フォステクスカンパニーは、新開発のセルロース・ナノファイバ・コーティングHP形状振動板を採用したフルレンジ・スピーカーユニット「FE168SS-HP」と、リング形状アルミ合金振動板とアルニコ内磁型磁気回路を使用したホーン型スーパートゥイーター「T90A-SE」を、3月中旬に数量限定生産で販売する。

FE168SS-H ¥38,500(1台、税込)
T90A-S ¥44,000(1台、税込)

フルレンジユニット「FE168SS-HP」

 FE168SS-HPは、音響の基礎に徹した開発理念と独自の技術を駆使して新たに開発されたフルレンジ・スピーカーユニットだ。その主な特長は以下の通り。

●セルロース・ナノファイバ・コーティングHP形状振動板
 基層の表面にセルロース・ナノファイバーとマイカから成るコーティング層を形成しており、ヤング率、比曲げ剛性、音速を向上しながら、内部損失の低下を抑制する特徴を有している。この処理を施したHP(Hyperbolic Paraboloid)形状の振動板は、軽量ながら剛性の確保と共振の分散を実現したという。フルレンジらしい、反応が早く切れのいい低域、充実した中低域、明るく張りがある中域、自然な響きの中高域、充分に伸びた高域によって音楽を楽しむことができるユニットに仕上げられている。

●大型フェライト磁気回路
 磁気回路には大型フェライトマグネットを二枚使用し、充分な磁束密度を確保。ポール部に銅キャップを追加することで、電流歪みを低減し、力強い音楽再生と中高音域の音質向上を実現した。

●高剛性アルミダイキャストフレーム
 大型フェライト磁気回路を支え、不要共振を排除するために高剛性アルミダイキャストフレームを採用。

●優れた振幅応答性を持つUDRTダンパー/エッジ
 ダンパーとエッジには、UDRT(Up-Down Roll Tangential)形状を採用。多様な面で構成されているため全体の形状剛性が高く、共振を高い周波数へ移動、かつ特定の大きなピークが抑制され、スムーズな特性が得られている。

●ハトメレス構造
 振動板の上にハトメを打たず、ボイスコイルからティンセルワイヤーを引き出すダイレクトリードを採用し、振動系質量の軽減と振動の平準化を実現した。また、ダイレクトリードの引き出し位置は質量分布の対称性を考慮して180度位置からの回転方向引き出しとしている。

●ファストン205金メッキ端子
 入力端子にはファストン205タイプの低損失金メッキ端子を採用。スピーカーケーブルの確実な接合と音質劣化を防いでいる。

「FE168SS-HP」の主なスペック

●ユニット径:160mm
●インピーダンス:8Ω
●再生周波数帯域:54Hz〜25kHz
●出力音圧レベル:91dB/W/m
●寸法/質量:Φ190×D117.6mm/5.3kg

スーパートゥイーターの「T90A-SE」

 もうひとつのT90A-SEは、「T90A」に音質改良を加えた高性能ホーン型スーパートゥイーターで、リング形状アルミ合金振動板と低歪みアルニコ内磁型磁気回路を使用。高能率のバックロードホーン・スピーカーをはじめ、様々なスピーカーシステムにも対応する製品だ。その主な特長は以下の通り。

●リング形状アルミ合金振動板
 硬質アルミ合金をリング形状に成型した超軽量振動板を使用。トランジェントにも優れ、浸透力のある音を再現する。

●低歪みアルニコ内磁型磁気回路
 アルニコマグネットを使用し、小型ながら高い磁束密度を保有した。また、ポールピースの表面に銅メッキ処理することで電流歪を軽減させ高音質化を実現。

●非磁性ステンレス製円筒型ホーン/イコライザー
 非磁性ステンレスのホーンとイコライザーを搭載。アルミに比べ、ステンレスは比重が約3倍大きく硬度が約27.5倍も高いことにより、明瞭度が向上し、美しい響きが得られた。

●バナナプラグ対応金メッキターミナル&銅・銀合金線材
 入力端子にはバナナプラグ対応金メッキターミナルを採用。内部配線には1.4mmの極太の銅・銀合金単線を使用した。

「T90A-SE」の主なスペック

●インピーダンス:8Ω
●再生周波数帯域:5k〜35kHz(-20dB)
●出力音圧レベル:103dB/W/m
●クロスオーバー周波数:7kHz
●寸法/質量:Φ60×D98.5mm/1.2kg(端子部含む)