AQUOS 4Kレコーダーに、2021年モデルが追加された。今回は2シリーズ6モデルでの登場となる。型番と市場想定価格、発売日は以下の通り。

4B-C40DT3 ¥135,000前後(税込、HDD容量4Tバイト、6月10日発売)
4B-C30DT3 ¥120,000前後(税込、HDD容量3Tバイト、6月10日発売)
4B-C20DT3 ¥105,000前後(税込、HDD容量2Tバイト、6月10日発売)
4B-C30DW3 ¥110,000前後(税込、HDD容量3Tバイト、6月20日発売)
4B-C20DW3 ¥100,000前後(税込、HDD容量2Tバイト、6月10日発売)
4B-C10DW3 ¥90,000前後(税込、HDD容量1Tバイト、6月20日発売)

今回のラインアップでトップモデルとなる「4B-C40DT3」

 それぞれの違いは内蔵チューナーとHDD容量で、「DT3」シリーズは4Kチューナー2基と地デジ/BS/110度CSデジタルチューナーを3基、「DW3」シリーズは4Kチューナー2基と地デジ/BS/110度CSデジタルチューナーを2基搭載している。

 さて今回シャープでは、これらの4Kレコーダー用に新しいエンジン「Medialit BD」を開発・搭載した。これにより、HEVCでの再エンコードの自由度が高くなったとかで、4K放送を4K画質のまま2番組同時に長時間モードで録画したり、地デジやBSデジタル放送をHEVCで長時間モードに再圧縮し、保存できるようになっている。4Kの長時間録画モードは、1.5/2/3/4/8/12倍の6段階だ。

 地デジやBSデジタル放送は以前からMPEG4-AVCを使った長時間モードが準備されていたが、圧縮コーデックとしてより進んだHEVCを使うことで、同じビットレートでもさらに綺麗に残せるようになるという。実際に発表会で、競馬放送をHEVCの2.4倍モードで録画した素材を再生していたが、DR録画に比べて芝などのディテイルは甘くなっているものの、馬体や騎手のユニフォームなどは破綻なく再生されていた。これなら動きの少ないドラマなどの保存用にも使えそうだ。

 その他のMedalist BDの機能では、「5upコンバーターPRO」が注目だ。これは画質を決める「解像度」「輝度」「色域」「フレームレート」「ビット深度」の5項目を4K放送と同等に変換するもの。「解像度」なら2Kを4Kに、「輝度」はSDRをHDR10に、「色域」はBT.709をBT.2020にアップコンバートする。「フレームレート」は30pを60pに、「ビット深度」は8ビットから10/12ビットへの変換が可能。

ダブルチューナーモデル「4B-C20DW3」。こちらのラインナップも本体サイズ等は同一だ

 これらのアップコンバートは放送コンテンツだけではく、ブルーレイなどのパッケージソフト再生時にも有効とのことだ。同様の機能はテレビにも搭載されているが、よりソースに近いレコーダーで処理をすることで画質面でのメリットがあるとシャープでは考えているのだろう。

 ちなみに「SDR→HDR10変換」には有機ELテレビ用のモードも準備されており、これを選ぶと有機ELパネルの特性に合わせた明暗のコントラストでアップコンバートされるという。

 なお「録画はしたけれど、見る時間がない」というレコーダーにありがちな悩みを解決する機能として、約1分で番組の概要がわかる「タイトルプレビュー」機能も搭載されている。これは、録画した番組全体の4分の3を10分割してその切れ目を5秒ずつ再生するもの。この飛ばし見で気になったら全体を見直してもいいし、残り4分の1だけを見てもいい。レコーダーを使っていると気になるタイトルはついつい予約しがちだが、この機能を使えば効率よくチェックも進むことだろう。

 なお今回の6モデルはすべて市販のUHDブルーレイの再生にも対応済みで、出力端子としてはHDMI端子を2系統(セパレート式)搭載している。

 またMedalist BDの搭載に伴い、ブルーレイ3DソフトやDVD-RAM、DVD+RWといった一部のディスクの再生ができなくなるそうだ。その詳細は近々シャープのサイトで紹介されるので、気になる方はチェックを。