コルグは、同社が提唱しているインターネット動画配信システム「Live Extreme」が、音声のみの配信にも対応したと発表した。また今回、同機能が総務省の「タイ王国工業団地内におけるローカル5Gを活用したアプリケーションの実証試験」に活用されることも決定した。

 Live Extremeは、最高で4K映像とハイレゾクォリティの音声を伝送可能な配信プラットフォームとして、2020年9月に発表された。その後様々なサービスで採用され、一年間で20を超えるコンサートやイベントで利用されている。

 その最新バージョンとなる「v1.6」では、ロスレス/ハイレゾ音声対応、マルチチャンネル音声対応、専用アプリケーションなしにウェブブラウザのみで再生可能、というLive Extremeの特徴はそのままに、音声のみの配信にも対応した。

 これにより、市販のノートパソコンとASIO対応オーディオ・インターフェイスさえあれば、高品位なハイレゾオーディオ(最高PCM 384kHz/24ビットおよび DSD 5.6MHz)を8チャンネルまでライブ配信することが可能となり、従来とは異なる分野での応用も見込まれるという。

今回の実証事業のイメージ

 その第一弾として、総務省の「タイ王国工業団地内におけるローカル5Gを活用したアプリケーションの実証試験」に採択された、日本工営株式会社とKDDI株式会社による実証事業に活用されることが決定した。

 これは、タイ王国アマタシティ・チョンブリ工業団地にあるDaikin Industries(Thailand)Ltd.の工場から、機械の動作音を8本のマイクで同時収集した圧縮音声データ(192kHz/24ビット)を、ローカル5Gネットワーク経由でクラウドサーバへ送信し、クラウド上でAI分析することで、機械の稼働監視や故障予兆を検知し、予防保守によるコスト削減と保守作業の効率化、作業員の負荷軽減を目指したアプリケーションだ。

 同社では、今後も最新のオーディオ技術に取り組み、ノウハウを蓄積しながら、エンタテインメント業界に限らず、様々な分野で活用できる製品の開発を目指していくとのことだ。