アイ・オー・データ機器から、スマートフォン用CDレコーダー、CDレコの最新モデル「CDレコ6」(CD-6Wシリーズ)が発表された。市場想定価格は¥14,960(税込)。

 CDレコシリーズは、パソコンを使わずにCDの音源をスマートフォンに取り込めるアイテムとして2014年に登場、以後対応OSの拡充やワイヤレス化といった進化を続けてきた。

 最近はスマホでの音楽再生はストリーミングが中心で、CDメディア自体の販売数も減少傾向にあるが、CDレコ自体の売り上げは好調で、右肩上がりの成長を続けているという。累計出荷台数は約62万台、アプリの累計ダウンロード数は約170万を突破している。

 そして今回のCDレコ6では、スマホに音楽を取り込むという本来の機能に加えて、カーオーディオ愛好家に喜ばれる新提案を盛り込んでいる。

「CDレコ6」はブラックとホワイトの2色を準備する。電源ボタンが本体右側面の後方に新たに装備された

 その前にCDレコ6は、基本性能は前モデルの「CDレコ5」を踏襲している。PCレスでCD音源をスマホに取り込むことが可能で(ワイヤレス伝送にも対応)、約60分のCDを4分ほどで保存できる。音質は5段階から選択でき、Gracenoteのデータベースからタイトル、アーティスト名、曲名を自動で取得できる点も従来同様だ。

 専用アプリの「CDレコミュージック」を使えば、自動再生(アーティストやジャンルなど4つのテーマから選択)やビルボードのチャートの確認なども可能だ。

 これに加えてCDレコ6では、本体にUSBポートとSDカードスロットを搭載、スマホに保存した音楽データを、USBメモリーやSDカードにコピーできるようになっている。メディアの容量は128Gバイト、フォーマットはFAT16/FAT32/exFATに対応。USB HDDは使用できない。

 コピー作業はCDレコミュージックアプリから行う。まずCDレコ6にメディアをセットし、次にCDレコ6とスマホを無線で接続する。あとはCDレコミュージックのメニューで「コピー」を選んで、ダビングしたいアルバムや楽曲を指定すればいい。

 なおメディアにコピーできるのはスマホに保存してある楽曲で、FLAC(CDクォリティ)、m4a(AAC)、mp3などのCDレコミュージックが扱えるデータが対象だ。DRM(著作権保護)のついた音楽データはコピーできない。

 こうしてUSBメモリーやSDカードに楽曲データをコピーすることで、音源を自由に持ち運べるようになるわけで、カーオーディオやウォークマンといったスマホ以外の再生機でも楽しんでもらおうというのが、CDレコ6の新提案となる。

本体後ろにUSB Type-Aコネクターと、SDカードスロットを新搭載

 同社によると、車を運転するユーザーの7割が音楽再生を重要視しており、そこではラジオに次いでCDが多く聴かれているそうだ。つまり運転中に自分の好きなアーティストの曲をいい音で聴きたいという需要はまだまだ多いということだろう。

 しかし最近のカーオーディオ市場では、CDドライブ非搭載モデルも増えてきている。そんな場合でも、CDレコ6を使えばCD音源を手軽楽しめると同社では提案している。

 第一はBluetoothでスマホとカーオーディオを接続する方法だ。これは従来のCDレコでも可能なやり方だが、Bluetooth伝送なので接続性や圧縮に伴う音質への影響は避けられない。

 そこで先述のUSBメモリーやSDカードを使った再生が活きてくる。これならロスレス圧縮なので(カーオーディオ側の対応は必要だが)、CDクォリティでお気に入りの音源を、しかも簡単に楽しめる。なお楽曲データはアーティスト/アルバム/楽曲のフォルダー構造で記録され、ジャケット画像も記録される。またナビの機種によって曲順のソートが異なる場合に備え、様々な方法でトラックNo.が崩れないように配慮されている。

 またこちらも新提案として、DA(ディスプレイオーディオ)機器の操作も可能にするという。これはCDレコミュージックの機能としてCDレコ6のユーザーに無償提供される(後日アップデートで対応予定。CDレコ6以前の既存モデルユーザーには有償提供予定)。これにより、DAとの組み合わせならCDクォリティで音楽を楽しめるという。

 機器連動としては、ソニーのウォークマンとつないでCDの音源をダイレクトに取り込む機能も継承している。先日発表された最新モデル「NW-WM1ZM2」「NW-WM1AM2」を含めて、Android OSを搭載したウォークマンなら、Andoroid用CDレコミュージックをインストールすることで、CDレコ6からダイレクトに音源の取り込みが可能。Andoroid OS非搭載ウォークマンの場合はマイクロSDカードを経由して音源データを取り込めばいい。

「CDレコ6」のパッケージ。カーオーディオ対応が大きく謳われている

 また、CDレコ6のUSBポートにUSBオーディオ機器をつなぐと、本体操作のみでCDプレーヤーとして使えるようになった(CDプレーヤーモード)。再生、停止等の操作は新設された電源ボタンで可能で、対応USBスピーカーは同社のサイトで順次公開されるとのことだ。

 もちろんCDレコ6のUSBポートにBluetoothオーディオトランスミッターをつなぐことで、Bluetoothスピーカーやヘッドホンなどで音楽CDを聴くこともできる。お手軽なCDプレーヤーが少なくなっている昨今、こうした使い方を喜ぶ向きも多いのではないだろうか。

 なおアプリのCDレコミュージックは、先のアップデートでサブスクリプションサービスのApple Musicへの対応を果たしている。CDレコシリーズのユーザーは7割がiOSを使っているそうで、その意味でもユーザーベネフィットが高いという判断のようだ。

 結果としてCDレコミュージックはCD音源からサブスクリプションサービスまでひとつのアプリで網羅的に音楽を楽しめるようになったわけで、音楽に手軽に触れる入り口として広く認知されていくことだろう。