ナスペックから、Storm Audio(ストームオーディオ)のAVプリアンプとマルチチャンネルパワーアンプの新製品(MK2)が発売される。新製品のラインナップは以下の通りで、すべて9月10日の受注開始。納期は約1ヵ月を予定している。

●AVプリアンプ
「ISP.16 ANALOG MK2」 ¥1,800,000(税別)
「ISP.24 ANALOG MK2」 ¥2,000,000(税別)
「ISP.32 ANALOG MK2」 ¥2,300,000(税別)
●マルチチャンネルパワーアンプ
「PA 8 ULTRA MK2」 ¥1,000,000(税別、8ch)
「PA 16 MK2」 ¥1,300,000(税別、16ch)

 ストームオーディオは、イマーシブサウンドのひとつであるAURO-3Dフォーマットの生みの親であるAuro Technologies社が立ち上げたブランドだ。その後、2018年にAuro Technologies社からフランスのImmersive Audio Technologies Groupに移管、ハイエンドなオーディオビジュアル製品を送り出し続けている。

 日本国内では、2018年に「IPS 3D.16 ELITE」を発売、ハイエンドのサウンドクォリティを備えたAVプリアンプとして好評を博した。その後、パワーアンプの「PA8 ELITE」「PA16 ELITE」もラインナップされていた。

AVプリアンプの「ISP MK2」シリーズ。フロントパネルが肉厚になるなど、デザインも旧モデルから変更された

 今回は、それらのモデルがすべてMK2化、AVプリアンプのISP MK2シリーズは、次世代のサラウンド再生に対応するべく更なる進化を遂げている。

 まず出力チャンネル数が拡張され、AURO-3D、ドルビーアトモス、DTS:Xの自由度がさらに高くなった(IMAX Enhaned、DTS:X Proデコードは、年内のアップデートで対応予定)。それを受けて16/24/32ch出力の3モデルがあらかじめ用意されている。また、入力2系統、出力5系統のHDMI端子はすべてHDMI2.0b/HDCP2.2対応を果たしている。

 音声用DACチップはアナログデバイセズ社「ADAU1966」で前モデルと同じだが、DSPチップは、デコード用にテキサスインスツルメンツ「K2G」を、プロセッシング処理に「SHARC 4th generation」を4基という構成に変更された。

 ボリュウムは、完全なデジタルボリュウムから、デジタル/アナログハイブリッド・ボリュウムに変更され、高ダイナミックレンジ&高S/Nなサウンドを実現しているそうだ。

「ISP.16 ANALOG MK2」の背面端子。アナログ出力は16系統備えている

 ストームオーディオの特徴でもある、Dirac Live.Room Calibrationによる補正機能は、新たにBass Management機能が加わり、複数のサブウーファーを使う場合でもシステム全体で低音コントロール/補正ができるようになっている。

 なお前モデル同様に、Dirac Liveの測定を含む初期設定は、輸入元のナスペック、または販売店が担当する。ただし、どうしても自分で設定したいという方のために、別売で測定用マイクキット「New Microphone Kit(仮)」も準備されるという。こちらは今年秋の発売予定で、価格は未定。

 さらにシステムを拡張したくなった時には、各種アップグレードサービスも準備されている。チャンネル拡張(16ch→24 or 32ch、24ch→32ch)、32 Digital AES/EBU upgrade、32 Digital AVB upgrade、16 DCI AES/EBU upgradeといったもので、価格は関連リンクでご確認いただきたい。

 もうひとつ、従来モデルISP 3D.16 ELITE(MK1)からの有償アップグレードも可能だ。こちらはプロセッシング処理の更新(24ch Decorder Upgrade)が¥470,000、HDMI端子の交換+2eARC Upgradeが¥200,000となっている(どちらも税別)。

パワーアンプの「PA MK2」シリーズの本体サイズは、8ch用、16ch用のどちらも同じ

 マルチチャンネルパワーアンプのPA 8 ULTRA MK2とPA 16 MK2は、デンマーク・コペンハーゲンを拠点とするPASCAL AUDIO社の技術協力によって完成した。同社のクラスDオーディオ技術にストームオーディオのノウハウと知識を融合、徹底的な高品質パーツも奢られている。

 1chあたり200W(8Ω)の出力を備え、最高20kHzまでの出力帯域を確保。ストームオーディオのAVプリと接続していれば、同社による遠隔フル・モニタリングが可能となる。またPA 8 MK2 ULTRAはブリッジ駆動が可能で、その場合はチャンネルあたり800Wの4chパワーアンプとして使用可能になっている。

「ISP MK2」の主なスペック

「ISP.32 ANALOG MK2」の背面

●対応サラウンドフォーマット:ドルビーアトモス、AURO-3D、DTS:X、他
●対応解像度:4K/60p/4:4:4/8ビット、18Gpbs
●HDR:HDR10、HLG、Dolby Vision
●接続端子:HDMI入力7系統(HDMI2.0b/HDCP2.2)、HDMI出力2系統(HDMI2.0b/HDCP2.2)、デジタル音声入力6系統(同軸×3、光×3)、アナログ入力5系統(XLR×1、RCA×4)、アナログ音声出力1系統(XLA、ダウンミックス用)、USB Type-A 2系統、LAN端子1系統、他
●寸法:W490×H191×D479mm

ISP.16 ANALOG MK2●アナログ出力(音声):16系統 (XLR)●質量:13.1kg
ISP.24 ANALOG MK2●アナログ出力(音声):24系統 (XLR)●質量:13.2kg
ISP.32 ANALOG MK2●アナログ出力(音声):32系統 (XLR)●質量:13.6kg

「PA 16 MK2」の主なスペック

●定格出力:200W×16(8Ω)
●S/N:115dB以上
●接続端子:アナログ入力16系統(XLR)、USB Type-A 1系統、LAN端子1系統、他
●寸法/質量:W442×H150×D495mm/18.0kg

「PA 8 ULTRA MK2」の主なスペック

●定格出力:200W×8(8Ω)、800W×4(Bridged/8Ω)
●S/N比:115dB以上
●接続端子:アナログ入力8系統 (XLR)、USB Type-A 1系統、LAN端子1系統、他
●寸法/質量:W442×H150×D495mm/17.3kg