カシオ計算機は、モバイルに特化したビジネス用小型プロジェクターの新ライン「FORESIGHT VIEW」を立ち上げ、同ラインの新製品となる「CX-F1」「CX-E1」を発表。3月下旬より発売する。価格はオープン。

 CX-F1/E1は、2000ルーメンの明るさと、本体サイズはA5、質量は約1.1kgという、小型・軽量を実現したビジネス向けDLPプロジェクター。

 ビジネス向けプロジェクター市場は、同社の説明によると2019年よりその規模は縮小に転じているそうで、昨年はコロナ渦もありその減少傾向に拍車がかかったという。そこで同社では、持てる技術――レーザー+LED光源、防塵性能、光学設計などなど――を活かしつつ、新たな事業領域の拡大を図るべく、2つの指針を策定。一つは、今後拡大が予想されるAR分野へ向けた、プロジェクターエンジンのモジュール化=組込用途への対応、一つはコロナ渦でもその必要性が求められているコミュニケーション(=会議)領域へ向けた製品の開発となる。今回発表されたのは、後者のコミュニケーション領域向けに開発された、新たな指針に基づいた第一弾製品となるものだ。

 ペットネームの「FORESIGHT」とは、“先見の明”や“ひらめき”という意味があり、そこから転じて「新たな光を見つける」をコンセプトにした製品になるそうだ。

 小型化には、大きく3つの技術が貢献しているそうで、一つは同社が先鞭をつけた、小型化を実現する「レーザー+LED光源」。一つはコンピューターによる解析(=CAE)によって効果的な放熱を可能とする設計。そして、光源から投写までの光路(光学系)の小型化となる。中でも光学系の設計については、集光レンズやミラーといった基幹部品を一体化することで、奥行はわずか5cmという省スペースを実現し、最適な放熱設計(排熱路の効率化)とあわせ、本体の小型化に大きく貢献しているそうだ。

 使い勝手も考慮されており、映像入力にはHDMI端子を備え、端子を接続すると自動で電源オン。およそ5秒で映像表示が可能となる。また、オプションバッテリーも用意されており、訪社した際に電源を借りなくても、あるいは電源の取れない場所でも使えるようにしている。

 なお、F1は無線(Wi-Fi)接続による映像入力(専用アプリを接続機器にインストールする)と、内蔵スピーカーによる音声出力(音声出力端子も装備)への対応が、E1との差分。

CX-F1/CX-E1の主な仕様
表示素子:WXGA 0.65型DLPチップ、1,024,000画素(1280×800)
明るさ:2000ルーメン
台形補正:縦 自動+30°、手動+-30°/横 手動+-30°
焦点調整:手動フォーカス
投映レンズ:光学1.2倍ズーム(手動)
投映画面サイズ:30~300型
光源:レーザー&LED光源
色再現性:フルカラー(最大10億7千万色)
接続端子:
 【CX-F1】HDMI入力×1、USB Type-A×1(同梱無線LANアダプター専用)、micro-USB Type-B×1、音声出力×1(音声可変出力)
 【CX-E1】HDMI入力×1、micro-USB Type-B×1
スピーカー:【CX-F1】〇/【CX-E1】-
スピーカー出力:【CX-F1】1W(モノーラル)/【CX-E1】-
無線LAN対応:【CX-F1】IEEE 802.11 b/g/n(2.4GHz)/【CX-E1】-
電源:ACアダプター(AC100V、50/60Hz)
寸法:W215×H43×D152mm
質量:約1.1kg
オプション:専用バッテリー(YA-B10)、ワイヤレスリモコン(YT-161)、ソフトインナーケース(YB-3)