KEFジャパンから、サブウーファーの新製品「KC62」が発表された。価格は¥170,000(税別)で、2月上旬の発売予定。本来仕上げはホワイトとブラックが準備されている。

本体サイズはサッカーボール(5号)より少し大きいくらいだ

 KC62は、先日発表された新技術「Uni-Coreテクノロジー」を搭載した第一弾となる。前回の記事でも紹介した通り、Uni-Coreテクノロジーを採用したドライバーでは、ふたつのユニットが背中合わせに組み合わされている。これによりユニット同士の余分な振動を打ち消して出力を増強し、キャビネット内の振動も抑制している。

 こうすることで、より小さなスペースで迫力ある低音再生が可能になるわけで、従来の同社「KF92」や「REFERENCE 8b」に搭載されている「フォース・キャンセリング機能」と同様の効果が期待できるそうだ。

 実際KC62は、16cmウーファーを2機(先述のUni-Coreドライバー)搭載しながら、W256×H246×D248mmというひじょうにコンパクトなサイズを実現している。これは公式サッカーボール(5号)と同じくらいの大きさで、これならリビングシアターでも置き場所に困ることはないだろう。

Uni-Coreドライバー

 またそのウーファーには、同社が開発したP-Flex(折り紙)エッジが採用されている。これはエッジ部分をプリーツ構造とすることでストロークに余裕を持ち、キャビネット内の空気圧を適正にコントロールできるようになるものだ。

 再生周波数は11Hz〜200Hzで、さらにウーファーのボイスコイル部分にジャイロセンサーと高密度集音マイクを内蔵し、ボイスコイル内の電流を瞬時、正確に測定。その値を入力信号と比較して補正を行うアクティブ・ディストーション・コントロール・テクノロジーを搭載することで、全高調波歪を75%減少させているという。

 キャビネットはアルミ製で、コーナー部が丸みを帯びた可愛らしいデザインを採用している。背面端子も充実しており、RCAステレオ入出力やスピーカーケーブル(付属のコネクターを使用)での接続が可能だ。

下段右から2番目がRCA入力端子で、その左隣がスピーカーケーブル用コネクターの取り付け部。再生モードの切り替えは上段右から4番目のスイッチで可能

 再生時の便利機能として5つの再生モードも準備されている。本体の周りに比較的空間がある場合は「ROOM」、壁際に置くなら「WALL」、部屋の隅の場合は「CORNER」、ラック内に設置するなら「CABINET」を選べばいい。もうひとつの「APARTMENT」は、集合住宅で上や下の部屋に低音が響かないようなモードとなる。

 各モードともほぼ同様の再生カーブを使っているが、80〜90Hzから下では再生レベルを抑えており、標準モードのROOMとCABINETでは7.5dBほどの違いがあるそうだ。APARTMENTは独自の補正カーブで、CABINETよりもさらに低音のレベルを下げている。

左から「REFERENCE 8b」「KF92」「KC62」。KC62のコンパクトさがよくわかる

「KC62」の主なスペック

●使用ユニット:16cmウーファー×2、Uni-Coreドライバー
●再生周波数帯域:11Hz〜200Hz(-3dB)
●クロスオーバー周波数:40Hz〜140Hz可変
●内蔵アンプ:500W×2(デジタルアンプ)
●接続端子:RCA入力×1、RCA出力×1、スピーカー端子、他
●寸法/質量:W256×H246×D248mm/14kg