去る10月3日に配信サービスのU-NEXTで松田聖子さんのライブ『40th Anniversary Seiko Matsuda 2020 "Romantic Studio Live"』が配信された。デビュー40周年にして初のライブ配信とのことで、ファンの間でも大きな話題を集めていた。そんな快挙をオーディオビジュアル界きっての聖子ちゃんファン、麻倉さんが見逃すはずはない。ご自宅のシアターで至福の時間を過ごしたという(そのインプレッションはコラムを参照)。そんな高品質ライブ配信はどのようにして実現したのか、麻倉さんのシアターにU-NEXTの担当者をお招きして、詳細をインタビューした。(編集部)

麻倉 松田聖子さん初のライブ配信『40th Anniversary Seiko Matsuda 2020 "Romantic Studio Live"』をとても楽しく拝見しました。

 今回のライブ配信は、コロナ禍で延期になってしまったコンサート再開を望むファンの声に応えたものとのことですが、オーディオビジュアルファンとしては「史上最高峰の画質・音質」を謳っていたことも注目でした。今日はその点についてお話をうかがいたいと思い、皆さんにおいでいただきました。

本多 U-NEXT COOの本多です。今日は麻倉さんのシアタールームにお招きいただき光栄です。このスクリーンと音でライブ配信をご覧いただけたと知ったら、きっと聖子さんも喜んでくれるでしょう。

柿元 事業企画担当部長の柿元です。今回のコンテンツについては、弊社独占ということもあって「PREMIUM LIVE EXPERIENCE」として配信しました。これは1080pの映像解像度と、448kbpsの音声ビットレートの品質でお届けするというものです。

麻倉 その「PREMIUM LIVE EXPERIENCE」であるということが、「史上最高峰」という意味だったのですね。

ルートン リモートで失礼します。U-NEXT CTOのRutong(ルートン)です。その点について私からご回答いたします。

 コロナ禍の影響もあり、配信ライブが爆発的に増えてきました。しかしそれらの多くはライブを観られればいいという発想で、画質・音質にはほとんど配慮されていません。

 個人のYouTubeならそれでいいかもしれませんが、今回の聖子さんのようなコンテンツの場合、きちんとした画質・音質でお届けしないと内容的にももったいないし、アーティストやファンにも失礼だと考えました。お客さんからも代金をいただくわけですから、皆さんがご自宅に持っている視聴環境のパフォーマンスを最大に引き出して、最高の品質で届けたいと思ったのです。

麻倉 それは嬉しいお言葉です。つまり、これまでの同様な音楽ライブ配信よりも遙かに高品質だったと考えていいのでしょうか?

ルートン 今回の配信では、画質・音質で地上デジタル放送を超えたい、目標としてはBSプライムのクォリティを再現したいと思ったのです。

 地デジは解像度が水平1440×垂直1080で、転送レートが14〜16MbpsのMPEG2圧縮です。弊社はH.264を使っていますので、理論的には半分のビットレートで同じ画質が実現できます。今回は10Mbps前後で配信しましたので、地デジは超えていると考えています。

麻倉さんのシアタールームでは、アマゾン「fire tv cube」 を使って配信コンテンツを楽しんでいるとのこと

麻倉 音声は448kbpsのAACですが、これも配信コンテンツとしては高いです。

ルートン おっしゃる通りです。AACのビットレートは、技術的にはもっと上げることも可能なのですが、むやみに高くするとユーザー側で再生できないデバイスがでてきてしまいます。

麻倉 送り手の思いとしては、映像であれ音声であれもっともっと高いビットレートを使いたいのだけど、世の中にはそれが再生できない機器もあるので、現実的には難しい。ちょっと残念ですね。

ルートン 今回は10Mbpsの転送レートをターゲットにしていますが、将来はハイビジョン映像とロスレス音声での配信を実現したいと考えています。FLACなどを使って、48kHz以上の音を届けたいですね。

麻倉 そうなってくると、配信コンテンツでもっともっと感動できるようになりますね。さて今回の10Mbpsと448kbpsという値はどうやって決められたのでしょう?

