アキュフェーズ C47 ¥600,000
●入力端子:4系統(RCAアンバランス×3=MC/MM、XLRバランス=MC)
●入力感度:MC・1.26mV/0.63mV(ゲインHIGH)、MM・40mV/20mV(ゲインHIGH)
●入力インピーダンス:MC・10Ω/30Ω/100Ω/200Ω/300Ω/1kΩ、MM・1kΩ/47kΩ/100kΩ
●利得:MC・64dB/70dB(ゲインHIGH)、MM・34dB/40dB(ゲインHIGH)
●出力端子:2系統(RCAアンバランス、XLRバランス)
●寸法/重量:W465×H114×D407mm/14.8kg
●問合せ先:アキュフェーズ(株)

 アキュフェーズから新型のフォノイコライザーアンプC47が登場した。オリジナルのC27(2008年)、そしてC37(2014年)の後継機として設計されたこのC47は、同社初のバランス増幅フォノイコライザーアンプ。デュアルモノの構成で、増幅回路には配線パターンに金メッキ処理を施したガラス布フッ素樹脂基板が使われている。

フロントパネル。表示部下のスイッチは左からMC/MM、ゲイン、サブソニックフィルター、負荷インピーダンスの切替え。右の丸いノブはMCバランス入力と3系統のRCAアンバランス入力を切り替える。

 MM型の回路から見ていこう。興味深いことに、入力信号は最初にJFET素子による専用設計のヘッドアンプ回路(20dB)を経由する。主たる目的は後続の増幅回路へのバランス信号変換で、キャパシタンス値は未公表だが固定されているようだ。入力負荷は、1kΩ/47kΩ/100kΩから選択できる。

 MC型の回路では、前作とは異なるバイポーラ・トランジスターによるヘッドアンプ回路(50dB)が最初にある。MC型入力ではフルバランス伝送が可能なXLR端子も装備。フォノカートリッジはフローティングのバランス回路とみなすことができ、バランス接続ではヘッドアンプで電気的な中点を作りグラウンドを形成。シングルエンド入力ではMM型入力と同じくバランス信号への変換が行われる。入力負荷は、10Ω/30Ω/100Ω/200Ω/300Ω/1kΩからの選択だ。

 RIAA補正回路は従来からのNF方式。バランス増幅なのでホット回路とコールド回路の両方に同一のRIAA補正回路があるわけだが、その偏差はわずか±0.3dB以下という。ヘッドアンプとイコライザーアンプを合計した利得は、MMで34dB/40dB、MCで64dB/70dBである。各種設定は入力ポジションごとに記憶されるので便利だ。

リアパネル。左端にMCバランス入力を装備。その右に3系統のRCAアンバランス入力端子、中央にRCAアンバランス、XLRバランス各1系統の出力端子を配する。

 本機の試聴には、MM型にオーディオテクニカVM760SLを、MC型はフェーズメーションPP2000を使った。プレーヤーはテクニクスSL1000R。プリアンプとパワーアンプはエアータイトATC5+ATM3で、B&W800D3を鳴らした。

試聴する三浦氏。カートリッジはMM型にオーディオテクニカVM760SLC、MC型にフェーズメーションPP2000を使用。

 MM型では、情報量の多さと精気を感じさせる躍動的な音が得られた。玉置浩二のベスト(ステレオサウンド)からの「大切な時間」は、リアルな声色とベルの澄みきった音色が印象的。愛聴盤のアンセルメ指揮「三角帽子」も臨場感の豊かさと音数の多さに圧倒された。針を上げると、無音と断じても過言ではないほどの静寂さが得られている。

 MC型の音質も秀逸。100Ω負荷のハイゲインで聴いたが、抜群のS/N感を下支えに、鮮烈かつ生々しい音を描き上げる。プリアンプの関係からシングルエンド接続なのだが、玉置浩二では音像が彫り深く訴求力抜群の音だ。三角帽子も一音一音を克明に聴かせ、古い録音とは思えないほど新鮮で豊かな情感描写。ブライアン・ブロンバーグのキャラバンはCD音源よりもはるかに躍動的で、聴き手を興奮させるライフライクな音だった。

 音質と性能ともに最高峰のひとつに数えられる、リファレンス的な音を聴かせる製品。

入力を切り替えて操作を確認する三浦氏。

内部はトロイダル電源トランス、写真右下の電源回路、右上のイコライザーアンプ部ともL/R独立コンストラクション。MC/MMともヘッドアンプ部とイコライザーアンプによる2段構成でMM入力部のヘッドアンプは本機で新規搭載。入力素子はMMヘッドアンプがJ-FET(3パラレル)、MCヘッドアンプがローノイズのバイポーラトランジスター(9パラレル)。イコライザー部は低誘電率のガラス布フッ素樹脂基板に展開する。

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