塚本晋也監督によるミニシアターの魅力を伝える動画「街の小さな映画館」企画の第7回として、横浜シネマ・ジャック&ベティの動画がYouTubeチャンネルで公開された。

 「街の小さな映画館」は2015年の『野火』初公開時に全国劇場行脚を行い個性あふれるミニシアターの魅力に触れた塚本監督が、お世話になっている映画館を1館ずつ訪れ、ミニシアターの魅力を伝える動画を撮影する企画。劇場とのアポ取りから撮影、編集、YouTubeへのアップまで塚本監督自身が単独で行い、ロゴとイラストも描きおろしている。

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 横浜シネマ・ジャック&ベティは横浜・黄金町に1991年12月21日に前身の「横浜名画座」(1952年12月25日開館)を引き継ぐかたちでオープン。2021年に開館30年を迎え、現在30周年企画映画『誰かの花』が全国順次公開中だ。

 もともとは終戦後に米軍の飛行場として使用されていた土地で、2005年までは向かいに姉妹館の「横浜日劇」も営業しており、『私立探偵 濱マイク』シリーズの舞台としてよく知られたが、こちらは2007年に惜しまれつつ解体されたという。

 公開された動画では、街づくりに関わったことをきっかけに2007年より運営を引き継ぎ、支配人を勤めている梶原俊幸氏へのインタビューで、「ジャック」と「ベティ」とそれぞれ名付けられたふたつのシアターの個性が浮き彫りになる。またスタッフ手作りのディスプレイの数々、2008年に閉店した横浜松坂屋より受け継がれた「横浜日劇」の壁画、リールが整然と並ぶ映写室なども登場する。

塚本晋也監督から横浜シネマ・ジャック&ベティへのコメント

 林海象監督の『我が人生最悪の時』では、シネマ・ジャック&ベティの界隈でも撮影しました。自分の作品以外の初めての出演で、その興奮とともに横浜の街が記憶に残っています。

 舞台挨拶にうかがうと、いつも長い廊下の奥の部屋に通していただき、少しの間和やかな時間を過ごします。長く映画の音楽を作って下さった石川 忠さんも横浜が近隣でその和やかな時間を共に過ごしました。横浜の独特の雰囲気に溶け込んだシネマ・ジャック&ベティ。街を魅力的に見せている大きな要素になっている大切な劇場です。

横浜シネマ・ジャック&ベティ
●住所:神奈川県横浜市中区若葉町3-51 Tel 045(243)9800
●座席数:スクリーン ジャック=96席+車いす席1席、スクリーン ベティ=115席+車いす席1席