視野角による画質への制約が少なく、高コントラスト(黒が締まる)。さらに映像の応答速度が速く、スポーツ観戦にも適した有機ELテレビの画質面の優位性は広く認知され、家庭用のプレミアムテレビとしてすっかり市民権を獲得した。
そこで圧倒的とも言える存在感を示しているのが、有機ELビエラの最高峰、2000シリーズだ。有機ELテレビの画質(特に明るさ)を大きく左右する発熱を抑えるべく、効率よく熱放出できる独自のディスプレイ構造を開発。同時に電源回路、駆動回路に高度な技術を投入し、テレビの本質となる画質で、明確なアドバンテージを打ち出している。
4K OLED DISPLAY
PANASONIC TH-65LZ2000
オープン価格
● 画面サイズ:65型
● 解像度:水平3840×垂直2160画素
● 内蔵チューナー:地上デジタル×3、BS/110度CSデジタル×3、BS4K/110度CS4K×2
● アンプ実用最大出力:160W
● 接続端子:HDMI入力4系統、ビデオ入力1系統、デジタル音声出力1系統(光)、USBタイプA 3系統、LAN 1系統、他
● 寸法/質量:W1448×H916×D348mm/約29.5kg(スタンド含む)
● ラインナップ:TH-77LZ2000(77型)、TH-55LZ2000(55型)
● https://panasonic.jp/viera/
実は昨年、その自社開発パネルの強みを再認識させられた“事件”があった。家庭用の有機ELテレビの場合、画像を表示するセル部分については、パネルメーカーから供給を受けて、各メーカーが製品として仕上げられるため、その基本性能に大きな差はなかった。
ところが昨年、一部のメーカーが、発光素材(R/B)の変更とグリーンレイヤーの追加により、発光効率を約20%向上させた新世代の有機ELセルを採用し、ちょっとした話題となった。「画質のよさが自慢の2000シリーズとは言え、さすがにこの差は覆すのは厳しいだろう」。家庭用テレビ事情に精通した人なら、ほとんどの人がそう感じたに違いない。
ところが、である。実際に製品を横並びにして比較してみると、意外や意外、65JZ2000の映像は、まったくと言っていいほど遜色ない。それどころか総合的な表現力を左右する中間輝度に余裕があるため、見た目の明るさ感では65JZ2000が上回っているではないか。
しかも単に明るいだけでなく、新世代のセルを搭載したモデルでは、白飛びして見えない情報が鮮明に浮き上がり、階調表現もなめらか。独自開発のダイナミックハイコントラスト有機ELディスプレイの優位性が、新世代の表示素子(セル)を搭載したライバル機の出現で、再度、明らかになったのである。
今年のLZ2000シリーズでは熱の影響を受けにくい独自のディスプレイ構造を受け継ぎながら、新世代の表示素子を採用。同時にパネルの制御技術、画像処理も強化され、明るさの余裕を最大限に引き出すダイナミックハイコントラスト有機ELディスプレイNEOが投入された。
実際にその映像を確認したが、人肌、髪の毛などの細部の質感、明部、暗部の安定した発色、そして手前から奥行方向への自然な拡がりと、総合的な画質が向上しているのが実感できる。
特になめらかな階調性、高純度の色再現と、ローライトの見通しのよさには目を見張るものがあり、それはまさにプロ用マスターモニターに通じる表現力。家庭用有機ELテレビの新境地と言っていいだろう。
刷新されたラインアレイスピーカーの効力は絶大
ドルビーアトモス対応のスピーカーシステムも刷新している。詳しい構造については下の写真を参照していただきたいが、テレビ史上初と思われるラインアレイスピーカーの効力は絶大だ。実在感に富んだセリフがしっかりと前に張り出すだけでなく、音波の干渉が抑えられるため、定位が明確で、実に聴きとりやすい。
さらに指向性が制御しやすいというラインアレイスピーカーの持ち味を生かしたサウンドフォーカス機能も楽しい。これはユーザーが意図的に指向性を変えられる機能で、画面を見ながらピンポイントに音像を集中させることも可能だ。
高度な技術、ノウハウを結集したダイナミックハイコントラスト有機ELディスプレイNEOと、贅を尽くしたラインアレイスピーカーが織りなす65LZ2000の傑出した表現力。その楽しさ、興奮は、これまでの家庭用テレビの常識を大きく越えて、貴方を未体験ゾーンへと誘うことになるだろう。
提供:パナソニック