プライマー R35 ¥250,000
●入力端子:1系統(RCAアンバランス)●出力端子:2系統(RCAアンバランス、XLRバランス)●出力インピーダンス:100Ω(RCAアンバランス)、200Ω(XLRバランス)●利得(1kHz):36、40、44dB(MM RCA)/42、46、50dB(MM、XLR)/62、66、70dB(MC、RCA)/68、72、76dB(MC、XLR)●寸法/重量:W430×H92×D384mm/10.1kg●備考:負荷抵抗、負荷容量の設定可能●問合せ先:(株)ナスペック

 プライマーは1985年に設立されたスウェーデンのメーカー。本機R35はMC/MM対応でRCAとXLRの出力端子を備えたフォノイコライザーアンプ。前面中央に彫り込まれたロゴマークが電源スイッチになっていて、大型の脚部が3点支持というのも目立った特徴。

前面の中央に配置された同社のマークが電源スイッチ。リアのACインレットの脇にはメイン電源スイッチ。

 すべて半導体回路であり、信号系のスイッチや端子類は回路基板に直接配置されている。カートリッジの負荷抵抗や負荷容量の切り替えは、ディップスイッチによる左右独立仕様だ。チャンネルセパレーションを重視した設計だろう。MMの負荷抵抗は47kΩと2.5 kΩが切り替えられ、MCの負荷抵抗は10Ωから47kΩまで22通りも選択可能だ。

リアビュー。左の入力端子の両側に、左右独立で設定可能なMM/MCの負荷抵抗切替えのディップスイッチを設ける。中央にRCAアンバランスとXLRバランスのアナログ出力。右にはサブソニックフィルターのON/OFF、MM/MCの切替え、ゲイン切替えスイッチを配置。

 カートリッジはフェーズメーションのPP2000を使用。五輪真弓の「恋人よ」は情報密度が高くて高分解能。わずかに中高域に光沢や輪郭を目立たせるようなこともあるけれど、この鋭敏さはカートリッジの持ち味でもあり、現代的な過渡特性と広帯域特性への対応力はあきらかだ。声の成分分析も好調、しかも歌のありかを示す濃密な情調もよく伝わる。

試聴に使用したカートリッジ フェーズメーション PP2000 ¥440,000

 ピアソラの「エル・タンゴ」は打楽器的な奏法が目覚ましく、低い重心を保って刻みを入れるベースは、その弾力と実在感が異界に連れ込む勢いだ。オーケストラのスケール感や管楽器群の屹立と咆哮もきわめて高水準。このアンプの優秀な過渡特性を知らしめるフォノイコライザー体験であった。

天板を外した内部を見る。左側に電源部、右側に信号系の回路を配する。信号系回路は左右独立で、多層両面基板を使って配線は短く設計されている。

試聴に使用したレコードプレーヤー テクニクス SL1000R ¥1,600,000

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