Introduction「独自液晶技術を駆使して多彩な製品群をラインナップ」

 独自の液晶技術と、レンズ、プリズム、光源などの光学技術を駆使し、高輝度化、高精細を追求した業務用モデルから、画質と設置性、操作性を高次元で両立させた家庭用モデルまで、エプソンではdreamioシリーズで多彩な用途に応じた数多くのプロジェクターを製品化している。

 世界を代表するプロジェクターメーカーとして高い評価を得ているが、エプソンの最大の強みは、主要な要素技術を自らの手で開発し、着実に進化させてきたことにある。たとえば、プロジェクターの心臓部である表示素子だが、エプソンでは一貫して、明るく、色再現に優れた3LCD(RGB 3板式の液晶)方式を採用している。

 LCDは独自のHTPS(高温ポリシリコンTFT液晶/透過型)パネル。入力された映像信号に従って1ドットごとに光の透過量が正確に制御できるため、黒表示から白表示まで無段階で明るさの推移を表現することが可能。充分なダイナミックレンジが確保され、なめらかな階調性が得られるため、立体感豊かな自然な映像を描き出せるというわけだ。

 さらに高精細なHTPSパネルでは、透過率の高さが求められるが、ここでは半導体製造にも使われる先進の微細加工技術を投入。同時に配線、素子構造の独自設計により、パネルの開口率を極限まで高め、高輝度化と高解像度の両立に成功している。

 この他にも、ランプ、レーザーなどの光源、光を三原色に分離するダイクロイックミラー、さらにはRGB画像を合成するダイクロイックプリズムなど、プロジェクターを構成するさまざまな技術を自社で開発、製造することが可能。世界的に見ても、主要な技術をここまで自前でまかなえるメーカーはきわめて少ない。

 

Wi-Fiとネット端末の利用で
かんたん接続で大画面が楽しめる

映像を映し出すプロジェクターはテレビと違って接続に手間がかかるという印象があるかもしれないが、最近はそうともいえない。ここで紹介するエプソンのプロジェクターは、スピーカーやBluetooth機能が内蔵されており、Wi-FiにつないだAmazon Fire TV Stickや各製品のオプションとして用意されているスティック状のAndroid端末をHDMI端子に接続することで、かんたんに動画再生が楽しめる。EF-12やEH-LS300W/Bでは、本体にAndroid TV機能を内蔵しているので、さらに手軽にネット動画が楽しめる。もちろん各機種ともに、BDレコーダーやAVアンプなどの本格シアターに組み込むこともでき、カジュアルな使い方から本格的な用途まで万全に対応する。(編集部)

※スピーカーおよびAndroid TV 機能内蔵モデル(もしくはAndroid TV端末同梱モデル)では、Wi-Fi環境があればプロジェクターだけでネット動画再生ができる。

 

3LCD方式を採用するdreamio

現在、家庭用のプロジェクターは大きく3枚の液晶パネルを使用した3LCD方式と、1枚のDMDパネルを使用したDLP方式に分けられ、エプソンdreamioシリーズが採用しているのは、フルカラー映像を投影する前者。光をRGB(赤、緑、青)に分離し、各色を専用のLCDに送り出して、それを特殊なプリズムでひとつの光に合成した状態で投写する。これに対してDLP方式は、高速でRGB画像を切り換えて、スクリーンに表示し、「視聴者の頭の中で」フルカラー画像として認識させるのが基本。3LCD方式の強みは、投写レンズから完全なフルカラーの映像が連続的に投影できること。このため色割れノイズ(カラーブレーキングノイズ)が発生せず、画素単位で忠実な色再現が可能。疲れも少ないだけでなく、階調性も豊かだ。

 

 

