「機動戦士ガンダム」シリーズの劇場最新作となる『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』のトークショーが3月9日(39=ザク)のザクの日に都内で行なわれ、監督を務める安彦良和、アムロ・レイ役の古谷徹、そして当日の朝発表されたばかりのククルス・ドアン役の武内駿輔らが登壇した。

 本作は、「機動戦士ガンダム」のテレビシリーズ第15話をベースに映像化したもので、1982年に公開された『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙』以来、40年ぶりとなるオリジナルシリーズの映画化となる。

 40年ぶりに15歳のアムロを演じることになった古谷は開口一番「こんなに嬉しいことはない」と、「~めぐりあい宇宙」でのアムロのセリフを、情感たっぷりに再現。今回の映画化について聞いた際、「30分の話を、どうやって2時間近い映画にするんだろうという驚きがまずありました」と思ったそうで、その上で、「それが、素敵なお話と現代技術で映画として完成することにワクワクした」と感想を語っていた。

 武内は、「僕が生まれる前の作品ですけど、両親の影響で当時の熱狂ぶりは聞いていたので、今回、ずっとやりたいと思っていた作品に関わらせていただくことができて、プレッシャーもありましたけど、強い感動を味わいました」と、ククルス・ドアン役に決まったことを嬉しそうに語っていた。

 安彦監督は、本作の監督を務めることについて「運命を感じる」と話し、「大きな区切りをつけられた」とコメント。司会より、なぜこの話を(映画にするのか)と聞かれると、「説明すると長くなるんですけど、簡潔に言えば、偶然と必然ですね」と回答。本作は、ファンの間では神回と称されているが、その実、安彦が作画監督をしていないことで(できなかった)、作画崩壊していることもあり、当時は放送を見ておらず、今回映画化にあたって初めて(見たくなかったけど)見たという。「早い話、出来が悪いんですよ」。そのためか、本作の冒頭には、「第15話のリメイク」と、はっきり明示しているそう。

 また、物語の時間軸については、前半に位置していたテレビとは違い、THE ORIGINのそれに倣っているそうで、監督の中では後半と想定しているそう。それを示しているのが、当日公開されたビジュアル(チラシ)で、監督の手によって描かれたホワイトベースのクルーの中に、テレビではまだ出演していないスレッガー・ロウがいることで、それを表現しているということだ(その前に公開された設定画にも出ていた)。

 ちなみに、30分の話を2時間のするためには、監督曰く「水で薄めて、叩いて伸ばした」とおどけていたが、「限りなくオリジナルを作っているという気持ち」だったそうで、「(作品を)0から立ち上げる感じで、ひじょうに新鮮で、心地よい作業ができた」と振り返っていた。一部の作画が残っているそうだが、現時点でダビングまで終了しており、「6月公開なのにもうすぐ完成するんですよ、褒めてください」と胸を張っていた。

 最後にアムロ役の古谷は、「40年ぶりにRX-78-02ガンダム、そして未熟で純粋な15歳のアムロがスクリーンに帰ってきます。もしかしたら、僕がアムロを演じるのはこれが最後になるかもしれません。本作で、生き生きと動いているアムロを、僕の声とともに皆さんの記憶に残してほしいと思います。作品としては、ファーストをご覧になった方には随所に、馴染みのセリフが出てきますので、そのあたりもお楽しみ。本作が何を皆さんに訴えているのか、ぜひ考えてほしいです」とメッセージを発していた。

 ククルス・ドアン役の武内は、「ストーリーは、本編から独立していることもあって、ガンダムの予備知識の無い方にも楽しんでいただける内容になっています。なぜ今ククルス・ドアンなのか? と思っていらっしゃる方もたくさんいると思いますが、映画を観れば伝わることだと思いますので、気軽な気持ちで劇場に足を運んでください」。

 最後に安彦監督から「僕にとってのガンダムはファーストしかなく、これでもう思い残すことはなくなったので、おそらくガンダムの映像を作るのはこれが最後だろうと思います。引退云々ってことは言えませんけどね。アフレコを終えた古谷さんから、“家で練習してきて、泣きました。いい話だった”って言われたときは、とても嬉しかったです。皆さんも期待していただいいていいかと思います」、自信を込めたコメントをしていた。

 最後に、ドルビーシネマでの公開も発表された。

 なお、当日発表された資料は下記の通り。

▲ディザービジュアル

▲劇場バナー

▲ガンプラ商品化決定

▼特報映像

『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』特報映像

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映画『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』

6月3日(金)全国ロードショー
配給:松竹ODS事業室
(C)創通・サンライズ