映像配信サービス大手・Netflixは9月7日、日本ローンチ5周年を記念したオンライン記者説明会を開催した。

 冒頭、ビデオメッセージで登場した最高執行責任者のグレッグ・ピーターズ氏は、日本でのサービス開始5周年を迎えられたことに「嬉しい」と大きな笑顔を見せ、当時(2015年)、アジア圏初の日本市場への参入は「大きな賭け」であったものの、氏は立ち上げから関わり、日本のファンを楽しませるために、さまざまな課題に取り組み、また日本のクリエイターが作りたい質の高い作品を数多く手がけてきたことで、多くのファン(会員)を獲得できた、とニンマリ。

 日本における会員数も、昨年の同時期には300万人だったものが、現在では500万人にまで伸長しているそうで、日本発のコンテンツについても50ヵ国以上への配信を実施し、各地で人気を集めているそうだ。

 結果、現在では世界190ヵ国でサービスを展開し、会員は1億9300万人を数えるまでに成長したという。

 さて、グレッグ氏の話を受けて、より詳しい日本市場の動向を紹介してくれたのは、日本での実写作品のクリエイティブを統括しているコンテンツ・アクイジション部門ディレクターの坂本和隆氏だ。

 2015年の入社以降、実写のみならずアニメ作の制作にも関わり、「火花」や「Devilman Crybaby」などを手掛けてきたそう。氏曰く「観たことのない作品を届ける」を念頭に制作を行なってきた結果、現在では日本発のコンテンツは日本国内だけでなく、ワールドワイドに人気なものとなり、先述の通り50ヵ国以上への配信も行なわれるようになっているそう。中でも、『泣きたい私は猫をかぶる』『バキ』『攻殻機動隊SAC_2045』『全裸監督』は人気であり、それを受けて『全裸監督2』の制作が決定。2021年の配信を予定しているという。

Netflixオリジナルシリーズ「全裸監督 シーズン2」。2021年、Netflixにて全世界独占配信

 また、2022年末までには新作実写を15作品配信する計画も進行中だそう。

 会見の後段では、年内に配信予定のNetflixオリジナルシリーズ『今際の国のアリス』の佐藤信介監督も登壇。今回、ネットフリックスとのコラボについて、「純粋に面白いものを観たいという、映画ファンの原点を重視した体制での制作は、とても新鮮だったし、企画段階から制作に至るまで、常に作品に向き合っている姿勢を感じることができた」と、大絶賛。

会見に登壇したNetflix坂本和隆氏(左)と、『今際の国のアリス』の佐藤信介監督

 作品については、「映画の規模感で全8話のドラマを作ったので、今までに観たことのないものを観てもらえると思う」と自ら太鼓判。CGについても、予算規模から効果を決めていくのではなく、「何をしたいのかから決めていくスタイルだったので、クォリティをとことん上げることができた」と、驚きを以てコメント。結果、撮影は4K、音声は5.1chというフォーマットでの制作体制と合わせ、「いい絵、いい音で、ある意味劇場以上のクォリティにできた」と喜びの言葉を発していた。