俳優・脚本家・プロデューサー・監督と、マルチな才能を発揮している宏洋が、監督・脚本・主演・プロデュースという4役を務めたアクション・エンターテイメント作『グレーゾーン』が、いよいよ6月4日より公開される。先の見通せないサスペンス的要素も満載の注目作だ。ここでは、ヒロイン一葉を演じた、グラビア、女優、そして歯科衛生士という、こちらもマルチな活躍をしている西原愛夏にインタビューした。
――出演おめでとうございます。まずは、出演が決まった時のことを教えてください。
ありがとうございます。最初はもう、（出演が決まったことが）信じられなかったですね。映画とかドラマにちょこっと出演した経験はありましたけど、ヒロインを演じさせていただくのは初めてでしたから、本当なのかなって、半信半疑でした。
――芝居の経験は？
レッスンを含めてそんなに経験はなかったので、演じられるのかという不安のほうが正直、大きかったです。
――今回、撮影に向けてのレッスンはありましたか？
レッスンというか、三姉弟で集まって姉弟の雰囲気を醸成するような取り組みはありました。その時は、（自分が）何ができないのかも分かっていない状況でしたけど、（自分なら）できる、という謎の自信はありましたね（笑）。
――もともと芝居への憧れ、興味はあったのですか？
はい、お芝居をやっていきたいという想いは強かったですね。ただ、実際に演技のレッスンに通う機会はあまりなかったこともあり、何をどうしたらいいのか、どうすればいいのか、ということも分からない状況でしたので、本作に出演させていただいたことで、（お芝居を）しっかりとやっていきたいという覚悟を持つことができました。
――今回は、物語の軸となる黒崎家の長女・一葉を演じています。
台本を読んで感じた一葉像と、実際に演じた時のイメージは、そんなに違わなかったです。普通の女の子ですけど、極道の家に生まれたことによる強さみたいなものを備えた女性、というイメージでした。ただ、撮影の時に監督の宏洋さんからは、「もうちょっとドスを利かせて」とか、「もうちょっと怖そうに」とリクエストされたので、そんなに怖くするんだ、そこまでやっていいんだという驚きはありました。
――一葉は“強い”うえに、アクションもこなしていました。
アクションも初めてでしたから、とにかく事前稽古は頑張りましたよ。まずは前転から始まって（笑）、いろいろと体の動かし方を習っていきましたけど、実際には、練習の動きと現場の動きは違いますから、本当に難しかったです。アクションに加えて、刀も使うという、二つのことを同時にしないといけないのは、本当に苦労しました。でも、共演の方々が、こうするともっとカッコよく見えるよとか、いろいろと丁寧に教えてくださったので、とても勉強になりました。
――西原さんは、バレエの経験もありますから、動けるのではありませんか？
回し蹴りなんかは、足がパンって上がったほうがカッコよく見えますから、そういう意味ではクラシックバレエの経験は活かせたかなって思います。体が柔らかくてよかったですよ。ただ、問題はファイトシーンで、相手を殴るところは、当てないようにしながらも、当たっているように見せなくてはいけないという技術面は、本当に難しかったです。常にカメラ位置を把握しながら動くのも大変でした。
今後は、アクションもできるグラドルという肩書をもらえるように頑張りたいですね。舞台が終わったらアクション稽古に通おうかなって思っています。そうそう、この間時代劇の舞台を経験したことで、今は日本舞踊にも通っていて、所作の勉強しているんです。
――アクションと言えば、冒頭から全開でした。
そこは、確か撮影が始まって二日めぐらいに撮ったところなんです。うまく出来ているのかと言われると自信はありませんけど、宏洋さんには怒られなかったので（笑）、出来ていたのかなーと思います。
――そこで宏洋さん演じる灰原龍と出会いますが、ちょっと怪しい灰原に、3姉弟それぞれ、意外とすんなり心を許していきますね。
ああいうキャラですから（笑）。まあ、黒崎家の使用人でもあるので、姉弟にとっては一番近いところにいますし、話しやすいのかなとは思いますね。自分の悪い部分もしっかりと見てくれるし、それを分かった上で受け入れてくれるという姿勢に、皆、心を開きやすかったのかなと思います。
――そして、一葉は灰原と急接近します。
とある事件？ が起きそうになるシーンの直後でしたからね。それは、女性にとってはある意味、とても怖い出来事で、私も演じながら、その時の気持ちをどう表現したらいいのかすごく悩んでいたので、そんな状況の中で灰原が起こすあの展開には、芝居を超えて本当にホッとしたのは覚えています。
