ソニーは、映画、アニメ、ゲームなどの3Dクリエイターに向けた開発ツールとして、Spatial Reality Display(空間再現ディスプレイ)「ELF-SR1」を発表した。市場想定価格50万円前後で、10月31日の発売を予定している。

「ELF-SR1」は4K解像度の液晶パネルを搭載。本体の中央上部にセンサーカメラが搭載されている

 空間再現ディスプレイは、今年1月のラスベガスCESの同社ブースで「視線認識型ライトフィールドディスプレイ」として展示されていたもので、StereoSound ONLINEの麻倉怜士さんのリポートでも紹介している。

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 形状としては、約45度傾いた画面を備えたモニターで、液晶パネルサイズは15.6インチ。解像度は4K(水平3,840×垂直2,160画素)、明るさ500nitで、コントラストは1,400:1を備えている。

 その画面上部にはカメラが内蔵されており、ここで視聴者の顔(両目)の位置を検出、奥行まで測定する。その情報を再生用PCに送ると、リアルタイムレンダリングアルゴリズムによって立体視聴に最適なコンテンツが作成され、ELF-SR1に戻されるという。インターフェイスはHDMIで、4K/60pでの伝送となる。

没入感を高めるために画面の両脇に取り付けるサイドパネルも付属する

 ELF-SR1のパネル表面にはマイクロオプティカルレンズが備わっており、PCからの立体視映像を右目・左目用に分けて表示することでメガネなし(裸眼)での立体視聴が可能になるわけだ。ELF-SR1は一台一台精密な調整を行うことで、オブジェクトの細部まで確認できる解像度や色再現、コントラスト、明るさを保った映像を実現している。

 内蔵カメラには高速ビジョンセンサーが使われており、視聴者の目の動きを常時捉え続けることで、上下左右といった角度だけでなく、視聴距離も把握できる。このため、顔をモニターに近づけると映像が拡大表示されるといった、自然な対応も可能になっている。

 なお先述したようにELF-SR1で立体視を観るにはリアルタイムレンダリング機能を備えたPCと組み合わせる必要がある。PCの必要動作環境としてはOSがウィンドウズ10(64ビット)で、CPUがIntel i5-9600(6コア)以上、メモリー8Gバイト以上といったものとなる。ソフトウェア開発キットはソニーのホームページから提供される予定だ

 なおELF-SR1はソニーストアで先行展示も行われる。銀座が10月16日〜、札幌/大阪/福岡が10月23日〜、名古屋は11月6日〜なので、ご自分の目で自然な立体感を体験していただきたい。

本体を横から見たところ。スピーカーは写真左側、パネル部裏に内蔵されている

「ELF-SR1」の主なスペック

●パネルサイズ:15.6インチ
●解像度:水平3,840×垂直2,160画素
●視野角:上20度、下40度、左右各25度
●明るさ:500nit
●コントラスト:1,400対1
●色域:アドビRGB約100%
●内蔵スピーカー:2.1ch
●接続端子:HDMI入力1系統、USB Type-C 1系統
●消費電力:24W(待機時0.5W以下)
●寸法/質量:W383×H232×D231mm/4.6kg