JBLからまた魅力的な製品が発表された。新製品の「MODEL 4309」は、昨年登場し好評のスタジオモニター「4349」の姉妹機で、165mmウーファーを搭載した。¥198,000(ペア、税込)で、7月中旬の発売を目指している。

 70年代初頭に登場して以来50年間にわたり、高い人気と実績を誇ってきたJBLの4300シリーズ。最新技術の搭載によりワイドレンジ2ウェイ機として開発された「4367」と「4349」に続く末っ子として登場するのが、今回の4309となる。D2テクノロジーを応用したリングラジエーター型コンプレッションドライバーとHDIホーンを搭載している。

 その主な特長は以下の通り。

D2410H-2(25mm径Teonexリングラジエーター型コンプレッションドライバー)
 スタジオモニター「Model 4367」や「Model 4349」に搭載されているD2ドライバー技術から派生した、強力なネオジム・リングマグネットとTeonex製リングダイアフラムを用いた新開発コンプレッション・ドライバーを搭載。

 軽量なTeonex製ダイアフラムを剛性の高いV断面のリング形状に成形したVシェイプ・リング振動板は、不要な分割振動を抑え、30kHzを超える超高域まで解像度の高い優れた再生能力を発揮する。

 またアルミダイキャスト製センターコーンとアウターリングにより、25mm径リングダイアフラムによる出力を12.5mm径の開口部へ集中させるリングラジエーター型コンプレッション構造がダイアフラムの振幅を抑え、歪を最小化している。

HDI(High Definition Imaging)ホーン
 ホーンには、広い周波数帯域に渡って、水平100×垂直80度の安定した指向性パターンを発揮するHDIウェーブガイド技術を採用。リスニングルームの影響を抑えながら広いリスニングスポットを提供してくれる。

リングラジエーター型コンプレッションドライバー「D2410H-2」(左)と、独自形状のHDIホーン

JW165P-4(165mm径ピュアパルプ・コーンウーファー)
 伝統のピュアパルプコーンと強力な超低歪磁気回路採用の6.5インチ(165mm)ウーファーを搭載。JBL伝統のスクエアクル形状アルミダイキャスト製フレーム採用ユニットで、同心円状の強化リブを配したピュアパルプ・ブラックコーンも搭載する。エッジには高い耐久性と柔軟性を合わせ持つNBRハーフロールエッジを採用。

 マグネットには、ポールピース長を延長し、前後対称磁界の形成を果たした新型SFG磁気回路を採用。大型デュアル・フェライトマグネットにアルミスタビライザー、コッパーショートリングを組み合わせることで高調波歪を低減し、ロングボイスコイル設計により大振幅特性を実現した強力な駆動部を形成している。

プレシジョン・ネットワーク
 高感度ドライバーとHDIホーンを活かすために低歪ネットワークを搭載。高域用コンデンサーにはすべてLow-ESR(静電抵抗)のメタライズドフィルムキャパシターを採用し、インダクターには太ゲージ銅線を用いた空芯コイルを採用している。

 8kHz〜20kHz間の高域微調整が可能な±0.5dBステップのスイッチ式UHFトリムコントロールを装備。ニアフィールド試聴からリビングなどでの使用、棚への設置時など、使用環境に応じた高域レベルの微調整が行なえる。

165mmピュアパルプ・コーン型ウーファー「JW165P-4」を搭載する

高剛性キャビネット
 キャビネットは、JBLスタジオモニターの証でもある伝統のブルーバッフルとウォールナット突板による4面リアルウッド仕上げを採用。

 内部に十字型ブレーシングによる補強を施すことで前後左右のパネルを強固に結合、ウーファーによるバックプレッシャーを寄せ付けない高い剛性を確保。また底面にはボトムベース・ボードを追加し、補強と共に設置面への振動伝達を低減している。振動による干渉と滑りを防止するシール式パッドも付属。

 フロントバスレフ方式のポートには、キャビネット内外の開口部に大きなフレアーを設けて大振幅時の空気の流入出をスムースにし、ポートチューニングに伴うQ値の急激な上昇を抑えて自然なバスレフ効果を生むスリップストリーム設計のツインポートを採用している。

「MODEL 4309」の主なスペック

●形式:2ウェイ2スピーカー、バスレフ型
●使用ユニット:165mmコーン型ウーファー、25mmリングラジエーター型コンプレッションドライバー+HDIホーン
●インピーダンス:4Ω
●出力音圧レベル:87dB/2.83V/m
●周波数特性(-6 dB):42Hz〜30kHz
●クロスオーバー周波数:1.6kHz
●寸法/質量:W260×H419×D227mm(グリル含む)/11.0kg