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 JBLの“ブルーバッフル”モニターは、趣味のオーディオの世界では、“ウエストコースト・サウンド”の象徴として長らく人気を維持している。この4309は、大型の4367、4349とほとんど相似形の小型2ウェイ、ツインバスレフポートだ。

 高域ホーンはHDI-Xウェーブガイドであり、旧来のホーンのなだらかな曲面にもうひとつ絞り込みが急な稜線を与えた格好だ。高域まで定指向性を維持し、波面を整える狙いだろう。コンプレッションドライバーはD2410H2。25mm径のV字断面リングダイヤフラムであり、ネオジム磁石もリング形状。その振動はアルミダイキャスト製センターコーンを包み込む傾斜壁の隘路を経由し、12.5mm径の開口に押し出されて音圧を増す仕掛けだ。低域ユニットはJW165P4。同心円リブのあるピュアパルプコーン、頑丈なアルミダイキャストフレームというおなじみの仕様。

 当初は中域が活発すぎるので高域のアッテネーターで0.5dB絞って試聴。実に爽快であり音場が前方両脇にまで広がり、すみずみまで生気がみなぎっている。さらに精妙な響きを得るべく、ギターの名録音(STR33622)で数分間エージング。これで緻密な質感、息の長い余韻の濃淡模様、和声の構築感が向上してクラシックやラテンの精巧な音の造形物に実体感が見えるようになった。鮮度志向に弾力感や凝縮感も加味するJBLならではの気性が各種の音楽で発揮されるのがうれしい。これは長らく付き合える快作だ。

Speaker System
JBL
4309
¥180,000(ペア・税別)

●型式:2ウェイ2スピーカー・バスレフ型 ●使用ユニット:ウーファー・16.5cmコーン型、トゥイーター・ホーン+2.5cmリングラジエーター型コンプレッションドライバー ●インピーダンス:4Ω ●感度:87dB/W/m ●クロスオーバー周波数:1.6kHz ●寸法/重量:W260×H419×D227mm/11kg
●問合せ先:ハーマンインターナショナルコールセンター TEL. 0570(550)465


4309のフロント面。特徴的な上部は、HDI-Xウェーブガイドと呼ばれる指向特性が均一な形状のホーンとネオジム磁気回路+リング振動板による2.5cm径コンプレッションドライバーの組合せ。ホーン下部に高域の微調整ができるアッテネーターを装備する。ウーファーは口径16.5cmのJBL伝統のピュアパルプコーンを採用。


リア面。入力端子はバイワイアリング対応で、ネットワークは高精度なメタライズドフィルムキャパシターや太ゲージ銅を巻いた空芯コイルなどの高品位パーツを採用。

4309のデザインを見る吉田氏。

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