代表曲「Ringo star」のMVが100万回再生間近。3月いっぱいで現メンバーが全員卒業するRINGOMUSUMEが、3月19日に東京・渋谷WWWXにて対バン企画「RINGOMUSUME 4MAN LIVE “FOURs in TOKYO”」を開催した。競演グループは、まなみのりさ、DJ Megu+Kaede(Negicco)、lyrical school(登場順)。「この日、ぜひご一緒したかった」という友人グループを招き、歌もトークもたっぷりのステージを3時間半にわたって届けた。
オープニングは、まなみのりさ。まなみ・みのり・りさの3名が広島県で結成して15年、不動のメンバーのまま今に至っている。アカペラも導入した美しいハーモニー、しなやかなダンス、“互いを盛り立てながら、高め続ける”といった感じのコンビネーションの妙に、強く引き込まれた。とくにバレエ風の舞いから始まる「花びら」は、歌詞、歌声、ダンス、曲調、ビートのすべてが尋常ではなくエモーショナル。ぼくは客席のいちばん後部でステージを観ていたが、オーディエンスが前のめりになって聴き入っている図がばっちり見えた。
まなみのりさが15周年なら、Negiccoが新潟で結成されてからは来年で20周年になる。この日はMeguのDJプレイから始まり(2012年いっぱいで解散したTomato n'Pineの「ワナダンス!」等をかけた)、やがてKaedeが合流して、「ねぇバーディア」等を歌唱して観客を乗せに乗せていく(Nao☆は、プログラム後半のトーク部分にリモート参加)。ファンが振る“ネギライト”の輝きも健在だ。
三番手はアイドル・ヒップホップの代名詞、lyrical school。現グループ名になって、この8月に満10年を迎える。リズミカルなラップ部分と、相当にメロウな旋律を共存させながら、自分たちの音楽世界を凛々しく提示していく。近年の定番「Tokyo Burning」から、4月20日リリースのニューアルバム『L.S.』収録曲まで、テンションの高いパフォーマンスの数々で観客を沸かせた。
3グループが残した熱気が充満するなか、いよいよRINGOMUSUMEの4人(とき・王林・ジョナゴールド・彩香)が登場する。東京でのライブは約2年半ぶり、「有観客の感じを忘れていたけれど、目の前にお客さんがいると、“ああ、こうだったな”と思い出してくる」と語りつつ、2019年のアルバム『FOURs』に入っていた「Ringo disco」、現メンバーになる以前から歌われていた「焼きりんご」等を立て続けに放つ。21年のアルバム『Eternity』に入っていた「JOMON」や「JAWAMEGI NIGHT!!」では、和風の楽曲、津軽民謡で鍛えたのであろう声の張り、シャーマニックなダンスが見事に一体化。会場にいた誰も、気持ちは青森に飛んでいたはずだ。
音楽面で4グループの個性を味わったあとは、いよいよ、RINGOMUSUMEと各グループのトークコーナーへ。Negiccoとのトークでは、先に触れたようにNao☆もリモートで登場。まなみのりさとは“広島弁vs津軽弁”をテーマに楽しく語り合い、lyrical schoolとのラップバトルでは、ときの大奮闘が光った。エンディングは、全員勢ぞろいで、「Ringo star」を歌唱。lyrical schoolのrisanoのラップもフィーチャーした、まさしくこの日限りの仕様で、記念すべき4マンライブは盛大に締めくくられた。
RINGOMUSUMEは3月30日(水)、31日(木)に青森・弘前市民会館 大ホールで現体制ラストワンマンライブ「RINGOMUSUME ONE-MAN LIVE 2022 “FOURs”」を開催(有観客+RINGOMUSUME公式アカウントで無料配信)。4月からは“アルプスおとめ”のメンバーが、RINGOMUSUMEの襷を受ける。