ルートン 実証実験を行い、ユーザーのデバイスデータも集めて分析しました。当初は12Mbpsをターゲットにしていたのですが、一部のユーザーの機器が対応しきれなかったので、10Mbpsに落ち着きました。この数値であればまず問題はないという判断です。

麻倉 そのビットレート、技術的なアドバンテージを活かすためにはマスターの品質も重要です。U-NEXTさんではマスターについてはどのようにお考えなのでしょう?

ルートン 弊社はマスター素材を納品してもらう場合にも、かなり厳しいルールを権利元さんに要求しています。マスターデータのビットレートをチェックしたり、ファイル納品の場合はProRes(Appleがポストプロダクション向けに開発したコーデック)にするなど、他社よりも厳しい基準をお願いしているのです。

 先ほどお話しした通り、弊社は10Mbpsで配信しますが、マスターは絶対それ以上のデータ量を持った素材を提供してもらっています。これは、元がしっかりしていれば10Mbpsで配信してもクォリティは担保できるという発想です。

麻倉 以前、別の配信サービスを取材した時に、日本では放送局向けが中心なので、ハリウッド作品なども1080iのマスターが提供されることが多いと聞きました。

ルートン インターレースの素材は悩ましいですね。コンテンツの中には撮影時から1080iで撮られたものもありますが、まずはプログレッシブの素材を提供してもらえるようお願いしています。社内ではネイティブフレームレートという言葉を使っていますが、撮影したフレームレートを変えることなくユーザーに届けたいからです。

「fire tv cube」のHDMI出力をAVセンターにつないであり、145インチスクリーンとサラウンド環境で再生可能

麻倉 音のマスターはどんな基準なのでしょう?

ルートン 音はリニアPCMで納品していただいています。弊社はまだハイレゾ配信はできていませんので48kHz/24ビットの素材が中心ですが、将来的にはハイレゾマスターをお願いしたいと思っています。

麻倉 これまでの配信は、パッケージに比べて映像も音も今ひとつでした。なぜU-NEXTさんはそこまでクォリティにこだわるのですか?

ルートン 私は配信を一番にしたいのです。パッケージなどのフィジカルメディアや放送よりもいいクォリティにしたい! そういう思いもありますので、限界まで攻めたいと考えています。

麻倉 素晴らしい発想です。StereoSound ONLINE読者もきっと応援してくれますよ。

本多 U-NEXTは新しいサービスのように考えられていますが、実は2007年からスタートしており、当時はSTB(セットトップボックス)をテレビにつないでご視聴いただいていました。他の配信サービスはPCやスマホ向けから出て来たところが多いのですが、弊社は再生デバイスとして、最初からテレビをターゲットにしており、常に最高品質を目指してきたのです。

麻倉 さて、今回の松田聖子さんのライブではどんなマスターが使われたのですか?

ルートン 映像は200MbpsのフルHD/24p素材、音は96kHz/32ビットのリニアPCMです。

麻倉 映像ビットレートが200Mbpsというのは凄く高いですね。

ルートン 撮影素材をほぼ非圧縮の状態で受け取り、リアルタイム圧縮で配信しました。今回はスタジオライブで、暗くなると若干ノイズが出てしまったのですが、見方によってはフィルムグレインっぽく感じてもらえたかもしれません。

麻倉 200Mbpsから10Mbpsということは20分の1まで圧縮するわけですが、どんな点に注意したのでしょうか?

