ソニー株式会社、ソニーピーシーエル株式会社、SonyInnovation Studios Inc.では、3社が開発した “Crystal LED バーチャルプロダクションシステムソリューション” が、世界最大のディスプレイ学会The Society for Information Display (SID)の「2022Display Industry Award, Display Application of the Year(年間最優秀ディスプレイアプリケーション賞)」を受賞したと発表した。

  Crystal LED バーチャルプロダクションシステムソリューションとは、大型LEDディスプレイの「Crystal LED Bシリーズ」とデジタルシネマカメラ「VENICE」、カメラトラッキングシステムとリアルタイムエンジンを組み合わせたインカメラVFXの手法により、クリエイターの映像表現の自由度を高める新たな撮影ソリューションだ。

 3DCGを中心としたバーチャル背景をCrystal LED Bシリーズに表示し、その手前に演者や被写体を配置してVENICEで撮影することで、合成などの後処理なくリアルタイムにCGと実写を組み合わせた映像制作が可能。Crystal LEDとVENICEの組み合わせは、色再現や階調表現における親和性が高く、編集作業の軽減と高品位な映像制作を実現してくれる。また、Sony Innovation Studios Inc.が開発したポイントクラウドソフトウェア「Atom View」は、実在する場所やオブジェクトをスキャンして3DCGモデルに変換することができ、実写のようなバーチャル背景の制作が可能だという。

 日本国内でもソニーPCLが2020年よりバーチャルプロダクション技術の実証実験を開始し、現在では本格的にソリューション提供をスタート、既にCM、映画、ミュージックビデオなどの様々なコンテンツ制作に採用されている。StereoSoundONLINEはこのシステムを採用した、ソニーPCL「清澄白河BASE」の取材を実施、近日リポートをお届けするので、楽しみにお待ちいただきたい。

SID Display IndustryAwards委員会委員長Wei Chen氏のコメント

「SID Display Industry Awardsは、前年に市場に投入された最高のディスプレイ製品またはアプリケーションを表彰します。ソニー、ソニーPCL、Sony Innovation Studios Inc.の3社が、 “Crystal LED バーチャルプロダクションシステムソリューション” で受賞されたことを誇りに思います。イノベーションへの継続的な取り組みと、ディスプレイのパフォーマンスとソリューションの未来の形成へのを支援を称えます」