ヤマハから、「AVENTAGE」シリーズの新製品「RX-A2A」が発表された。定価¥88,000(税込)で4月14日の発売を予定している。

 AVENTAGEシリーズは「サウンドクォリティの追究」「あらゆる環境にフィット」「新世代の映像やゲームを楽しむ」といった要素を備えたヤマハAVセンターのアドバンスドモデル。例年複数のラインナップが準備されており、今回のRX-A2Aは2021年モデルの第一弾となる。

新デザインをまとった「RX-A2A」

 今回は10年ぶりに外観デザインが一新され、既発売の「RX-V6A」などと同様に、ボリュウムノブをセンター、右側に入力切り替えを配置したシンプルなレイアウトとなった。カラーはブラックのみとなる。

 これはAVセンターの使われ方が変わってきたことを受けてのもの。ホームシアターでAVセンターを使う場合、以前は本体ボタンで操作することも多かったが、最近はリモコンやアプリによる操作がほとんどだという。それもあり、本体はシンプルで直感的な操作に対応するように配慮したのだという。

 本体中央のディスプレイは高精細なLCDパネルに変更され、より緻密な文字表示も可能になった。さらに日本語を含めて8ヵ国語が使えるようになったので、ハイレゾファイル再生などでも曲名がきちんと表示できる。

 内蔵パワーアンプは7chで、筐体を始め電源部や内部ワイアリング、プリント基板のパターンなどの回路設計を刷新することで、同社従来モデルで約2倍、マルチチャンネルパワーアンプ「MX-A5200」と同等のハイスルーレートを実現している。この結果、信号の追従性、安定性が格段に高まっているという。

 サラウンドフォーマットは、ドルビーアトモスやDTS:Xに対応しており、5.2.2での再生が可能。ヤマハ独自のシネマDSPとの掛け合わせにも対応している(シネマDSPの効果を適応的に切り替える『SURROUND:AI』は非搭載)。

HDMI入力は7系統を装備する。一列に並んだ左から2〜4番目が4K/120pや8Kの信号に対応している(左端はHDMI出力)

 HDMI端子は入力7系統、出力1系統という構成。このうち、HDMI1〜3端子は4K/120p信号のパススルーにも対応する。さらにゲーム機などで採用されている「VRR」「ALLM」「QMS」「QFT」などの信号も取り扱える。

 もうひとつ、2chや5.1ch、7.1ch音源から360度の没入感のある音場を再現する「DOLBY ATMOS with HEIGHT VIRTUALIZATION」機能のアップデートも予定されている。

 ハイレゾ音源は最大384kHz/32ビットのWAV/FLACやDSD11.2MHzにも対応済み。Apple Losslessは96kHz/24ビットまでサポートしている。音楽ストリーミングの「Deezer HiFi」や「Amazon Music HD」「Spotify」なども試聴可能という(別途契約は必要)。

「RX-A2A」の主なスペック

●定格出力(20Hz-20kHz、2ch駆動):100W/ch(8Ω、0.06%THD)
●実用最大出力(JEITA、1kHz、1ch駆動):150W/ch(8Ω、10%THD)
●内蔵パワーアンプ数:7ch
●接続端子:HDMI入力7系統(8K対応はHDMI1〜3)、HDMI出力1系統(8K対応)、デジタル音声入力2系統(同軸、光)、アナログ音声入力4系統(PHONO含む)、USB端子1系統、LAN端子1系統、フロントプリアウト、サブウーファープリアウト2系統、他
●シネマDSPプログラム数:17
●オブジェクトオーディオ対応:ドルビーアトモス、DTS:X
●Bluetooth再生対応コーデック(受信):SBC/AAC
●対応音声フォーマット(USB、サーバー):DSD 11.2MHz、Apple Lossless 96kHz/24ビット、WAV/AIFF 384kHz/32ビット(32bit-floatファイルは非対応)、FLAC 384kHz/24ビット、MP3/WMA/MPEG4-AAC 48kHz/24ビット
●ストリーミングサービス:インターネットラジオ、Spotify Connect、Amazon Music、Deezer HiFi対応
●消費電力:360W(待機時0.1W、HDMIコントロール/スタンバイスルー/ネットワークスタンバイOFF時)
●寸法/質量:W435×H171×D372mm(アンテナ収納時)/10.2kg

「RX-A2A」の溌剌としたマルチチャンネル音場に驚いた。
オーディオビジュアル入門層にとって、この春注目の逸品 …… 潮 晴男

 AVENTAGEシリーズの最新モデル「RX-A2A」の試作機を視聴するチャンスを得たので、そのインプレッションを紹介しておきたい。まず本機は、エントリークラスながら予想を遥かに上回るフレッシュなサウンドを聴かせてくれたことに、驚かされた。

 情家みえのCD『エトレーヌ』では、彼女の持ち味である情感の豊かな歌声を耳元に届けてくれるし、バッティストーニ指揮、東京フィルハーモニー管弦楽団の『モルダウ〜連作交響詩』も上質さを伴なったオーケストラ演奏が味わえる。S/Nが向上していることも手伝って、ホールトーンの鮮やかな再現に感心させられた。

 UHDブルーレイ『ムーラン』のドルビーアトモス再生でも、基本的な音の傾向は2ch再生時と変わらず、ヌケがよく、ダイナミクスに富んだ溌溂としたマルチチャンネルサウンドを描き出す。セリフの表現にも過不足はないし、効果音もしっかりと腰が据わっている。

 何かとコストの制約も多いこのクラスのAVセンターだが、これだけのドライブ力を備えていることは、ユーザーにとっても心強いポイントとなる。オーディオビジュアルの入門層にとって、この春注目の逸品である。