エミライは、FiiO ElectronicsのユニバーサルIEM「FH9」を3月18日に発売する。市場予想価格¥85,800前後。

 FH9は、サウンドの限界に挑戦するための新しいフラッグシップユニバーサルIEMとして開発された。中高域に合計6基のBA(バランスド・アーマチュア)ドライバーと、低域に1基のダイナミックドライバーという、合計7基をハイブリッド構成で搭載することで、各ドライバーのパフォーマンスを最大限に発揮している。

 FiiOがこれまで培ってきたイヤホン開発のノウハウを盛り込み、低域・中域・高域まできわめてスムーズな帯域分割を行うことでフラットな周波数特性を獲得、音楽の持つエネルギーを余すことなく届けてくれる。

 FH9の主な特長は以下の通り。

●中高域にKnowles製BAドライバーを合計6基搭載
 高域には「SWFK-31736」を2基採用。ひじょうに優れた分解能を持ちながら、硬質にならず、自然で透明感の高いサウンドを提供してくれる。中域には、FiiOとKnowlesの共同開発によるカスタムBAドライバーを4基採用する。Knowles製「DFK-62035」をベースにチューニングを行い、繊細かつ密度感のあるヴォーカル帯域と低域・高域ドライバーとの自然な調和を実現している。

 合計6基のBAドライバーに、イヤホンシェル、サウンドチューブ、ハウジングの綿密な設計を組み合わせ、不要な高調波共振を排除し、クリアーでエネルギー感に富んだ中高域を実現した。

●低域用に13.6mm径ダイナミックドライバーを採用
 ダイナミックドライバーには、自社開発の第2世代ダイヤモンドライクカーボン(DLC)振動板を採用した、13.6mm径を搭載。第1世代と比較して、磁気回路構造を大幅にアップデートし、13.6mmの巨大なDLC振動板を駆動させるために磁束密度を20%向上した。

●低域ドライバーの真価を発揮させる「S.TURBOテクノロジー」搭載
 タービン形状の音導管により低域ドライバーのパフォーマンスを引き出す特許技術「S.TURBOテクノロジー」を搭載。綿密に計算された音導管によって高域成分を適切にフィルタリングすることで、3つに帯域分割されている周波数域間でのスムーズなクロスオーバーを可能にし、優れた周波数特性を実現。

●セミオープン構造により広大なサウンドステージを提供
 ドライバーの背圧を適切に外部に排出することにより、フロントキャビティとリアキャビティの空気圧が均一になり、より自然で、広大なサウンドステージを生み出すことが可能なセミオープン構造を採用。

●ドライバー間の相互干渉を抑制する「ノッチ・フィルター・キャビティ」構造採用
 イヤホンハウジング内での不要共振の発生を防ぐ独自の「ノッチ・フィルター・キャビティ」を搭載。ハウジング内や音導管で発生する不要な共振を効果的に除去するノッチ・フィルター(特定の帯域だけを効果的に減衰するフィルター)機能を持たせたキャビティ(空洞)をシェル内部に組み込み、よりピュアで透明感のあるサウンドを実現。

●ユーザーが交換可能な3種類のフィルターによるサウンドコントロール
 交換可能な3種類のサウンドフィルターを用意。それぞれダンピングとフィルター密度が異なるため3つの異なるサウンドシグネチャーを選択できる。ブラックのサウンドフィルターを標準装備し、その他のフィルターはアクセサリーとして付属している。

●純チタニウムからの削り出しにより製作されるチタンハウジング
 FH9は、純チタン製のハウジングを採用。チタンのブロックより5軸CNC加工により精密に研削され、つなぎ目のないモノブロック構造に由来する高い剛性により、不要な高調波や共振を大幅に抑制している。

●ステンレス製MMCXコネクター
 MMCXコネクターの角度を耳やケーブルにストレスがないよう配慮し、長時間のリスニングでも疲れを低減する優れた装着感を実現。

●224本構成の高純度単結晶純銀ケーブル
 28本の芯線を8本編組し、合計224本構成とした高純度単結晶純銀素材によるMMCXケーブルが付属。2.5/3.5/4.4mmプラグも付け替え可能で、さまざまなソース機器で理想的な再生を実現可能。

「FH9」の主なスペック

●形式:インイヤー型イヤホン
●使用ドライバー:Knowles製バランスドアーマチュアドライバー×6、13.6mm径ダイナミックドライバー×1
●再生周波数帯域:10Hz〜40kHz
●インピーダンス:18Ω(@1kHz)
●感度:108dB/mW(@1kHz)
●質量:12.8g(片側)

https://www.fiio.jp/news/fh9/

https://www.fiio.jp/products/fh9/