ヤマハから完全ワイヤレスイヤホンの新製品「TW-E7B」(市場想定価格¥33,000前後、税込、6月24日発売)が発表された。「TW-E7A」の後継モデルで、独自のリスニングケア機能やANC(アクティブノイズキャンセリング)機能を搭載、BluetoothのコーデックはSBC、AAC、aptXAdaptive(48/24)に対応する。
同社では「TRUE SOUND」という指針を掲げ、アーティストが意図した通りの音を表現し、音楽を聴くユーザーの感情を高めることができる製品づくりを目指してきた。この製品フィロソフィーはイヤホンにも適用されており、TW-E7Bも社内のTRUE SOUNDチームによる音質チェックを経て音決めされている。
その特長は、楽器メーカーのヤマハらしく、アコースティック設計にもこだわっている点だ。まずドライバーには10mmのダイナミック型を搭載。これはヤマハの完全ワイヤレスイヤホンとしては最大口径で、より音楽的な低音再生、豊かで余裕のある音、心地いい空間再現を目指している。
振動板素材はポリウレタンに特殊コーティングを施したもので、これを大型のボイスコイルで駆動することで大口径ながら的確なコントロールを可能とし、音信号に対する正確な応答性やヌケのいい高域を実現したという。バンドサウンドやロック系の低音も緻密に再現できるとのことだ。
このドライバーを、音導管からノズルまで一直線上に配置することで筐体内での不要な振動や反響、干渉が起きにくい構造とした。これは弟機の「TW-E5B」でも採用されていたもので、音のトータルバランスを壊さないメリットがあるという。さらにTW-E7Bでは音導管内に設置されたマイク(ノイズキャンセリング等で使用)を管面に沿った向きに取り付けることで音を邪魔しないように配慮されている。
装着性についてもTW-E5B同様に、楕円デザインやくぼみ構造を採用。本体を耳に取り付けて回転させることで、一番フィットする位置を探せるはずだ。さらに5サイズ(XS/S/M/L/XL)のイヤーピースが付属しているので、男女を問わずぴったりのサイズが見つけられるだろう。
TW-E7Bでは、「リスニングオプティマイザー」機能にも注目したい。人間が普段聴いている音は、耳の形の影響を受けている。その耳の形は人それぞれで、場合によっては左右で異なっており、例えば外耳道(耳の穴から鼓膜までの管)が小さいと低周波数が大きくきこえるという。
リスニングオプティマイザーでは音導管に内蔵されたマイクを使い、装着者が聴いている音をリアルタイムに測定、その測定値と参照サウンドを比較して周波数特性を補正してくれる。参照サウンドの値はヤマハのTRUE SOUNDチームが音を聴いて決定したもので、ヤマハが考える“いい音”に近づけようというコンセプトだ。上記のように人の耳は左右でも特性が異なる場合があるわけで、そんな方には本機能は予想以上に効果が感じられることだろう。
冒頭に書いた通り、TW-E7BはANCも搭載済みだ。本体の外部と内部に2個のマイクを搭載し、それぞれの音を拾ってノイズ成分を打ち消す、いわゆるアドバンスドアクティブノイズキャンセリングタイプで、オン/オフが可能。
ただしヤマハではアクティブノイズキャンセリングを効かせた場合にノイズだけでなく音楽信号の情報まで失われる事がないように、独自開発したアルゴリズムを使って本体内部のマイクで集音した信号と再生中の音楽信号を解析、ノイズ成分を推定してフィルター処理を加えることで、音楽信号に影響がないように配慮している。
完全ワイヤレスイヤホンでユーザーが求める機能としてANCは上位に位置するそうだ。ヤマハではそんな声に応えつつ、同時に音質への影響を最小限に抑えることで、機能性と音質の両立を実現したということだ。
この他、ボリュウムを絞った場合に低域と高域が聴こえにくくなるといった事態を避けるために、音量に応じて音のバランスを最適に補正する機能も進化、「リスニングケアアドバンス」となった。従来は小さな音量時のみこの機能が働いていたが、TW-E7Bでは常時動作し、どの音量でも最適なバランスで音楽を楽しめるそうだ。これもすべてのユーザーにTRUE SOUNDを体験してもらいたいという願いからだろう。
本体の連続使用時間は最大6時間、充電ケースで最大16時間の合計22時間に対応。充電はUSB Type-Cコネクターから行う仕組みで、充電用のUSB A-C変換ケーブルも付属している。