GNオーディオジャパンから、オフィス・家庭用のヘッドセットをグローバルに展開しているJabra(ジャブラ)ブランドの、オンライン会議用カメラ「Jabra PanaCast」の新ラインナップとなる「PanaCast 50」「PanaCast 20」が発表された。PanaCast 50は6月15日、同20は8月1日の発売を予定している。価格はPanaCast 50が¥145,000(税別)、PanaCast 20が¥35,000(税別)。

「PanaCast 50」

「PanaCast 20」

 PanaCastは、世界初の180度のパノラマ撮影を可能にした4K仕様のオンライン会議用カメラシステム。今回発表の製品は、昨年来のコロナ渦の影響によって増加した、オンライン会議の需要に対応するべく、マイク・スピーカー一体型のPanaCast 50と、パーソナル用途を想定したカメラ単体のPanaCast 20というラインが追加された。

「PanaCast 50」のフロントにあるカメラ部。3つのカメラで180度の画角をカバーする

 Jabraの業態には大きく、補聴器、業務用オーディオ機器(エンタープライズ)、家庭用オーディオ機器(コンシューマ)の3部門があり、昨年はグローバル・日本国内ともに大幅な増収を達成したそうで、今年2021年度においても、国内では25%のアップを見込んでいる。中でも、文教用途の需要が大きく伸長したということだ。

 先述したように、折からのコロナ渦によってオンライン会議は今後も伸びることが予測されていて、同社ではPanaCastの備える4つの利点――インテリジェントビデオ、オーディオ技術、セキュリティ、柔軟性(対応力)を武器に、それぞれの利用シーンに合わせた新製品を投入することになった。

 以下、主にPanaCast 50をメインに紹介していきたい。形状はサウンドバーのようなデザインを採用しており、その中央に4K仕様のカメラが3基内蔵されている。スピーカーはトゥイーター+ウーファーの2ウェイ4スピーカーの仕様で、Jabraがヘッドセットなどで培ってきた声の聞き取りやすさを考慮して設計されているそう。

 さてそのカメラは、1台あたり90度の画角をカバーし、映像をステッチ(つなぎ合わせる)することで180度というパノラマ画面を作り出している。そこにAI技術を組み合わせることで、映像と音声を同時に処理し、発言者にズームインする機能(バーチャルディレクター)や、全出席者を映し込む機能(インテリジェントズーム)といった便利機能を実現している。

手型のある項目は、ズーム機能の切り替え

 また、PanaCast 50は、2つのビデオストリームを同時に送信することができることから、会議時の発言者の映像と同時に、あらかじめ取り込んでおいたホワイトボードに書き込んだ文字や図形などの映像も送信でき、それを受ける相手は、話し手とボードの両方の画面を確認しながら会議が行なえることで、商談などもスムーズに進むことが想定できるという。ホワイトボードの台形補正をする機能も搭載している。

端子部

 ちなみに、マイクは8カ所に内蔵されていて、発言者の声を的確に拾うほか、ノイズを除去するアルゴリズムの搭載で、聞きとりやすさも担保しているそうだ。双方向で同時に会話が行なえるフルデュプレックス仕様という。

 柔軟性の面では、Microsoft TeamsやZoomなどの代表的なオンライン会議プラットフォームに対応しており、連携も簡単に行なえるようになっているそうだ。

 一方のPanaCast 20は、先述したようにパーソナル用途に向けたオンラインカメラとなる。マイク・スピーカーは内蔵していないので、別途スピーカーフォンの「Jabra Speak」やヘッドセット「Jabra evolve」などの組み合わせを推奨している。

 機能としては4Kカメラによる鮮明な映像の配信に加え、PanaCast 50と同じくAI機能も搭載されており、内容は(50とは)異なるものの、被写体(使用者)を画面の中央に自動配置してくれる「インテリジェントズーム」、逆光補正など周囲の環境に合わせて映像を調整してくれる「インテリジェントライトオプティマイゼーション」、商品紹介をする時など、商品を持った手元を大きな画面で、話しているユーザーの顔を小窓(PinP)で同時に表示できる「ピクチャーインピクチャー」など、使い勝手をよくしてくれる各種機能に対応している。

発表会に登壇した、安藤 社長(右)とvideo担当の加藤氏(左)