パナソニックから、4K有機ELビエラの新製品が発表された。「LZ2000」「LZ1800」の2シリーズ合計6モデルで、それぞれの型番、価格は以下の通り。

TH-77LZ2000 市場想定価格85万円前後(8月5日発売)
TH-65LZ2000 市場想定価格61万円前後(8月5日発売)
TH-55LZ2000 市場想定価格44万円前後(7月8日発売)
TH-65LZ1800 市場想定価格49万円前後(6月17日発売)
TH-55LZ1800 市場想定価格36万円前後(6月17日発売)
TH-48LZ1800 市場想定価格31万円前後(6月17日発売)

 パナソニックは、2016年に初の有機ELテレビとして欧州向けにCZ950シリーズを発売した。その翌年には日本でもEZシリーズをリリース、自発光デバイスを使った最高画質のディスプレイをラインナップし続けている。今回のLZ2000シリーズは、そんな自発光ディスプレイの完成形を目指した最新モデルになる。

TH-77LZ2000

 LZ2000シリーズの一番の進化ポイントは、自社設計・製造による「Dynamicハイコントラスト有機ELディスプレイNEO」を搭載したことだ。有機ELパネルには高輝度タイプを採用し、さらに独自素材(77型は除く)を用いた貼り付け構造でバックカバー一体型放熱プレートを組み合わせている。

 独自素材を使ったパネル構造は前モデルの「JZ2000」シリーズで採用されているが、今回は有機ELパネル自体の性能が向上したことでピーク感やコントラストの再現性も改善されているそうだ。

 このパネルの能力を引き出すために、パネル制御技術の「Bright Booster」も導入された。これは、パネルの発光状態を時間軸方向を加えた3次元映像信号解析と温度センサーで画素ごとに管理し、独自の電流制御アルゴリズムでパネルを駆動する手法で、セルの発光状態を最大限に引き出すことができるという。

 また輝度情報と色情報を分離・制御する「Dot Contrastパネルコントローラー」も「PRO」に進化した。暗部の解析精度がこれまでの32倍にアップしたことで、暗部会長の表現力も進化を果たしている。

 これらの実力を引き出すために、LZ2000シリーズの組み立て時には専用のディスプレイ暗部調整工程を設けて、一枚一枚すべてについて測定を実施、プロ用モニタークォリティのパネルチューニングを行っているそうだ。

360立体音響サウンドシステム+では、正面下部のラインアレイスピーカーに加えて、L/RトップスピーカーとL/Rワイドスピーカー、サブウーファーを搭載している

 サウンド面ではパネル下部にラインアレイスピーカー(65インチで16個のユニットを内蔵)を搭載することで、音波の干渉を抑え、クリアーで聴き取りやすい音と、後方まで広がる音場感に優れた再現を実現している。

 もちろんドルビーアトモスの再生にも対応済みで、上側2ヵ所のイネーブルドスピーカーに加えて本体左右にワイドスピーカーを、さらに背面中央にサブウーファー&パッシブラジエーターを搭載することで、3D音響の包囲感や迫力もアップしている。同社ではこの方式を「360立体音響サウンドシステム+」と名付けている。

 ちなみにラインアレイスピーカーのビームフォーミング技術を活かしたサウンドフォーカス機能も採用されている。夜中に自分だけ聴きたい場合の「ピンポイント」や、正面から外れた位置でも楽しめる「エリア」、部屋中に音を広げる「アンビエント」など、視聴位置や環境に応じて音を制御可能という。

TH-65LZ2000のラインアレイスピーカー。中央に4基、左右それぞれに3基ひと組×2の合計16ユニットが並ぶ

 液晶テレビの新製品にも搭載されている「オートAI画質」は環境光センサー連動(照度センサー+色温度センサー)で搭載済み。100万を超える映像シーンから深層学習を行った認識アルゴリズムを使い、シーンに応じてビエラが自動的に最適な画質に調整してくれる。

 「オートAI音質」も搭載済みで、再生されるコンテンツに応じてニュースやトーク番組では画面に音を集中し、スポーツやライブでは広がりある音場を再現してくれる。こちらの調整品質も進化を果たしているそうだ。

 ビエラで人気の転倒防止スタンドも採用し、さらにLZ2000の65インチと55インチモデルではスイーベル(首振り)機能も内蔵している。

LZ1800シリーズは65/55/48インチの3モデルをラインナップ

 もうひとつのLZ1800シリーズは、昨年の「JZ2000」シリーズと同じく独自素材を採用した貼り付け構造の有機ELパネルを採用(48インチは除く)。1年前の上位モデルと同じ構造のパネルを使うことで、画質の進化が期待できる。パネル制御技術は、画素単位で明るさや色の情報を個別で制御する「Dot Contrastパネルコントローラー」を採用している。

 音質面ではイネーブルドスピーカーとサブウーファーを内蔵した2.1.2システム(48インチはサブウーファーなしの2.0.2システム)で、ドルビーアトモスも楽しめる。オートAI画質・音質もLZ2000同様に搭載済みで、コンテンツに応じた映像や音場を自動的に再生してくれる。

 4K映像の高精細化を行う「4Kフィンリマスターエンジン(素材解像度検出)」や、コンテンツに含まれるダイナミックメタデータを活用しつつパネルの輝度を最大限活かした映像を再現するAI HDRリマスターもLZ2000/LZ1800共通で採用。HDR信号はHDR10、HLG、HDR10+、HDR10+ ADAPTIVE、ドルビービジョン、ドルビービジョンIQに対応済みだ。

最小モデルのTH-48LZ1800

 なおLZ2000、LZ1800はゲームコンテンツにも配慮されており、4K/120p入力やVRR/ALLM信号も受け付ける他、AMD FreeSync Premiumの認証も受けている。有機ELならではの低遅延特性も備える。

 両シリーズともHDMI入力を4系統備えており、このうちHDMI2端子がeARCに対応する。またHDMI1/2端子は4K/120p信号、HDMI3/4端子は4K/60pが入力可能とのことだ。