いまだからほしい。手の届くハイグレード“プラスワン”アイテム

 アマゾン・エコーやグーグル・ホームに代表されるスマートスピーカー。対話型の音声操作に対応したAIアシスタント機能を持つスピーカーシステムで、最近は音のよさをセールスポイントとしたオーディオメーカーが作り上げたモデルも登場している。

 ここで取り上げるASC-S5、老舗のオーディオブランド、ラックスマンが手がけた話題作。正確には新ブランド「LUXMAN B-side」発の「アマゾン・アレクサ」対応のスマートスピーカーで、パリに拠点を置くデザイン会社「arro studio」とのコラボモデルとなる。

 まずアルミの押し出し材によるボディ表面に5800もの穴を開けたエッジーなルックスに目が奪われる。シンプルかつクールな印象だが、実際に手にするとズシリと重く、本物っぽさが実感できる。音量の調整や電源切り替えが可能な直径90mmの大型ホイールは無垢材から削り出したもの。触れることの楽しさを意識したものだろう。

 デザイン志向の強さが際立つが、そこはラックスマンが送り出すスマートスピーカー、内容は濃い。ミュージックサーバーとの連携によるネットワーク再生や、アマゾン・ミュージック、スポティファイなどのストリーミング再生をサポート。

 さらにUSBおよびアナログ/デジタル入出力まで備え、エアプレイやブルートゥース(しかもaptX HD対応)によるワイヤレス再生も楽しめるという全方位型の本格派ワイヤレススピーカーとして仕上がっている。

 基本操作は専用アプリ「LUXMAN CONNECT」で行なうスタイルとなる。WiFi環境があれば電源を確保して、アプリから設定をするだけで、スピーカーの初期セットアップは完了。このアプリで入力の切替え、音量調整、各種音楽再生など、ほぼすべての操作が可能だ。

 

外観の美しさと共通する正攻法の音づくり

 ASC-S5の造りのよさはそのまま雑味のないサウンドに表れている。

 各種ハイレゾ音源や、スポティファイでエミルー・ハウスなどを聴いたが、派手さはないが、奇をてらうことのない正攻法の音づくりだ。

 声は生なりで、ギターは響きが柔らかい。威圧感がなく、あるがままを聴いてもらうというハイファイ調のサウンドは、やはりラックスマンのオーディオコンポーネントの血統だろう。

 過度な演出をしないため、総じてクールな調子に感じられるが、これはいわばアーティストの意図をストレートに描き出していると考えられる。

 2時間、3時間と聴き続けても、ストレスがなく音楽が楽しい。こんなスマートスピーカーは初めてだ。

 

Bluetooth Active Speaker System
LUXMAN B-Side
arro studio collection S5
¥98,000+税

● 型式:D/Aコンバーター/パワーアンプ内蔵2ウェイ4スピーカー・バスレフ型
● 使用ユニット:80mmコーン型ウーファー、25mmドーム型トゥイーター、25mmドーム型トゥイーター(L/R用)
● アンプ出力:ウーファー部・30W、トゥイーター部・10W×3
● 接続端子:デジタル音声入力2系統(光×1、USBタイプA×1)、アナログ音声入力1系統(3.5mmフォーン)、デジタル音声出力1系統(光×1)、アナログ音声出力1系統(3.5mmフォーン)、LAN1系統
● 寸法/重量:W150×H250×D170mm/4.0kg
● 備考:Bluetooth(SBC、AAC、aptX、aptX HD)、Wi-Fi(2.4GHz 802.11 b/g/n)、Amazon Alexa、iOS/Andoroid専用無料アプリ「LUXMAN CONNECT」、音楽ストリーミングサービス(Spotify、Amazon Music、TuneIn、Deezerなど)対応
● 問合せ先:LUXMAN B-Side カスタマーサービス ☎ 050(3381)5060

押出しアルミニウムに5,000個以上の穴を開けた凝った加工が美しい。音質だけでなくインテリアの中での意匠性も重視した新発想のワイヤレススピーカーだ。ワイヤレスでの使用が基本的な使い方だが、本体背面下部に各種接続端子も備える