オーストラリアのメルボルンに本拠を置くHDMI専業メーカーのKordz(コーズ)から、48Gbps(ギガビット/秒)ウルトラハイスピード認証を取得したHDMI 2.1対応メタル(無酸素銅単線)ケーブル「Bravo」が登場した。光ファイバーケーブルと異なり、メタルケーブルは内部抵抗による損失が生じるため、5m以上の長さのウルトラハイスピード・タイプを製造することは難しい。本製品も最長で3mだ。

HDMI CABLE
Kordz
Bravo
1.0m オープン価格(実勢価格1万3200円前後)
1.5m オープン価格(実勢価格1万5400円前後)
2.0m オープン価格(実勢価格1万7600円前後)
3.0m オープン価格(実勢価格2万350円前後)

●対応規格:HDMI2.1 
●伝送帯域:48Gbps 
●ケーブル径:Φ6mm
●問合せ先:エミライ https://www.kordz.jp/

 超高額製品というわけではないが、(3mで約2万円)、つくりはひじょうにしっかりしている。シェル・ハウジングはアルマイト処理のアルミニウム合金製で、コネクター部はケーブル保持力2kgを誇るソリッドダイキャストだ。またケーブルの被覆は柔らかく、取り回しがとてもよい。狭い空間で折り曲げることの多いHDMIケーブルにとって、これは重要なポイントだろう。

 本機Bravoの1.5mタイプを同社製ハイスピード(18Gbps)タイプのEVSと画質・音質比較してみた。パナソニックのUHDブルーレイプレーヤーDP-UB9000と東芝の48型有機ELテレビ48X9400Sを用いてUHDブルーレイ『西表島〜太古の自然をめぐる〜』を再生する。スペック上は18Gbpsタイプで何の問題はないはずだが、全体の明るさ、コントラスト感ともにBravoのほうが大きく勝る結果に。遠景で捉えられた人物の鮮やかな原色のTシャツの色切れ、砂浜のディテイル表現もBravoが断然よい。自分の視力が上がったかのような印象を受けるのである。

 音質も比較してみよう。DP-UB9000とデノンのAVセンターAVC-X8500HA間をつなぎ替えて、UHDブルーレイの映画『ソウルフル・ワールド』、オペラ『イル・トロヴァトーレ』を再生し、それぞれの音を聴いてみたが、やはりBravoのほうが断然好ましかった。聴感上の音圧感が増す印象で、音場も立体的に広がっていく。オペラのソプラノ、テノール、バリトンそれぞれの声質の表情の違いもBravoで聴いたほうがよくわかるのである。オーディオ専用HDMIケーブルとしてもお勧めの逸品だ。

ケーブル最小曲率半径は30mmで、狭い場所でも取り回しがきく。ケーブル部のグリーンのラインも見分けがつきやすい

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本記事の掲載号は「HiVi 2021年10月号」