矢継ぎ早に市場投入される完全(トゥルー)ワイヤレスイヤホン。価格も数千円から数万円までと幅広いが、その大半はハウジング本体にアンテナやレシーバーを内蔵したものだ。そうしたモデルと比較した時、このシュアAONIC(エオニック)215のデザインは少々特異に映るかもしれない。

 本機は人気モデルSE215をトゥルーワイヤレス仕様にしたものと理解してよい。私が注目したのは、トゥルーワイヤレスを実現しながら外れにくい(落ちにくい)形状を提案したことで、しかもそれが伝統の耳掛け、いわゆる“シュア掛け”のスタイルを踏襲しているのがユニークだ。この耳に引っ掛ける後ろ部分にアンプやアンテナが仕込まれているのである。同社からは既にワイヤレスイヤホンケーブルBT2が発売されているが、さらに徹底してシンプルな構造とし、しかも煩わしくない形状になっているのがこのAONICなのだ。

 もうひとつの本機のセールスポイントは、コネクター部にMMCXを採用していること。つまり同規格に準拠した同社製/他社製イヤホンを、本機の通信部を使って簡単にワイヤレス化できるのが画期的だ。簡単な操作で外部音を取り込むアンビエント機能も備えている。

 付属のキャリングケースは充電器も兼ねた平たい丸型で、3回の追加フル充電に対応。1回当たり最大8時間の連続再生というタフネスぶりで、合計で最大32時間の連続使用が可能だ(フル充電の所要時間は約2時間)。

 耳に掛ける装着感はなかなか快適で、外れにくい安心感もある。サウンドはワイドレンジかつフラットな周波数レスポンスで、ひじょうに良好なバランス。中低域の密度が濃く、躍動するリズムがグイグイと迫り出して来る感じは、SE215のイメージそのものだ。

 骨格の確かな、あのがっちりとしたサウンドがトゥルーワイヤレスで楽しめるということから、多くの支持を得るであろうし、他社のMMCX対応機ユーザーにも好感をもって迎えられることだろう。aptX対応も嬉しいが、ハイスペックな転送方式につき、混雑した場所やターミナル駅などでは音が途切れやすいことは認識しておきたい。

WIRELESS EARPHONE
SHURE
AONIC 215 True Wireless
オープン価格(実勢価格2万7,600円前後)

●使用ユニット:6.2mm径ダイナミック型
●再生周波数帯域:21Hz~17.5kHz
●対応コーデック:SBC、AAC、aptX
●寸法/質量:全長約7.4cm/10.4g
●問合せ先:シュア・ジャパン株式会社( https://www.shure.com/ja-JP )

この「RMCE-TW1」がワイヤレス接続の要。他のシュア製品はもちろん、MMCX端子であれば他社の製品でも使用可能だ。価格はオープン(実勢価格¥22,000円前後)

ファスナーで開閉するポーチタイプのケース兼充電器が付属する。イヤホンは1度に8時間の再生ができ、ケース併用で最大32時間使用可能となる

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