ディナウディオから、新製品スピーカー「Heritage Special」が発表された。¥1,023,000(ペア、税込)で2021年初めの発売予定。全世界2,500ペアの限定モデルだ。

 同社のスピーカーには、斬新なデザインで賞賛を浴びた「Facette」を始め、ベストセラーモデルの「Contour1.3SE」、25周年記念モデル「Special Twenty-Five」など、記憶に残るモデルが数多くある。

 そうした数々の遺産に対するトリビュートとして、 ディナウディオではひとつのプロジェクトを暖めてきた。その開発はトップシークレットとして進められていたが、今回のHeritage Specialこそまさにその製品というわけだ。

 2ウェイ2スピーカーで、往年のスタイルを蘇らせたクラシックなデザインの中に、最新・最高の技術がそそぎ込まれている。外観の木目まで揃えた左右完全なペアとして、スカンデルボルグの本社工場で熟練の職人が仕上げている。

 Heritage Specialの主な特長は以下の通り。

●トゥイーター本体にはConfidenceシリーズで開発された「Esotar3」を搭載。特殊コーディングを施したファブリックドームの背後にはインナードーム「Helix」を装備し、背圧を制御するとともに内部のエアフローを最適化している。マグネットにはネオジウムを採用する。

●18cmウーファーには「18W75L」を搭載。指数曲線状にカーブしたエクスポネンシャルコーンは、生産終了となった「Evidence Platinum」と同一素材だ。磁気回路を含む駆動部は大幅に改良され、アルミ製ボイスコイルを巻くボビンにはグラスファイバーが使われている。マグネットはネオジウムとフェライトのハイブリッド型とし、2次高調波を低減して解像度を向上させた。非対称形のノーメックススパイダーを採用し、ロングスロー・ボイスコイルの振幅を拡大している。

●クロスオーバー・ネットワークは、いちから新設計された。スロープは同社伝統の1次6dB/octとし、ムンドルフ製パーツや独自の高品質パーツで形成されている。ネットワークにはユニット間のつながりを滑らかにするためタイムアライメント処理を施し、ローカル・インピーダンス補正も加えた。内部配線には12AWGのヴァン・デン・ハル製「CS12」とスゥエーデン製ダンピング材、端子部にはWBT社製「710 Cu mC NextGen」が奢られている。

●キャビネットは19mm厚のMDF製で、耐久性に富んだアメリカン・ウォールナットの突板で仕上げられている。内部には堅牢なブレージングを施し、不要共振を極力排除した。外装の突板は細部にいたるまでペア・マッチングが取られ、3日間に及ぶ慎重な研磨と塗装を経て完成されている。

●Heritage Specialには、リアパネルのアルミ製プレートにペア・ナンバーが刻印される。

 なお、現在はデンマークの工場の生産ラインにおいても新型コロナ感染拡大防止策から生産への影響が出ているそうだ。そのため当面は製品の入庫ごとにオーダーを受け付ける予定という。

Heritage Specialの主なスペック

●型式:2ウェイ2スピーカー、バスレフ型
●使用ユニット:28mmドーム型トゥイーター、180mm MSPコーン型ウーファー
●感度:85dB/2.83V/m
●インピーダンス:4Ω
●再生周波数帯域:42HZ〜23kHz
●クロスオーバー周波数:2200Hz
●寸法/質量:W208×H385×D320mm(本体)/11kg