――一葉にとっては恋心も？
芽生えていましたね。そうした雰囲気を表現するような仕草や表情は、演じる際に意識しました。自分の好きな人が目の前にて、この言葉を言ってくれたら、こういう顔をするだろうなということを想像しながら、演じました。
――すると、西原さんのファンにとっては、そういう顔をしている時は、要注意ですね（笑）。
うふふふ、でもリアルでは照れてしまって、相手を正視できないかも。
――さて、後半の大乱戦のあとは急展開でした。
そうですね。こんなにすごい展開になるんだっけって、試写を観て、自分でもびっくりしました（笑）。何を言ってもネタバレになりそうなので、これ以上は話せませんけど。
プレスリリースにも書いてありますけど、ラストのどんでん返しは誰も想像ができないと思います。ただ、全編を通してガッツリとコメディシーンが散りばめられていますから、最後の最後まで楽しんでいただけると思います！
――回収されていない伏線もたくさんありました……。
そうなんですよ。でも、宏洋さんの中では次回作の構想もあるみたいなので、うまく行けば、そこでいろいろな謎が明らかになる……かもしれません（笑）。
――続編ができたら、次はガンアクションでしょうか？
どうなんでしょう。アクションはもっと派手になりそうなので、スカイダイビングなんかにも対応できるように……準備はしておかなくちゃいけませんね。
――共演の皆さんは“劇中では”怖い人ばかりでした。
皆さん、カットがかかると一転して、こちらがびっくりするぐらい優しいんですよ。こんなにいい方が集まる現場があるんだって思うぐらい、雰囲気はよかったですね。中でも、浪花ゆうじさんは、私が緊張して震えている時に、笑わせて気分をほぐしてくれたのを、覚えています。
――さて、本作ではヒロインを演じて、アクションも経験して、女優としての自信はつきましたか？
逆になくなりました！ 分からないなりに頑張っていたんですけど、お芝居って勉強すればするほど苦しくなるものなんだって気付かされて。でも、だからこそ面白いし、やる気も湧いてくるし、もっともっとやりたいという想いも強くなりました。本格的に女優に挑戦していきたい。そう思いました。
――今後やってみたい役はありますか？
極端な役は結構経験があるので、自分の本職でもある歯科衛生士とか看護師の役をしてみたいですね。素でできるかも、と思います（笑）。あとは、10年やっていたクラシックバレエを活かせる、バレエを題材にした作品にも出てみたいですね。
――本格的に女優を目指すとすると、グラビアはどうしましょう？
そうですね、両方同じぐらい大事にしたいですけど、どちらかを極めようと思ったら、専念しないとだめなのかなって、最近思うようになってきたんです。ただ、まだまだ両方を頑張りたいし、勉強していきたいです。
映画『グレーゾーン』
6月4日（金）よりシネマハウス大塚ほかにてロードショー
＜キャスト＞
宏洋 西原愛夏 青山ひかる 黒条奏斗 和田奈々 浪花ゆうじ 絹張慶 仁科克基（特別出演） 中村ゆうじ
＜スタッフ＞
監督・脚本：宏洋
主題歌：「灰色の空」（作詞：宏洋 作曲・歌唱：ウタエル）
配給協力：アイエス・フィールド
製作・配給：宏洋企画室
2020年／日本／カラー／100分／ビスタサイズ／5.1ch
（C）2020 宏洋企画室
公式サイト：http://www.is-field.com/g-zone/
公式ツイッター：https://twitter.com/grey_zone_movie
■あらすじ
関東に君臨する極道、黒崎家と白川家。彼らは長い間、敵対しており、今なお激しい抗争が絶えなかった。そんな中、黒崎家の当主・黒崎弦信が暗殺された。刑事が密かに容疑者とみなしたのは、黒崎家の後継者争いをしていた弦信の三人の子どもたち。黒崎家に拾われて使用人として働く灰原龍は、刑事の依頼で三人の情報収集をし始める。だが、その事件の裏には、世代を超えて家族が抱える深い闇と秘密が潜んでいた・・・。
＜西原愛夏（Manaka Nishihara）プロフィール＞
1995年11月17日生まれ。山形県出身。
現役科衛生士としても働き、グラビア活動も精力的に行なっている。女優としては、2021年3月に舞台「遠山の金さん 天下を揺るがす女」でヒロイン・絹役を好演し、人気を博す。abemaTV「ミッドナイト競輪」にレギュラー出演中。回収率で好成績を収めて注目を浴びている。
https://twitter.com/ManakaNishihara
ヘアメイク：伊藤里香