ヤマハから先月末に発売された新型完全ワイヤレスイヤホン「TW-E3B」(オープン価格 実勢¥10,000前後)。昨年12月に同社初の完全ワイヤレスモデルとして発売された「TW-E3A」の後継機として、ボディ形状を一新して登場した最新機種だ。

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 基本的なフィーチャーは上の記事に詳しいが、改めて紹介すると、装着性を高めるために本体サイズを約25%ダウンサイジングしたのが特徴となる。写真を見て分か通り、新型となるE3BはE3Aと比べて、一回り小さくなっている。

左が前モデル「TW-E3A」。右が新製品の「TW-E3B」。

前モデル「TW-E3A」に比べて「TW-E3B」はかなり小型化されていることが分かる

 昨年11月に行なわれた会見では、製品のターゲットを、2000年前後に生まれたミレニアル世代としていたので、今回の小型化によって女性層の掘り起こしにも大きく貢献してくれるのではないだろうか。カラーバリエーションもピンクや紫、ブルー(スモーキーブルー)など6色をラインナップしており、おしゃれアイテムとしても耳元で映えるデザインとなっている。

 ヤマハのオリジナル機能であるリスニングケアにも、もちろん対応している。これは、音量によって人が聴く音のバランスが変わるのを補正=最適化してくれるもの。特に小さい音で聴いているときの低域の再現性をアップしてくれるので、音量を上げなくてもバランスのとれたサウンドが楽しめるようになる、という優れものだ。

リスニングケアのイメージ。図のように帯域のバランスを取ることで、聴きやすい音にしてくれる

 さてここでは、TW-E3Bの音質について、そのインプレッションを簡潔に紹介したい。まずは、リスニングケアON(デフォルトでON)の状態で、いろいろなコンテンツを再生してみるが、リスニングケア機能が働いていることもあって、やや低域部分が強調されるきらいもある。ただしボーカルと演奏(伴奏)のなじみはいい。

 そのまま音量を絞っていき、ボーカルが聴き取れるぐらい(10段階の1か2ぐらい)にしても、低域部分の音ははっきりと存在感を発揮しながらも、ボーカルもきっちりと再現されている。試しにリスニングケアをオフにしてみると、すぅ~っと低域が薄く(小さく)なる。ボーカル帯域も少し音量感は下がったような印象を受けるが、きちんと歌詞の一音一音は聴き取れるので、中域部分への効果(影響)は少ないようだ。

 そのまましばらく、オン/オフを繰り返しながら聴いてみたが、やはりオンにすると小音量時でもバランスの取れたサウンドが楽しめ、効果は高い(ただし、音のディテイルの再現性は、若干影響を受ける)。

専用アプリでは、リスニングケアのオンオフとオートパワーオフの時間設定が行なえる

 昨年の発表会に登壇した、セーフリスニング事務局の須山氏のコメントにもあったが、大音量で音楽を長時間聴き続けることの影響は、20~30年後に出てくるそうなので、本リスニングケア機能を使うことで、耳への負担を減らすことができる(音量を上げなくても、量感のあるサウンドが楽しめる)のは、イヤホンユーザーにとっても朗報となるのではないだろうか。

 ちなみに、本体の初期化と初回ペアリングの操作性については、ヤマハは完全ワイヤレスイヤホンのジャンルでは後発にあたることもあり、かなり独特となっている(ゲームの隠しコマンドのよう)。