どんな用途で使うのかをしっかり把握しよう
dreamioプロジェクター選択のコツ

 家庭のリビングで100インチ大の大画面映像が楽しめるプロジェクター。テレビに比べると、設置、調整、視聴環境と、何かと手間がかかるイメージが強いが、スクリーン上に映し出された大画面は、テレビの映像とはまったく別物。特にスクリーン鑑賞を想定して制作された映画は、ぜひプロジェクターの大画面で楽しみたいところだ。

 そして昨今、自宅で過ごす時間が増えたことで、プロジェクターへの関心が高まり、さまざまなタイプの製品が登場している。片手で簡単に持ち運び、家の中、どこでも手軽に楽しめるような小型、軽量モデル、家族が集うリビングで、灯を残したままでも楽しめる高輝度モデル、さらには100インチを超える大画面に相応しい画質を提供する4K&HDR対応モデルなどなど、その内容は実に多彩だ。

 ここでは充実した商品群を誇るエプソンの家庭用プロジェクター「dreamio(ドリーミオ)」シリーズから注目の実力機を中心に紹介する。

 

チョイス①「お手軽に大画面の感動を得たいなら」

EF-11
¥104,500(直販税込価格)
● 投写距離:80インチ179〜243cm、100インチ224〜304cm
● パネル:フルHD
● 表示解像度:フルHD
● 光源:レーザー
● 光出力:1,000ルーメン
● コントラスト:250万:1
● 備考:1.5Wスピーカー内蔵
● 寸法/質量:W175×H58×D175mm/約1.2kg

 

EF-12
¥137,500(直販税込価格)
● 投写距離:80インチ179cm、100インチ224cm
● パネル:フルHD
● 表示解像度:フルHD 
● 光源:レーザー
● 光出力:1,000ルーメン
● コントラスト:250万:1
● 備考:Wi-Fi&Bluetooth&Android TV、ヤマハ製5W×2スピーカー内蔵
● 寸法/質量:W175×H128×D175mm/約2.1kg

 

 お手軽に大画面を実現したい向きにはこの2機種をおすすめしたい。

 EF-11は、子供、女性でも、片手で無理なく持ち運び、手軽に壁や天井に投影して楽しめるコンパクトなプロジェクター。基本、セッティングフリーの自由度の高いモデルだが、3LCD方式の本格派で、解像度はフルHD(水平1,920×垂直1,080画素)。しかも2万時間という長寿命かつ高輝度のレーザー光源を搭載し、明るさは1,000ルーメンをクリアーしている。実際の映像は、色鮮やかで、メリハリの効いた映像が楽しめる。設置性では、タテ自動台形補正機能、ヨコ手動台形補正機能に注目したい。これは投写画面の正面に設置できない場合に有効だ。

 EF-12は、本体にヤマハ製のステレオスピーカーを内蔵した完全AV一体型プロジェクターだ。OSはAndroid TV。表示パネルはフルHD解像度ながら4K信号およびHDR10/HLGの入力に対応。レーザー光源との組合せで、明るく、緻密な映像を描き出す。設置性にも優れ、自動設置調整という機能で、ピントのズレと映像の歪みをフルオートで補正し、鮮明な大画面映像が楽しめる。寝室で天井に投写して「おうちプラネタリウム」をしたり、広いお部屋でZoom機能を使って「オンラインヨガ」をするなど、さまざまな楽しみ方が可能だ。

 

 

チョイス②「リビングシアターで楽しみたい方に」

EH-TW750
¥133,100(直販税込価格)
● 投写距離:80インチ181〜219cm、100インチ227〜275cm
● パネル:フルHD
● 表示解像度:フルHD
● 光源:ランプ
● 光出力:3,400ルーメン
● コントラスト:1.6万:1
● 備考:Wi-Fi、2Wスピーカー内蔵
● オプション:スクリーン付き(EH-TW750S)モデルあり
● 寸法/質量:W302×H87×D249mm/約2.8kg

 

