にはロジャース製の透磁率に優れたセラミック素材を採用し、プリント基板はカリフォルニア州サンノゼにある自社工場で製造される。

 またM20のすべての機構部品は、アルミニウムブロックから切削加工されている。プレス加工を用いた金属部品は使っておらず、操作ボタンのキャップやインシュレーターまで社内設備で切削加工で作られたパーツだという。

「M20」の主なスペック

●接続端子:アナログ入力3系統(XLR/2番ホット×2、RCA)、アナログ出力3系統(XLR/2番ホット×2、RCA)
●THD+N:0.0007% 20Hz〜20kHz
●最大入力レベル:+20dbBu(バランス)
●最大出力レベル:+23dBu(バランス)、+16dBu(アンバランス)
●入力インピーダンス:200kΩ
●寸法/質量:W430×H110×D340mm/9.25kg

https://www.bricasti.jp/products/m20/