ルートン ユーザーに届くまでの変換回数を最小限にしようというのが弊社の方針ですので、今回も1回しか圧縮をかけていません。そこでは、エンコーダーの質がとにかく重要です。

 リアルタイム処理ではハードウェアエンコーダーを使うことが多いのですが、画質面ではソフトウェアエンコーダーの方が有利です。なぜならソフトウェアエンコーダーは複雑な処理内容まで盛り込めるからで、弊社は基本的にソフトウェアエンコーダーを使っています。

麻倉 映像圧縮については、リアルタイム圧縮よりも、時間をかけてソフトウェアエンコーダーで処理した方が画質はいいと聞きます。

ルートン その通りなのですが、今回のようなライブ配信ではリアルタイム性が求められます。弊社ではCPUやメモリーを潤沢に用意して、マシンパワーを上げることで、ソフトウェアエンコーダーであっても、リアルタイム処理を可能にしています。

松田聖子さんへの愛を語る3名

麻倉 さて今回は松田聖子さんという素晴らしい素材があったわけですが、今後のライブ配信の予定は決まっているのでしょうか?

本多 「PREMIUM LIVE EXPERIENCE」での配信はなかなか難しいですね。今回は独占配信でしたので聖子さんサイドのご協力もあり、10Mbpsや448kpsといった高ビットレートを実現できましたが、複数の配信サービスで配信する場合は低いレートを指定されることもあります。

麻倉 なるほど。「PREMIUM LIVE EXPERIENCE」はそう簡単には増やせないのですね。

本多 もう少しコンスタントに配信できるといいんですが……。ただ、僕も柿元も“技術にこだわったU-NEXT”というスタイルを大切にしていますので、そこはこだわりたいと思っています。

麻倉 今回の松田聖子さんのライブは、いいタイミングでいい素材があったのですね。

本多 とてもラッキーでした。実は聖子さんもU-NEXTの会員だったそうで、U-NEXTの技術へのこだわりもご理解いただけていました。それもあって、聖子さんサイドからもかなり協力をいただくことができました。

麻倉 聖子さんがそこまで画質・音質に気を遣ってくれたというのは、ファンにとっても嬉しいことです。

柿元 ここまで配信先のお客様を見越したクォリティに理解を示していただけるアーティストさんは少ないですね。

本多 もともとご自分のアルバムをプロデュースされたりと品質へのこだわりはお持ちの方ですが、今回は初めての配信ライブでわからないことも多いので、企画段階から参加したいと言っていただけました。

麻倉 聖子さんにとっても新しい可能性を感じられたのでしょう。そこで最高品質の配信にしようと協力してくれるあたりも凄いですね。

本多 われわれの想いもすべて理解していただきました。当日の映像や音声の収録方法まで含めて、すべてに渡って協力していただきました。

 聖子さんがライブの前にラジオに出演していた時に、「無観客ライブは寂しくないですか?」という質問がありました。そこで聖子さんは「画面越しですが、1対1にこだわっています。だから"Romantic Studio Live"と名付けました」と話していました。これは品質にこだわったからこそ言えることですよね。

U-NEXT CTOのRutong(ルートン)さん。今回はリモートで参加していただいた

麻倉 ちなみに今回のライブ配信では、サーバートラブルはなかったのでしょうか?

柿元 「PREMIUM LIVE EXPERIENCE」は最低でも30万同時接続に耐えられるようにシステムを設計しています。これはひとつのライブではなく、色々なコンテンツに対しても、30万人まで問題なく接続していただけるという意味です。ですので、聖子さんのライブでも問題はありませんでした。将来的には30万では足りなくなる可能性はありますが、その時にはサーバーも進化させていますので、問題ないでしょう。

麻倉 それは凄い。もし聖子さんのライブでフリーズしたという方がいたら、自宅の通信環境を見直して観た方がいいかもしれませんね。

本多 今年の6月25日に初めて有料のライブ配信を行ったのですが、その時からこの体制を作っていました。

柿元 弊社はすべてのコンテンツで、最高級の品質を目指しています。ハリウッド映画であれ音楽ライブであれ、アニメーションであれ同じです。技術で解決できることは対応していきたいと考えています。

麻倉 最後に、U-NEXTさんが今後の配信でどんな展開を考えているかお聞かせ下さい。

ルートン ふたつの方向で進んでいきたいと考えています。ひとつは画質や音質にこだわっている方々に向けて、ハイレゾや4K/HDRといったより高品質のコンテンツをお届けします。

本多 弊社は、パラマウント映画の4K都度課金配信(TVOD)について、日本の配信事業者として初めて包括契約を取り付けました。4K/HDRでドルビービジョンも含めた内容ですので、今後はそこを拡充していきます。

麻倉 U-NEXTさんはドルビービジョンでの配信も始まっているのですか?

