日本発のオーディオブランドAVIOT(アビオット)から発売された完全ワイヤレスイヤホン「TE-D01g」。登場は2019年の初夏と、少し前の話になるが、その後D01gをブラッシュアップした「TE-D01g mk II」や、そのコンパクトさをより一層推し進めたミニマルモデル「TE-D01gv」、あるいはD01gvをベースにアーティストとコラボレーションを行なったモデルなどなど、様々な派生モデルが登場してきており、同ブランドの中でも人気の製品となっている。

充電ケースは横開きという珍しいタイプ

 スペックを見ても、6mm径のダイナミックドライバーを搭載し、BluetoothコーデックはaptXをサポート。小型サイズでありながらバッテリーの駆動時間は約10時間(イヤホン単体)というロングライフを実現している。さらに、こうした必要充分な仕様を満たしながら、価格面でも現在では実勢¥7,200前後というハイコストパフォーマンスを達成。

 ちなみに、同ブランドの型番には法則があって、D01gの場合、Dは搭載ドライバーがダイナミック型、01はドライバー1基、商品ラインナップはaから始まっているそうなのでg=7番目のモデル、という意味となる。3ドライバーを搭載した人気モデル「TE-BD21j」の場合は、バランスド・アーマチュア型2基、ダイナミック型1基という、3ドライバー搭載の、通算10番目のモデル、ということになる。

 ここでは、先月アナウンスされたD01シリーズの最新モデル「TE-D01m」(11月中旬発売予定)の予習として、その源流となるTE-D01gのインプレッションをお届けしたい。

 ケースもコンパクトなら、イヤホン本体もかなり小型にまとめられている。デザインが似た製品はいくつかあるが、このデザインの製品の特長でもある音質のよさ、という美点はもちろん継承している。ケースから取り出すと、「電源on」というガイダンスが流れてくるが、日本ブランドだけあってきっちり日本語で聞けるのは好ましい。ペアリング完了のガイダンスも日本語だ。

 さてその音質は、低域から高域までバランスの取れたもので、特に音場感の広さや余韻豊かな美しい響きが印象的。どの製品も、AVIOTの開発陣が日本人向けにチューニングを行なっているそうで、特定の周波数・帯域が強調されることもなく、全体域に渡ってフラットなサウンドに整えられている。そこに、音の消え際を感じられるような豊潤な響きを味わえる味付けとなっており、音楽性に溢れる再現性が楽しめた。

 大人数で歌っている楽曲では賑やかさが感じられ、低域が豊かな楽曲では量感のある低音が楽しめるなど、コンテンツの特徴をよくつかんだサウンドが表現されている。

 さて、今月登場予定の新製品TE-D01mでは、Bluetoothチップにクアルコムの「QCC3040」が搭載され、aptX Adaptiveに対応したほか、近年の流行りでもあるアクティブノイズキャンセル(ANC)機能も搭載するなど、仕様・魅力はより高めてられている。価格は若干アップの¥12,500(税別)となるが、それに見合うだけの性能を提供してくれるだろう。TE-D01mについては、サンプルが入手出来次第、そのインプレッションをお届けしたい。