EH-LS300W/B
¥264,000(直販税込価格)
● 投写距離:80インチ46cm、100インチ58cm
● パネル:フルHD 
● 表示解像度:フルHD
● 光源:レーザー
● 光出力:3,600ルーメン
● コントラスト:250万:1
● 備考:Wi-Fi&Bluetooth&Android TV、ヤマハ製2.1chスピーカー内蔵 
● カラリング:ホワイト、ブラック
● 寸法/質量:W467×H133×D400mm/約7.2kg

 

 プロジェクターの大画面というと「暗い専用室限定」というイメージがあるが、ある程度の明るさのリビングでも充分に楽しめる光のパワーを備えた製品も登場している。

 EH-TW750は、明るさ、コントラストを強化し、リビングなどの明るい環境でも楽しめる画質を目指して開発された3LCDプロジェクターだ。部屋の後ろのダウンライトを点灯した状態でも、充分な明るさが確保され、コントラスト感に不満はなく、大画面テレビ代わりとしても使うこともできるだろう。リビングで使うのなら、一般的な「マット」スクリーンよりも、「パール」や「ビーズ」スクリーンがおすすめだ。

 EH-LS300は、表示面から30cmほど離して設置すれば、100インチの大画面投影が可能という短焦点プロジェクター。液晶パネルの解像度はフルHDだが、4K&HDR入力が可能で、解像度、ダイナミックレンジをLCDの表示能力に最適化して表示できる。フルHD解像度の表示にはなるが、高輝度のレーザー光源の威力もあって、充分に明るく、鮮やかなメリハリの効いた映像を描き出す。ヤマハ製2.1chスピーカーシステムや、Android TV OSを内蔵しているため、この1台でテレビ代わりにもなり、しかも本格的な映画鑑賞が可能だ。場所もとらず、部屋をすっきり使える点も嬉しい。

 

 

チョイス③「感動の4K大画面を満喫したい」

EH-TW7100
¥219,978(直販税込価格)
● 投写距離:80インチ235〜381cm、100インチ295〜477cm 
● パネル:フルHD×3
● 表示解像度:4K
● 光源:ランプ 
● 光出力:3,000ルーメン
● コントラスト:10万:1 
● 備考:Bluetooth、10W×2スピーカー内蔵
● 寸法/質量:W410×H157×D310mm/約6.9kg
● ラインナップ:スピーカーなしモデル(EH-TW7000)あり

 

EH-LS500W/B
¥329,978(直販税込価格)
● 投写距離:80インチ49〜67cm、100インチ62cm 
● パネル:フルHD
● 表示解像度:4K
● 光源:レーザー
● 光出力:4,000ルーメン 
● コントラスト:250万:1 
● 備考:Wi-Fi、Android TV端末付属 10W×2スピーカー
● カラリング:ホワイト、ブラック 
● 寸法/質量:W458×H210×D375mm/9.3kg

 

 エプソンでは、高画質を志向する本格モデルももちろんラインナップしている。EH-TW7100は、エプソンdreamioシリーズが誇る4Kプロジェクターの主力モデル。明るくメリハリの効いた再現性が特徴的で、ダイナミックコントラストは10万:1に達する。3LCDはフルHD仕様だが、独自の画素ずらし技術、4Kエンハンスメントテクノロジーにより4K表示を可能にしている。3,000ルーメンという明るさは、家庭用プロジェクターとしてはトップレベル。実際の映像を見ても、基本的な明るさに余裕があるため、気持ちよくハイライトが伸びる。設置性もきわめて優秀だ。

 いっぽうのEH-LS500は、約50cmの投写距離で80インチの大画面投影が可能という4K&HDR対応の超短焦点プロジェクター。光源には高輝度レーザーを投入し、4,000ルーメンという驚異的な明るさを実現している。Android TV端末を同梱しているため、Wi-Fi接続環境があれば、各種動画配信サービスが視聴できる。その映像はハイライトが気持ちよく伸びて、色純度が高い。

 テレビの世界とは一線を画すこのスケール感をぜひ、体験していただきたい。