アーク・ジョイアでは、エストニアのオーディオブランド、estelon(エステロン)の新たなスピーカーシステム「XB Diamond MkⅡ」を発売する。価格は¥6,380,000(ペア、税込)で、3月1日のリリース予定。グロス・ブラック、マット・ブラック、グロス・ホワイト、マット・ホワイト、グロス・コバルト・ブルーの5色の仕上げをラインナップしている。

左がグロス・ブラックで、右がマット・ブラック

 XB Diamond MkⅡは、現行ラインナップの「Forza」と「YB MkⅡ」の中間を担うモデル。フラグシップモデル、Forzaの設計を通して得た技術を活かしながら、「コンポジット材」を鋳造する独自のキャビネット・デザインを踏襲し、進化を遂げた新次元のエステロン・サウンドを実現している。

 第一の特徴は、ノン・レゾナンス・キャビネットだ。Forzaでは、強度の高い新素材と絶妙な配合のバランスによって完成した、新設計キャビネットを採用した。

 このキャビネットは共振点の異なる複合素材(大理石パウダーや樹脂等のコンポジット材)をミックスした上で鋳造による均一な一体成型を採用することで、高剛性・高密度を確保。音楽信号はより高純度をきわめ、ダイナミクスの向上、リアルな楽器や広大な音場を忠実に再現する。

 XB Diamond MkⅡには、Forzaと同様の新素材配合による新設計のキャビネットが採用された。キャビネットの不要振動がさらに低減したことで、ドライバーユニットのパフォーマンスを最大限まで発揮させ、より純度の高い音楽再生を可能とする。

 筐体はリアバスレフ方式を採用し、ドイツ、Accuton製のウーファーユニットの背面側にバスレフポートをひとつ設けている。トゥイーターとミッドレンジは独立したチャンバーを持ち、ウーファーからの影響を受けない構造だ。

 キャビネット内部に3ヵ所設けられた補強リブや、吸音材を適切に配置することでポートノイズを除去、解像度が高い低域に量感をもたらし、空気感、ホログラフィックに浮かび上がる音像を提供するという。

左はグロス・コバルト・ブルー仕上げ。右は内部構造で、ユニットごとにチャンバーが設けられている

 低域用のウーファーユニットは、逆ドーム型220mmセラミック・サンドイッチ構造振動板を搭載。軽量ながら剛性、内部減衰性に優れたユニットという。優れた直線性も有していることで、時間当たりの振幅が少ない低域でも、正確な位相で深い低音再生を実現できる。

 ミッドレンジは、逆ドーム型158mmセラミック振動板ドライバーを採用。インパルス応答に優れており、全高調波歪み(THD)と相互変調歪み(IMD)がひじょうに低いため、透明度の高い音楽再生を奏でてくれる。

 高域は、Forzaと同じ25mmダイヤモンド・逆ドーム型トゥイーターを搭載。人間の可聴範囲に歪みを与えることなく、最大60kHzまでの再生が可能。ダイヤモンドはもっとも硬い既知の材料であり、超高速な振動を高精度で駆動できる。また高い減衰特性を合わせ持つことで、歪みを極限まで抑えた伸びやかで透明度溢れるサウンドを提供してくれる。

 クロスオーバー・ネットワークも見直され、回路設計や使用する素材、キャビネット内の配置に至るまで最適化されている。クロスオーバー回路は、トゥイーター/ミッドレンジは2次カーブ(-12dB/oct)、ミッドレンジ/ウーファーは3次カーブ(-18dB/oct)を採用。

 無酸素銅製のコイルやムンドルフ製Silver GoldOilコンデンサーを搭載、はんだも高品位な物を使用し、熟練の技術者による手作業で組み上げられる。アンプからの音楽信号を伝送する内部配線材にも、クバラ・ソスナ製の純銅ケーブルを採用した。このクロスオーバー回路はキャビネットの底面の独立した空間に格納されている。

グロス・ホワイト(左)と、マット・ホワイト(右)

「XB Diamond MkⅡ」の主なスペック

●形式:3ウェイ3スピーカー、バスレフ型
●使用ユニット:25mmダイヤモンド逆ドーム型トゥイーター、158mmセラミック逆ドーム型ミッドレンジ、220mmセラミック逆ドーム型ウーファー
●再生周波数帯域:22Hz〜60kHz
●クロスオーバー周波数:85Hz、2.1kHz
●出力音圧レベル:87dB/2.83V/m
●インピーダンス:6Ω
●スピーカー端子:シングル・ワイアリング
●寸法/質量:W420×H1260×D590mm/69kg