GNオーディオジャパンから、Jabraブランドの完全ワイヤレスイヤホンの新製品「Jabra Elite4 Active」が絶賛発売中だ(実勢価格¥15,000前後)。
これは、Activeという型番から分かる通り、スポーツやトレ―ニングなどのアクティブなシーンでの使用を想定した製品となる。昨年秋には同じActive仕様の「Elite7 Active」も発売されているが、今回の4 Activeは近年流行のアクティブノイズキャンセル(ANC)機能を搭載しながら、より廉価で、購入のしやすさを前面に打ち出したかっこうだ。
先に概要を記すと、ボディはIP57に準拠した防塵・防水・耐汗性能を備え、ANCや外音取り込み機能(ヒアスルー)、Jabraのイヤホン用アプリ「Jabra Sound+」にも対応する。ただし、パーソナライズ機能には非対応。ドライバーは6mm径のダイナミック型で、内蔵バッテリーの再生時間はイヤホン単体で約7時間、充電ケース併用で最大約28時間となる。
ここからは、気になる音質について簡潔に紹介していきたい。組み合わせたポータブルプレーヤーは、Astell&Kernの「A&ultima SP1000」で、コーデックはaptX、コンテンツはCDクォリティとハイレゾ(96/24)のFLAC。通勤時(電車内)は、SHANLINGの「M0」を使っている。
搭載ドライバーは、先に発売になった3兄弟(Elite7 Pro/7 Active/3)と同じく6mm径のダイナミック型ながら、出てくる音の傾向は大きく異なっており、aptXコーデックをサポートするElite3ともまた違う印象。音楽を音楽らしく楽しめるような、これまでとは違うサウンドチューニングが行なわれているようで、音場感は少し狭い印象ながら、定位感や音の響き、余韻といった雰囲気は繊細に表現してくれる。ボーカルと楽曲のバランスもよくなり、Elite3譲りの音の厚みも感じられる仕上がり。
低域の再現は比較的穏やかで、完全ワイヤレスイヤホンでありがちな出しゃばってくる感じはない。高域については、それほど伸びている印象はないが、詰まっている感じはなく、全体的なバランスは良好。ただし、ディティルの再現性はもう一歩というところ。
コンテンツをハイレゾにすると、まず音数が多くなり(細部の再現性が向上)、音場が上方向に拡大する様子が如実に分かるほど。響きや余韻はより繊細になり、音に包まれる感覚が拡大するよう。以上は、アクティブノイズキャンセルをオフの印象だ。
アクティブノイズキャンセルの効きについては、いつも通りの満員の通勤電車でテストしてみると、先行するElite7 Proや7 Activeとは効き方(処理の仕方?)を変えているようで、走行音、送風音といった騒音をより綺麗にキャンセルしてくれる。座って目を閉じていると、無音(少しは周囲の音は聞こえるが)のアトラクションに乗っているような感覚になる。一方で、アナウンスはきっちりと聞き取れる。Jabra Sound+アプリで、ノイキャンの具合をElite7 Proなどと同様に調整できるが、Elite4 Activeのほうが効果は自然な印象だ。
なお、ノイキャンのオン・オフと外音取り込み機能は、左側のイヤホンのタッチ(1回)でトグル状態にて切り替え可能。ジングルのような音で機能が分かるようになっていて、「ポーン」が外音取り込み機能、「ポ↑ン」がノイキャン・オン、「ポ↓ン」がノイキャン・オフとなる。個人的に外音取り込み機能とノイキャン機能は別用途と思っているので、この切り替えサイクルの中から外音取り込み機能を外してほしい。アプリでの機能選択に「ANC(オン)」「(ANC)オフ」というトグル項目を新設してほしいと思う。
なお、ノイキャンの再生音質への影響は、Elite7 Proなどよりも少し大きく、ボーカルから上の帯域が少し抑え込まれるようで、S/Nについても若干後退して、大味な雰囲気となる。ただし、筆者はテストで聴いているのでこうした違いも感じるのであり、普通に使用している分には、周囲の騒音を綺麗にキャンセルして音楽に没入できる空間を作ってくれるElite4 Activeの利便性はとても高い。