「春のヘッドフォン祭2022mini」の会場となった中野サンプラザ15Fでは、各輸入代理店が自社の取り扱い製品をずらっと並べてデモを実施していた。ここでは完実電気取り扱い製品の主要モデルを紹介したい。

SHURE

 シュアブースでは、このイベントで初登場という製品はなかったが、最新モデルの「AONIC40」や「SRH840A」「SRH440A」などが試聴できるということで、多くのファンが列を作っていた。

 AONIC40(公式ストア価格¥32,780、税込)はノイズキャンセリング機能を搭載したワイヤレスヘッドホンで、40mmドライバーを採用。BluetoothコーデックはSBC、AACに加えてaptX、aptX HDに対応している。

写真右がノイズキャンセリング機能搭載ワイヤレスヘッドホン「AONIC40」

 イヤホンでは完全ワイヤレスタイプの「AONIC FREE」(公式ストア価格¥22,275、税込)も話題。こちらは高い遮音性を備え、外来ノイズを効果的に遮断して音に集中できる点がポイントだ。BluetoothのコーデックはSBC、AAC、aptXに対応する。

完全ワイヤレスタイプの「AONIC FREE」

Etymotic Research

 Etymoticの「EVO」も既発売モデルだが、イベント会場で試聴できる機会は少なかったとのことで、音を確認に訪れる来場者が多かった。

 同ブランド初のマルチドライバー搭載イヤホンで、中高域×1と低域×2という3基のBAドライバーを内蔵している。本体は金属の粉末と樹脂を混合した素材を金型に流し込んで作られており、加熱と圧縮工程を加えることで優雅なカーブを実現。ケーブルにはEstron製が採用され、ごく細いケーブルながら、高い強度と耐久性を備えている。

有線イヤホン「EVO」

Westone Audio

 カスタムメイドのイヤーピース製品で定評のあるWestone Audioからは、新製品イヤホン「PRO X」シリーズ4モデルが展示されていた。

 同社製品らしく、すべてBAドライバーを搭載した製品で、「PRO X50」(オンライショップ価格¥84,700、税込)はBAドライバーが5基、「PRO X30」(オンライショップ価格¥52,800、税込)は3基、「PRO X20」(オンライショップ価格¥39,600、税込)は2基、「PRO X10」(オンライショップ価格¥23,100、税込)は1基という構成だ。また全モデル共通でEstron製ケーブルを採用。電気抵抗が少なく、軽量でタッチノイズに強く、取り回しにも優れているのが特長という。

シリーズトップモデルの「PRO X50」

Master & Dynamic

 Master & Dynamicからは、ワイヤレスヘッドホン「MW75」も参考展示されている。こちらはノイズキャンセリング機能を備えた完全ワイヤレスヘッドホンで、BluetoothコーデックはaptX Adaptiveまでの対応という。今夏の発売を目指して開発が進んでいるようで、価格は7〜8万円前後になる見込みとか。

ワイヤレスヘッドホン「MW75」

 その隣には先日発売された「MW08 Sport」(¥46,200、税込)も展示され、実機に触って音を体験できるようになっていた。イヤホン本体にはラグジュアリーウォッチの文字盤を守る風防ガラスにも採用されている飛散防止加工を施したサファイアガラスを備え、音と耐久性を極限まで追求した完全ワイヤレスイヤホンだ。

ワイヤレスイヤホン「MW08 Sport」

BANG & OLUFSEN

 BANG & OLUFSENでは、4月に発売されたばかりのアクティブノイズキャンセリング機能を搭載した完全ワイヤレスイヤホン「Beoplay EX」(¥39,900、税込)や、先代モデルの「Beoplay EQ」(¥39,900、税込)、ヘッドホン「Beoplay HX」(¥59,900、税込)が試聴できた。

 3モデルともBluetoothコーデックのSBC、AAC、aptX Adaptiveに対応しており、B&Oらしいクリーンなサウンドが楽しめる。特にBeoplay EXとBeoplay EQは同じ完全ワイヤレスイヤホンながら、音場感再現などがそれぞれ異なっているので、そのあたりの差を確認してみるのも面白いはずだ。

ワイヤレスイヤホン「BeoplayEX」

AUDEZE/Meze Audio

 ルーマニアでデザイン・開発を手がけるMeze Audioからは、有線イヤホン「ADVAR」が参考出品されていた。10.2mmダイナミックドライバーを搭載し、再生周波数帯域は10Hz〜30kHzをクリアーしている。本体背面に設けられた小さな穴によって本体内部の空気圧を調整、スピーカーのような再現性を目指しているという。

 本体はメタルインジェクションで作られるステンレス製で、表面には光沢のあるブラッククロームメッキ処理を施している。そのデザインはルーマニアの歴史ある建造物からインスパイアされているそうだ。

有線イヤホン「ADVAR」

 その隣にはAUDEZEの静電型ヘッドホン「 CRBN ELECTROSTATIC HP」とMjolnir Audioのヘッドホンアンプ「CARBON」が置かれており、この組み合わせの音を試聴できるようになっていた。

 Mjolnir Audioの静電型ヘッドホン用アンプは海外で評判が高く、AUDEZE製品とも組み合わせて使われていることも多いそうだ。完実電気では今回のヘッドホン祭2022での評価と合わせて導入を進めていく模様だ。

写真右奥がMjolnir Audioのヘッドホンアンプ「CARBON」

NuPrime/OCTAVE

 NuPrimeブースでは、5月発売予定のDAC内蔵ヘッドホンアンプ「DAC-9X」(¥198,000、税込)を使ったデモも行っていた。横幅235mmのスリムなデザインで、DACチップにはESSテクノロジー「ES9028Q2M」を搭載。各チャンネルを個別にデコードすることで、高いチャンネルセパレーションを実現した製品という。

 入力端子はUSB Type-B(384kHzリニアPCMとDSD256まで対応)、同軸デジタル入力(384kHzリニアPCMとDoPでDSD128まで対応)、光デジタル入力(96kHzリニアPCMに対応)、I2S(384kHzリニアPCMとDSD256まで対応)、アナログRCA入力を装備。出力はアナログRCA、アナログXLR、光デジタルという仕様だ。

DAC内蔵ヘッドホンアンプ「DAC-9X」