CSRでは、オーディオブランドのSOULNOTE(ソウルノート)のモノブロックパワーアンプ 「M-3」を発売する。定価は¥3,300,000(ペア、税込)で9月の発売予定だ。カラリングはプレミアム・シルバーとプレミアム・ブラックを準備する。

「M-3」のプレミアム・シルバー仕上げ。リアパネルはXLRバランス入力1系統とスピーカー端子のみというきわめてシンプルな仕様だ

 ソウルノートでは、これまでに3rdステージモデルとして、SACD/CDプレーヤー「S-3 ver.2」、無帰還バランスプリアンプ「P-3」、ネットワークプレーヤー「ZEUS」(D-3、Z-3、X-3、RCC-1)を発売し、高い評価を得てきた。

 今回のM-3は、3rdステージモデルのパワーアンプとして位置づけられている。そして、M-3とプリアンプP-3を組み合わせた3rdステージのアンプシステム名を「METIS」(メーティス)として、商品展開を行うとのことだ。

 METISは、音楽(Music)の感動(Emotions)を伝えて(Transmits)、影響を及ぼす (Influences)システム(System)という意味。P-3とM-3のコンビネーションにより、リアルでホログラフィックな広大な空間が目の前に現れる。そんな、かつてない感動的な音楽再生を体験して欲しいと同社では提唱している。

「M-3」の主な特徴

●微小時間領域の滲みを排し、音楽をエモーショナルに奏でるためには、シングルエンド&シングルプッシュプルが不可欠と判断し、大電流が流せて、かつ比較的 コレクター容量が小さい産業用キャンタイプ出力トランジスターを採用。またドライバー段にプリメインアンプ「A-2」と同じ出力段トランジスターを採用し、トータル4段ダーリントン構成とした。

4段ダーリントン構成の出力段を備える。写真で2ヵ所に見える銅板のパーツがメインヒートシンク

●メインヒートシンクに、軽量小型銅板製を採用。このヒートシンクはキャンタイプトランジスターへの給電バスバーを兼ね、またトランジスターの端子はバスバーを貫通して、直下の基板に直接マウントされている。これにより、キャンタイプトランジスターの欠点でもあるワイヤー接続を排除し、不安定さを払拭すると同時に、絶縁シートがデバイスをダンプすることによる音質劣化も排除した。

●入力端子が1個、スピーカー端子は1組で、セレクターやアッテネーターはもちろん、あらゆる切り替えが存在しない、単機能モノブロックパワーアンプ。XLR端子から入力された信号は、ダイレクトに初段トランジスターのベースに接続され、単段増幅して、シングルプッシュプルで出力されるだけというシンプルさだ。

●1人で持ち運びが可能という条件で許される、最大サイズの電源トランスを開発。巨大な電源トランスはリーケージフラックス(漏れ磁束)の方向が基板と平行になるようにフロントパネルに垂直マウントされ、有害な振動が筐体に伝わらないようにチタンワッシャーで浮かされた上で、直下の1点スパイクで接地されている。

大型トランスは、フロントパネル(写真の下側)に垂直に取り付けられている

●整流コンデンサーには特別に選別された470uFの高耐圧小容量低倍率箔フィルターコンデンサーを採用。使用本数で容量を最適化し、電源トランスの負荷を軽減する事で、電源トランスの実質レギュレーションをさらに向上させている。整流ダイオードには、許容突入電流値が強化された最新スペックのSiC(シリコン・カーバイド)ダイオードを新たに採用。

●メインの筐体にスパイクを3本、アンプコンテナにスパイク3本の、合計6本のスパイクを装備。物理的に完全に分離したふたつの筐体でありながら、電源トランスからの給電ラインを最短にして、トランスの振動やリーケージの影響を排除した。天板、ACアダプター、スピーカー端子、入力端子、底板は、音質のためにすべて無固定化されている。

「M-3」の主なスペック

●最大出力:160W(4Ω)
●全高調波歪率:0.1%(1W)
●周波数特性:2Hz〜200kHz(±1dB)
●入力感度/インピーダンス:1V/25kΩ
●ゲイン:28dB
●消費電力:110W
●寸法/質量:W340×H251×D512mm/約31kg