BS日テレとBS日テレ4Kでは、2022年1月2日19:00〜20:54に、『BS笑点ドラマスペシャル 笑点をつくった男 立川談志』を放送する。それに先立ち、出演者5名によるリモート記者会見が開催された。

 『BS笑点ドラマスペシャル』は、2017年からBS日テレで放送されているシリーズで、国民的長寿番組『笑点』に関わってきた人々を描いている。今回はその第4弾で、『笑点』の原型を作り上げた立川談志さんが主人公。なお放送日の1月2日は、談志さんの誕生日に当たるそうだ。

 記者会見には、立川談志役の駿河太郎さん、妻・則子役の篠田麻里子さん、柳家小さん役の角野卓造さん、林家三平役の小手伸也さん、日本テレビプロデューサー・小里 光役の春風亭昇太さんが登場、作品についての質問に答えてくれた。

 会見は、初めて台本を読んだ時にどう思ったかという質問からスタートした。

駿河さん 台本の表紙を見た時には、やめとけと思ったんです。実は圓楽さんが主人公の回(第二弾)をやった時に、談志さんは主演にしない方がいいですよとプロデューサーに話していたんです。談志さんはファンも多いし、たいへんなことになりますよと。

 それなのに表紙が上がってきたら「立川談志」となっていたので “やめとけゆうたやんけ” と思ったのが最初です(笑)。でも台本自体は凄くよくできていて、あの裏側はこうやったんかという落とし所になっていて、面白かったんです。だから、やらせていただきますというお返事をしました。

篠田さん 談志さんの知らない部分が見えて、台本がすらすらと読めて、凄く面白かったのを覚えています。則子さんという方がどんな存在なのか知らない方は多いと思うんです。でもそこを描いたことで、普段の談志さんの様子も分かって、面白い作品だなと思いました。

角野さん あったかい話だと思いましたね、それが第一印象です。色々なことが起きますけれど、そこに凄くあったかい思いが流れていて、噺家さんや落語界に対する愛情を感じる台本だな、凄くいい本だなと思いました。

小手さん 正直なお話、今まで落語という世界に親しんでこなかったので、不勉強な部分も多々ありました。

 そもそも『笑点』の立ち上げに談志師匠がからんでいるとも存じ上げなかったですし、談志師匠と初代・林家三平師匠がそんな間柄だったということもまったく知りませんでした。なので、凄く新鮮な気持ちで台本を読ませてもらいました。

 表に出てこない、皆さんの人柄が描かれていて、これは噺家さんや芸人さんに限らないかもしれませんが、ひりひりしあいながらも支え合っている、そんな関係性が素敵で、そうありたいなぁと思いました。

春風亭昇太さん 談志師匠のドラマを作ると聞いて、やっぱりそうきたなと思いました。このドラマでは、『笑点』に関わった方を順番に採り上げていますが、(三遊亭)好楽師匠と小遊三師匠ではドラマ性がないので、物語が作れないなぁと納得しました(笑)。ちょっとプロデューサー目線ですが。

 あと、僕のセリフが多いなぁと思いました。『笑点』メンバーはちょこちょこ顔を出しているんですが、今回はセリフが多いので一生懸命やらなくてはならいなと思いました。

 続いて駿河さん、角野さん、小手さんに、作品中で落語を披露するシーンで苦労したことについて質問があった。これについて3人は以下のように話してくれた。

駿河さん 今回はお噺を6つくらい覚えました。最初は、今まで使ったことのない言葉もあったりして覚えられるか心配だったんですが、ひとつ覚えたあたりからするすると頭に入るようになりました。やればやるほど、自分の好みの噺と苦手な噺がでてきて、噺家さんが得意な演目がある気持ちが分かった気がしました。

角野さん 私は2席、2分程度のシーンでしたが、覚えるのに時間がかかりましたね(笑)。1日中ぶつぶつ言ってました。「道灌」という噺には偉い人が出てくるのですが、その名前がどうしても覚えられなくて苦労しました。

 「そば清」の方は、浅草の東洋館でエキストラさんに入ってもらって撮影をしたのですが、高座に上がると興奮しました。気持ちが高ぶって、芝居の舞台の発声になってしまった。落語はこんなに大きい声ではやらないだろうなと思いましたけど、それは楽しかったです。

小手さん ぼくはたったの1席なんですが、高座に座ったまま何かを喋り続けるという独得の緊張感があって、今年一番緊張した仕事でした。役作りではこれを見て下さいと動画を渡されたんですよ。だから、YouTube師匠を完コピするように頑張りました(笑)。セリフ回し以上に扇子の扱いも難しくて、結果的に林家三平ではなく緊張した小手伸也があそこに居ると思います。

駿河さん 三平さんの落語は難しいんですよ。落語をやりながらお客さんと話して、また落語に戻してと行ったり来たりしますから。

小手さん アドリブの部分を覚えて下さいみたいなものですからね。

春風亭昇太さん 三平師匠も談志師匠も、癖のある、独自の世界観を持っている方ですから、凄く難しかっただろうと思います。何席か覚えただけでこれが合っているとか難しいと言うことがわかるのは、役者より落語家が向いているのかもしれませんよ(笑)。

 なお本シリーズは第一弾からすべて4Kで撮影・制作されている。そこで公開質問の時間に、4Kで見て欲しいシーンや、登場者の皆さんはご自宅で4Kを楽しんでいるかについて質問してみた。

駿河さん 難しい質問ですね。そこまで4Kを意識して芝居はしていませんでした。あと申し訳ないんですが、うちのテレビは4Kには対応していないんです(笑)。

春風亭昇太さん 私実は4K8Kのキャンペーンタレントなんです。なので皆さん、ぜひ年末年始は4Kで観て下さい。

角野さん 私の部屋ではブルーレイレコーダーが5台稼働しています。ドラマ、ドキュメンタリーといった具合にジャンル別に録っているんです。その中の1台が4Kに対応しています。時々4K番組や古い映画をレストアして綺麗になったものを録画しています。

駿河さん 全然違う物なんですか?

角野さん 全然とまでは言いませんが、綺麗は綺麗です。レコーダーとテレビの両方を揃えなくては実力は発揮されませんけどね。

小手さん あ、談志師匠と三平師匠が銭湯に行くシーンがありますので、そこの肌のきめ細かさをぜひ4Kでご覧下さい(笑)。

 ドラマとは直接関係のない質問にも関わらず、皆さんにていねいにお答えいただけたのには感謝でした。そして最後に視聴者に向けて駿河さんからこんなコメントがあって、会見は終了となった。

駿河さん お正月にとてもぴったりなドラマになっていると思います。もちろんフィクションも入っては居ますが、談志師匠とはこんな人だったのかなと思ってもらえる、あったかい作品になっていると思います。ぜひ家族みんなで楽しんで下さい。

 なおBS日テレ、BS日テレ4Kでは、以下の日程で過去の3作品を再放送する。ぜひこれらの番組もチェックしていただきたい。(取材・文:泉 哲也)

12月25日(土)12:00〜 第1弾「BS笑点ドラマスペシャル 桂歌丸」
12月26日(日)12:00〜 第2弾「BS笑点ドラマスペシャル 五代目三遊亭圓楽」
12月29日(水)20:00〜 第3弾「BS笑点ドラマスペシャル 初代 林家木久蔵」

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