エレクトリから、McIntosh(マッキントッシュ)のソリッドステート出力&真空管出力プリアンプ「C12000」が発売された。価格は¥2,530,000(税込)。

 C12000は、「C1100」のコンセプトを受け継ぐ2シャーシ構成の次世代プリアンプ。音楽信号のためのオーディオ部とコントロール/電源部を完全に分離することで、純度の高い音楽再生を可能にしている。その主な特長は以下の通り。

上がプリアンプ部で、下がコントローラー部

●C12000C(コントローラー)とC12000ST(プリアンプ)の2シャーシ構成を採用。音楽信号を扱うオーディオ回路から、電源回路、マイクロプロセッサー、コントロール回路を分離し、音楽信号に悪影響を及ぼすノイズを完全に排除。さらに、両チャンネルの回路は物理的に分離され、シールドされている。また電源部も左右独立にすることで、チャンネル間の完全な分離を実現し、真のデュアル・モノーラル動作を実現。

●入力端子から出力端子まで最新の完全バランス回路を採用し、ノイズや歪みを最小限に抑えている。

●アナログ入力は、バランス6系統、アンバランス4系統、フォノ2系統の計12系統を装備。2系統のフォノ入力は「ムービングマグネット」または「ムービングコイル」のいずれかに設定可能で、負荷インピーダンスと静電容量、ゲインを調整できる。負荷インピーダンスは25Ωから47,000Ω、静電容量は50ピコファラッドから400ピコファラッドの範囲で選択可。

●プリアウトは、真空管とソリッドステートの両方の出力を装備。真空管出力のプリアンプ部には、チャンネルあたり12AT7×2本、12AX7A×1本の真空管を配置。ソリッドステート出力にはバランス構成のオペアンプを採用する。

●プリアウト出力端子は、真空管(バランス)、ソリッドステート(バランス)、固定アンバランス、プログラマブル・アンバランス(真空管、半導体の選択式)の計4系統。

プリアンプ部のリアパネル

●フォノ入力に12AX7Aを用いた真空管式増幅回路を採用。各チャンネルに2本ずつ使用したフルバランス構成で、RIAA補正イコライザー回路には、公差の狭い抵抗とコンデンサーを使用し、フラットな周波数特性を実現した。

●ボリュウムは、オプティカル・ロータリーエンコーダーを備えた高精度バランスデジタル制御アッテネーターによってコントロールする。これにより、チャンネル間で0.1dBのトラッキング精度を確保している。ボリュウムレベルは0.5dB刻みで214段階に設定されており、レベルが変化してもノイズは発生しない。

●パワーコントロール・ポートは、接続されている他のマッキントッシュの機器に電源のオン/オフ信号を送ることで、システムの電源を簡単に立ち上げたり、シャットダウンできる。データ・ポートは、接続されたソース機器にリモートコントロールコマンドを送信可能。

●幅広いヘッドホンを駆動するための充分なパワーと柔軟性を備えたハイドライブ・ヘッドホンアンプを搭載。標準プラグヘッドフォン出力には、前方定位のサウンドステージを実現するHXD.技術を採用した。

●マッキントッシュ伝統のシンプルで精悍なガラスフロントパネル。ステンレス・スティール・シャーシは、簡単な手入れで新品同様の輝きを保つことができる。

コントロール部のリアパネル

「C12000」の主なスペック

●接続端子:バランス入力6系統(XLR)、アンバランス入力4系統(RCA)、フォノ入力2系統(RCA)、バランス出力1系統(XLR)、アンバランス出力1系統(RCA)、他
●周波数特性:+0dB/-0.5dB(20Hz〜20kHz)、+0dB/-3.0dB(10Hz .100kHz)
●全高調波歪率:0.005%以下(ライン入力、20Hz〜20kHz)、0.05%以下(フォノ入力、20Hz〜20kHz)
●定格出力:5.0V(バランス)、2.5V(アンバランス)
●最大出力電圧:20Vrms(バランス)、10Vrms(アンバランス)
●入力感度:900mV(バランス)、450mV(アンバランス)、4.5mV(フォノMM)、0.25mV.4.5mV(フォノ)
●S/N:-107dB(ライン)、-83dB(フォノ MM)、-79dB(フォノ MC)
●入力インピーダンス:50kΩ(バランス)、25kΩ(アンバランス)
●最大入力レベル:20V(バランス)、10V(アンバランス)、100mV(フォノ MM)、10mV(フォノ MC)
●ヘッドフォンゲイン:0dB(16〜40Ω)、6dB(40〜150Ω)、12dB(40〜150Ω)
●ヘッドフォン出力:150mW
●消費電力:75W(待機時0.5W以下)
●寸法/質量:W445×H152×D441mm(突起部含む)/12.3kg(電源/コントロール部)、11.3kg(プリアンプ部)