本多 はい、既に配信しております。ドルビービジョンもアトモスも、順次作品数を拡大していきます。映画だけでなく、U-NEXTオリジナル第一弾として『アレックス・ライダー』という海外ドラマを発表しております。こちらはSONY PICTURES ENTERTAINMENTさんと企画の段階からタッグを組んでおり、4K/HDRで配信しています。

ルートン もうひとつは、VRやイマーシブの展開です。こちらは質という点ではまだまだですが、他社ではできない体験をお届けしたいと思います。

 品質を追求する方向と、より幅広くエンタテインメントできる臨場感体験という方向を見据えています。配信はフォーマットの自由度も高いので、再生機器の買い替えをしなくても新しいサービスを楽しんでいただけます。そういった展開を目指していきます。

麻倉 私はデビュー当時から松田聖子さんのファンです。その意味では聖子さんのライブから配信の新しい時代が始まるのはとても嬉しく思っています。

 今後は、家庭での映像・音楽鑑賞は配信が中心になっていくのは間違いありません。その際に、品質にどうこだわっていくかについてはフロントランナーが必要です。配信の最高品質を実現して、他のサービスもここを目指すべきだと言えるような存在にU-NEXTさんにはなっていただきたいと思います。U-NEXTはいい絵、いい音を届けてくれるプラットフォームだという認識が広がっていくと素晴らしいですね。

本多 ありがとうございます。われわれも頑張ります。

インタビューにご協力いただいた、U-NEXT COOの本多利彦さん(左)と事業企画担当部長の柿元祟利さん(右)。おふたりともホームシアターに感心をお持ちとかで、麻倉邸の絵と音に感動している様子でした

145インチの大画面と本格オーディオで感動できる絵と音を、配信ライブが届けてくれた。
コンサートビジネスそのものを変える可能性をしかと感じた …… 麻倉怜士

 今回は、私の40年来のアイドル、松田聖子さん初のライブ配信とのことで、最高の視聴環境を整えました。再生デバイスにはアマゾン「fire TV cube」を使い、ネットワークには有線接続しました。

 そのHDMI出力をマランツのAVセンター「AV8805」につないで、映像はJVCのプロジェクター「DLA-Z1」で145インチに投写、2ch(チャンネル)の音はJBLのスピーカー「K2 S9800」で鳴らしています。

 145インチの大画面で配信ライブを観るというケースはまだ少ないと思います。しかし、今回の松田聖子さんのライブはその環境でも素晴らしかった!

 今回の配信は1080/24p映像と448kbpsの2ch音声ですが、もとの素材クォリティが高いので、DLA-Z1で4Kアップコンバートしてもキメの細かい、グラデーションも綺麗な映像が楽しめました。

 また音も素晴らしかった。6人編成のバンドでしたが、ひとつひとつの楽器がとても明瞭で、特にキーボードも華麗な演奏が聴けました。聖子さんの声もたいへんクリアーに、よく通っていた。

 録音スタジオでのライブだったので、基本的な音響も確保されているし、演奏はもちろんミキシングもよかった。本当に満足できるライブでしたね。配信でこれほどのクォリティが実現できるのなら、ポップスだけでなくクラシックなどの他ジャンルでも充分楽しめると思いました。

 聖子さんはデビュー40年ということで、当時のレコードでは声がもっとハイトーンでした。これは当然のことですが、当時の曲を今歌っているものを聴くとやはり違和感を覚えます。声が高い方が曲も華やかに聴こえるからです。

 しかし聖子さんが凄いのは、今の歌唱では長年の歌手生活で培った表現力が付いていて、歌と詩で作品世界に引き込まれてしまうことです。ディープに物語を紡ぐ力が付いてきているのでしょう。

