AVセンター部門(4)〈25万円以上〉 第1位 デノン AVC-A110
¥680,000+税
ココがスゴイ!!
並々ならぬ決意を感じる、デノンAVセンターの金字塔。(潮)
気持ちよく吹き上がる、濃密で熱いサラウンドサウンド(藤原)
推薦者のコメント
潮晴男
デノン創立110周年の節目にリリースされたAVセンターの記念モデル。一般的にこうした製品を手掛ける場合、台数の見込める中堅機を俎上に載せることが多いが、デノンはすでに完成された最上位機のAVC-X8500Hにその役割を求めたところに並々ならぬ決意が感じ取れる。AVC-A110は、化粧直しや小手先の技術を盛り込んだ記念碑的なモデルではなく、AVC-X8500Hをベースに価格の制約を取り払って完成度を高め、その成果を見事に音質に反映している点を高く評価したい。DACユニットを初めとする信号処理回路を再設計し、パーツのグレードアップや電源の強化、さらには徹底した各回路の低インピーダンス化を実現することで、微細な情報まで浮き彫りにしている。その中でもいちばん大きな変化は、重心の下ったエネルギー感の横溢するマルチチャンネルサウンドの構築である。「リニューアル」ではなく「ニューモデル」に相応しいパフォーマンスを手にしたAVC-A110は、デノンAVセンターの金字塔として後世に語り継がれていくことだろう。
藤原陽祐
デノンが技術の粋を集結して完成させたAVセンターの最高峰、AVC-X8500Hを超えるパフォーマンスをめざして開発された注目のモデルだ。基本回路はX8500Hを踏襲しつつ、8kg超の特注EIコアトランス(純銅製のトランスベース付き)や、20,000μFのカスタムコンデンサーなど、主要な部品をひとつひとつ見直し、基板パターンに用いられている銅箔も厚みを2倍に増やし、低インピーダンス化を追求したという。アンプ回路については各チャンネル基板を個別に独立させたモノリス・コンストラクションを採用。ここでもアルミニウム押し出し材のヒートシンク表面にアルマイト塗装が施され、同時に、大電流トランジスターDHCT(Denon High Current Transistor)を2mm厚の銅板で組み込むなど、放熱効率の改善に向けた工夫を施している。こうした地道な努力は、そのまま熱い、濃密なサウンドとして現れている。思い切って音量をあげても足元がふらつかず、気持ちよく吹き上がる。この安定感は見事。
その他の選考委員の投票
麻倉怜士
小原由夫
高津修
鳥居一豊
山本浩司
吉田伊織
和田博巳
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