地球世界から、水月雨ブランドの新作有線イヤホン「KATO」が、11月5日に発売される。価格はオープンで、想定市場価格は¥24,000前後。

 KATOは、同社カナル型イヤホンのフラッグシップモデル「KXXS」(2019年)の発売以後、およそ2年の歳月をかけて開発した新しいULT(ウルトラ・リニア・テクノロジー)超線形ドライバーを搭載した、新フラッグシップ。より豊かで自然なサウンドを再現するようにチューニングされているということだ。

 KATOの名称は、「KXXS Advanced Technology Optimized」の頭文字による。

 KATOの“O”の元となる「Optimized」の通り、シミュレーションの繰り返しによって内部構造の“最適化”を図り、歪の抑制、レスポンスの向上、位相特性の向上を実現しているそうだ。

 加えて、さらなる音色改善のために、イヤーピースも新開発。「Spring Tips(清泉)」と名付けられたそれは、共振の抑制を進めることで、高音域の再現性を改善したという。装着性の向上も図られ、遮音性も高められているそうだ。

 ちなみにボディデザインは、光と影をモチーフに形作られており、MIM製法(金属粉末射出成型)によって、立体的な造形をみせ、加えて手動研摩を行なうことで、鏡面のような滑らかさも兼ね備えている。

KATOの主な特徴
・ULT超線形ダイナミックドライバー
2年以上かけて開発された新しい10mm ULT(Ultra-Linear-Technology)超線形ダイナミックドライバーを搭載。これには、内外部磁石複合磁気回路、空気通過構造、内部音響キャビティ、極細CCAWコイル、および高周波位相導波管(High frequency phased waveguide)も含まれるという。

・第3世代DLC(ダイヤモンドライクカーボン)複合振動板
上述のULT超線形ダイナミックドライバーには、新設計の高性能DLC複合振動板を搭載。剛性やダンピングファクターが高く、軽量であるというDLCの特徴を活かしつつ、FEA有限要素によるシミュレートとあわせ、高域のディテイル、ダイナミックレンジ、システムダンピング、過渡特性を改善することに成功。前世代のDLC複合振動板と比べて、非線形歪みは80%削減できているということだ。

・交換可能なノズル
ネジ式クイックリリース構造に簡単に交換できる交換可能なサウンドノズル設計を採用し、2つの異なる材料(鋼と真ちゅう)で作られたサウンドノズルを付属。ノズルを交換することで、材料による音の変化を体験できるよう設計されている。フィルターの交換も可能となっている。

・新開発の「Spring Tips(清泉)」シリコンイヤーチップ
付属イヤーチップは、新開発の「Spring Tips(清泉)」。特殊な拡散構造により共振を抑制し、ノズル共振による高域線形歪みを大幅に低減させることで、高域の音色をより自然に再現することが可能となった。

・高品質ケーブル
星形カッド(Star Quad)構造の高純度銅・銀メッキケーブルを同梱。4芯の星形カッド構造により、表皮効果や近接効果の影響を効率的に低減し、干渉防止の役割を果たすという。リケーブルにも対応し、コネクターは特別な仕様の0.78mmピン。

KATOの主な仕様
ドライバーユニット:10mm-ULTダイナミック
振動板素材:第3世代DLC
再生周波数帯域:10Hz~45kHz
インピーダンス:32Ω±15%(@1kHz)
感度:123dB/Vrms(@1kHz)
入力プラグ:3.5mmステレオミニ
コネクター:カスタム2ピン
ノズル:ステンレス鋼ノズル×2、真鍮ノズル×2
筐体素材:MIMステンレス鋼