 ではここから、具体的なインプレッションを紹介しましょう。

 1曲目は「小麦色のマーメイド」です。ここでは映像のコントラストのよさが魅力的でした。配信はビットレートが限られているので、どこかで情報を削らなくてはいけません。コントラストは最初に犠牲になりやすいのですが、今回はしっかり黒も沈んでいて、中間色もきちんと再現出来ていました。スタジオなのでピークはほとんどありませんが、安定した黒をベースにした階調の細やかさがよく出ていました。

 2曲目の「瞳はダイアモンド」は、すべての曲の中でもっとも聖子さんらしい作品だと思います。感心したのはイントロの音の刻みがテンポよく、だれていないこと。圧縮しすぎるとこういった部分の音が薄くなって甘い印象になりますが、今回はそんなこともなかった。またこの曲はベースが活躍しますが、その音階感もしっかりと出ていたし、低域までたっぷり伸びていました。シンセサイザーの演奏のうまさも、音からしっかり伝わってきます。

 3曲目「セイシェルの夕陽〜40th Anniversary」は、光の演出がよかった。ブルーの照明から始まって、徐々に赤いライトの夕陽のイメージに変化します。赤いライトで輝度が低いとノイズが目につきやすいのですが、今回はクリーンで、階調もちゃんと再現されていました。

 5曲目は「瑠璃色の地球2020」です。オリジナルは1986年の環境問題を扱った曲で、とてもメッセージ性のあるものです。それを今の時代に歌い直しているのですが、改めて聴くとやはり地球というかけがえのないものを大切にしなくてはいけないんだと実感します。このあたりにも、先ほどお話した聖子さんの訴求力、曲と詩を通じて心に届ける表現力を強く感じました。

 次の「SWEET MEMORIES〜甘い記憶〜」は大村雅朗さんの作曲ですが、コード進行が素晴らしい。いわゆるドミナントモーションで、人に感動を与えるコード進行になっています。聖子さんが歌うと大村さんという偉大な作曲家が、どんな風に工夫してこの曲を作ったのか、そんな事まで想像させてくれました。

 そこから「野バラのエチュード〜秘密の花園〜LaLa!!
明日に向かって〜モッキンバード〜天国のキッス」とメドレーが続きました。ここで面白かったのが「モッキンバード」で、これは南佳孝さんの曲で、フォークソング調の作品です。でも聖子さんはこの曲が嫌いだったらしい。

 「チュン・シュルル・ル」という鳥のさえずりが歌詞にないっていますが、ここがとても嫌だったそうです。でも数年前のライブで歌い直したらみんながいい曲だと改めて認識してくれて、最近のライブではみんなで合唱しています。今回そんな曲を選んでいるというのは、きっと配信を観ているファンへのサービスだったのでしょう。

 また映像のHDR効果もうまく使われていました。基本的には白を立てる方向ですが、聖子さんの頬の肌色の階調も綺麗で、輝度情報もきちんと出ていました。DLA-Z1はHDRモードが自動切り替えではありません。そこで色々切り替えて観てみましたが、画質モード「HDR」で「コントラスト」や「色の濃さ」を微調整したらいい案配になっていました(写真参照)。

 今回のライブ配信は、音楽ファンが多く視聴したと思いますが、ここまでのクォリティアップができるのなら、配信だからというエクスキューズはもういらないと思います。それくらい満足できる内容でした。

 ただし、ライブ配信の最大の問題点は、一回限りが多いことです。配信のライブ作品でも買い切りを増やして、購入したコンテンツについてはいつでも、何回でも楽しめるというパッケージ的な使いこなしにしていただきたい。リアルなライブは、体験できる人数が限られています。でも配信と組み合わせればもっと多くの人に感動を届けることができます。これは凄いことです。

 しかしそこにはある程度のクォリティがないといけません。今回のU-NEXTさんの配信のように145インチと本格オーディオで感動する品質を実現できれば、コンサートビジネスそのものが新しい次元に入るのではないでしょうか。