ターンテーブル部(MG1mk2):●駆動方式:ベルトドライブ●回転数:33・1/3、45rpm●ターンテーブル:アルミ合金製・3kg●寸法/重量:W468×H155×D385mm/14kg(本体部)、W125×H52×D220mm/1.2kg(電源部)●備考:オプションのフル・ダストカバー(¥130,000)、ライト・ダストカバー(¥65,000)、Redline電源ケーブル(¥100,000)あり

Record Player System
ヴァルテレ
MG1 PKG
¥1,360,000・税別

トーンアーム部(SG1 TA mk2 ST):●型式:スタティックバランス型●スピンドル/ピボット間:222.5mm

ターンテーブル部(MG1mk2):●駆動方式:ベルトドライブ●回転数:33・1/3、45rpm●ターンテーブル:アルミ合金製・3kg●寸法/重量:W468×H155×D385mm/14kg(本体部)、W125×H52×D220mm/1.2kg(電源部)●備考:オプションのフル・ダストカバー(¥130,000)、ライト・ダストカバー(¥65,000)、Redline電源ケーブル(¥100,000)あり

澄み渡った音と敏感さが相乗的に高まった精緻さが印象的

 英国ロクサンの創業者でアナログプレーヤーの設計者、トラジ・モグハダム氏が主宰するのがヴァルテレである。彼とは海外のショウで何度も会って話をしているので、ずいぶん時間をかけて日本市場に登場したものだと思う。MG1は中堅クラスのアナログプレーヤーで、フォノカートリッジは付属していない。

 筐体は硬質で精度の高いアクリル製。きわめて精度の高い軸受けとプラッターは見事というしかない。センターピンが外せる仕様はロクサンがオリジナル。ベルト駆動のモーターは小型のACシンクロナス型である。プラッターの表面にはアナログ盤とインピーダンスが近いというキャスト製法の黒いアクリル板が貼られている。振動を遮断するトッププレートのカット構造もロクサンの流れを汲んでいる。設計者が同じなのだから当然か。

 本機はディスクスタビライザーを使わないのが流儀。MC型のフェーズメーションPP-2000を装着して管球王国試聴室で聴いた音は、澄み渡った音と敏感さが相乗的に高まった精緻さが印象的だ。ワンポイントの先端を3個の精密球で受けるトーンアームの支持方式はユニーク。アンセルメ指揮「三角帽子」は音数の多さと豊かな空間の拡がりが好ましく、総じて曖昧さを排した音に思わせる。ダイレクト盤のデイヴ・グルーシンは、生演奏の緊張感を漂わせながら精緻な音を聴かせた。

 トーンアームの調整箇所は多い。精密な針圧計を用意して音を詰めていきたい製品だ。

↑シャーシは3ピースのキャストアクリル層で構成。上層の外側のボードにモーターと3点支持の脚部が取り付けられ、下層のボードは吊下げ構造となる。軸受けとトーンアームが装着される内側のボードは下層のボードが支持。吊下げと支持の構造にそれぞれシリコンディスクとラバーボールが使われ、振動の遮断が図られる。

↑自社製トーンアームSG1 TA mk2 STを搭載。カーボンファイバー製アームチューブに装着されたステンレス製リングはスライドさせて針圧の微調整と音質調整が可能。ベアリング部はピボットと3つのシリコンボールによる支持で安定したトレースを実現する。スピンドル部分は、再生時にキャップを外して盤面への振動伝搬を排除するトラジ氏設計プレーヤーの手法を受け継ぐ。

↑プラッターを裏面から見る。アルミ合金を精密加工した一体形状で、表面に貼られる3mm厚キャストアクリルがレコードマットの役割を果たす。

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