「HiViベストバイ」1位の座に君臨
HiViベストバイの完全ワイヤレス部門で1位の座に君臨しているノーブルオーディオのファルコンに後継モデルが登場した。ファルコン2は、ドライバーユニットは従来と同じDLC(ダブル・レイヤード・カーボン)ドライバーだが、そこにクアルコム製の新しいシステムチップ「QCC3040」を組み合わせた。これにより、再生周波数帯域が拡大。同社のジョン・モールトン氏がチューニングを行なうことでさらに上質な音質に仕上がった。
音質だけでなく、使い勝手も大幅に向上している。装着したまま周囲の音が聞こえるヒアスルー機能を新採用。ブルートゥース5.2対応で、ケースから取り出すだけで接続できるオートペアリングが可能になったほか、対応するアンドロイド端末と組み合わせて使うことで、最新コーデックの「aptX Adaptive」にも対応するなど、最新鋭の機能を持つ。IPX7対応の防水設計も従来通りだ。また、アンテナの設計も改善され、従来の2倍の電波強度を実現。優れた接続安定性を確保している。
そのほか、充電ケースはやや大柄になり、そのぶん、大きめのイヤーピースに交換しても収納できるようになっている。さらにワイヤレス充電にも対応するなど、至れり尽くせりの充実ぶりだ。
充実した声の表現力はワイヤレスとは思えない実力
肝心の音質はどうか。アステル&ケルンのSP1000とapt X接続で試聴を行ったが、高音域の再現性の向上が印象的。音場の広がりはスカッとヌケのよいものになっているし、ヴァイオリンの艶やかな音色を瑞々しく鳴らす。微小音の再現性も豊かで空間感がよく出る。
低音域は高域ほどではないが質感が向上しており、ややタイトだが明瞭でキレがよい。各帯域のバランスもより整えられた印象で、より質感の高いスムーズな音に仕上がっている。
特筆したいのはヴォーカル。お気に入りの『GUNDAM SONG COVERS 2/森口博子』から「月の繭」を聴くと、歌声の質感やニュアンスの表現がかなり豊かになっているとわかる。サビ部分でコブシを回した歌唱も情感たっぷりだし、かすかな吐息や高音の伸びも実にスムーズ。充実した声の表現力はワイヤレスとは思えない実力だ。