KEFジャパンは、同社サイトでスピーカーに関する新技術「Uni-Coreテクノロジー」を発表した。

 KEFは昨年、トゥイーターの音質を改善する独自技術「Metamaterial Absorption Technology」(MAT)を発表、新製品の「LS50 Meta」に搭載して注目を集めた。今回のUni-Coreテクノロジーはそれに続くもので、低域再現、特にサブウーファーへの搭載を狙ったもののようだ。

 サイトに掲載されたUni-Coreテクノロジーを採用したユニットの画像を見ると、背中合わせにふたつのスピーカーユニットを組み合わせている。こうすることでユニット同士の余分な振動を打ち消してドライバーの出力を増強し、さらにキャビネット内の振動抑制も可能にしているわけだ。

 とはいえこれだけなら「フォース・キャンセリング機能」として既に同社のサブウーファー「REFERENCE 8b」や「KF92」に採用されているし、他社製品でも同様な方式が搭載されている。しかしこの形でユニットを配置するにはふたつのユニットの間にも空間が必要で、ある程度のエンクロージャーサイズが求められる。Uni-Coreテクノロジーはそれを解決する手法として開発された(現在特許申請中)。

 先述の通りUni-Coreドライバーは背中合わせのユニットが中央でつながっており、ひとつのマグネットをふたつのドライバーで共有している形となる。同心円状に配置されふたつのドライバーのボイスコイルは、サイズが異なっているのでそれぞれの動きを邪魔することもない。

 ただ、ボイスコイルのサイズが違うと背中あわせにしたユニット(振動板)ごとの動きが異なってしまい、再生音に影響が出てくる可能性はある。その点については、巻き線を含めたボイスコイル可動部の質量を揃えることで対応しているようだ。

 この構造により、よりコンパクトなサイズでふたつのウーファーユニットを配置することに成功し、結果としてパフォーマンスに妥協すること無く、より小型なキャビネット内にフォースキャンセリングドライバーを収めることが可能になったという。

 同サイトには、このUni-Coreテクノロジーを搭載した新製品が間もなく発売予定とも書かれている。どんなモデルが登場するのか、期待して待ちたい。